[2023年度上半期] JR上場4社の決算
各社の売上高と営業利益率の推移
JR上場4社の第2四半期の決算が出揃ったので、4社の経営状況を比較してみました。コロナ前からの売上高と営業利益率の推移を半年ごとに計算してグラフにしています。第一印象としては、コロナ、終わったんだなあ、という感じです。
どのグラフも左縦軸の単位は100万円です。
売上規模は各社かなり違うので(東が頭一つとびぬけて大きく、九州が桁1個小さい)左縦軸の目盛は各社ごとに違いますが、営業利益率の目盛を示す右縦軸は比較しやすいようにすべてマイナス40%~プラス80%の範囲に揃えています。
以下、東、西、東海、九州の順に並べています。
比較する
パンデミックが始まったのが2020年1月末、本格化したのが3月くらいでしたから、2019年度は各社下半期に2~3割影響を被り、2020年度にもろに影響を被った形となります。
コロナの影響を受ける前(2018年度とかろうじて2019年度)に調子のよかった東海の落ち込みが激しいです。
超強力な収益源があると(JR東海の場合は東海道新幹線)、逆にショックには弱いということでしょうか。
一方でJR九州の耐久力が目を引きます。もっともJR各社のうちで比較すれば、という話であって、営業利益率マイナス20%はかなりえぐいですけど😅
JR九州は不動産事業の利益割合が比較的大きいので、ショックをかなり緩和してくれたのですね。鉄道は、人やモノの動きが止まれば即収益がなくなりますが、不動産の場合は契約終了するにしてもそこまで迅速には動かないでしょうから。コロナショックのように短期間でいずれ元に戻るようなショックなら、耐えてるうちになんとか・・・思ったよりコロナ禍が長引いたということはあるかもしれませんが、わりと何とかなった部類ですね。
23年度の予想だと、JR西の売上はコロナ前の水準まで回復しそうです。九州はもう少し。東海と東はまだまだという印象です。
そして各社ともコロナの影響が出る前の2018年度は上半期の営業利益率の方が下半期よりも明確に高いです。期初の目標が到達できそうで気が緩むとか、期末が近づくと何か経費を使いたくなるとか、ギリギリまでなんとかならんかと温めていた損失をあきらめて年度末近くに計上するとか、何かあるんじゃないかと思ってしまいます😆
余談ですが、ソニーも以前は「年度末に損失を出す体質が染みついている」会社だったそうです。7年くらい前に当時CFOだった吉田憲一郎CEOが言っていました。2003年4月のソニーショックもそういう体質が災いして起きたみたいです。