[決算][Jack Henry & Associates] 2023年度(2022年7月~2023年6月)
オリジナルデータ
2023年8月15日公表
決算を読む
以下では Press Release を読んで 2023年通期の Jack Henry & Associates の決算数値を確認していきます。引用した表の中には直近3カ月(4~6月)の決算数値も併記されているものもありますが、すべて1年間の数値の方に着目していきます。また下記でページ番号を示している場合は、PDF版のPress Releaseでのページ番号を指しています。HTML版は全部1ページにまとまっているので、ページ番号の指定はムリ😅
セグメントごとの売上高と利益
いちばん端的に結果を示しているのは6ページ上部の、部門別売上高とセグメント利益の表でしょう。どんな事業をやっているかがぱっとわかるのはもちろん、稼いでいるのはどの部門か、利益率が高いのはどの部門か、逆に足を引っ張ってるのはどの部門か、などが分かるので、連結した(合計した)後の数値よりおもしろいです。
Core、Payment、Complementary、Corporate and other の4部門がありますが、Corporate and other 以外の3部門がほぼ均等に売上を上げています。Corporate and other は全社の管理などが主な仕事だと思うので除外して考えてよいでしょう。実にバランスのよく売上げています。グラフ化すると一目瞭然です。
そしてその3部門が利益もほぼ均等に上げています。Corporate and other が赤字なのは全社的な管理業務があるから仕方ないでしょう。だいたいどの会社もCorporate部門は赤字だし。
キャッシュフロー
8~9ページにはキャッシュフロー計算書があります。
営業活動で3.8億ドル稼ぎ、4.1億ドルを投資活動に投じている。まだまだ成長期な感じがします。
営業キャッシュフローの中ではAmortization(償却費)がわりと大きい(1.4億ドルある)。事業買収とか、けっこうしていそう。
投資キャッシュフローの中では買収のための2.3億ドル支出、ソフトウェア開発に1.66億ドル支出、というのが大きい。今年度はPayrailz社を買収している。有価証券の売却収入が昨年の5万ドル弱から2,794万ドル弱に急増しているのは、買収費用の捻出の意味もあったのだろうか。
買収案件があったためか、財務キャッシュフローでは正味1.6億ドルの借り入れがある。
連結売上高
最後に2ページに戻って、年間の連結売上高と事業の状況を確認します。下の表は右側(Year Ended)の方を見てください。
表の下に何が増収で何が減収で、という内訳が書いてあるのですが、意外とおもしろい。ざっくりですがどういう製品やサービスを提供しているのか分かります。
data processing and hosting fees
deconversion fees
software usage and subscription fees
consulting fees
work orders
implementation fee
hardware
ソフトウェア使用料(subscriptionと書いてあるので毎月○○ドルとか毎年○○ドルとかでしょう)、データ処理・データ管理料(こっちは従量課金な気がします。つまりデータが多いほどお金がかかる。これは根拠ありません私の推測です)、deconversion手数料(何を逆変換するのだろうか?)といった、いちどお客になってくれたら安定的な収入が見込めるものと、コンサル費用、初期導入費用、ハードウェアの売上など、単発で発生する収入があります。
営業経費
3ページに営業経費と営業利益が載っています。労働集約的な産業だけあって、インフレと人手不足が激しい今日この頃、人件費やら福利厚生費やらのコストがイタそうです。
参考情報
Jack Henry & Associates 概要(別記事へのリンク)
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