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[決算][Micron Technology] 2023年度(2022年9月~2023年8月)


オリジナルデータ

2023年度通期の決算が2023年9月27日、米国株式市場Close後(日本時間では9月28日早朝)に発表されました。

決算を読む

以下では Micron Technology の 2023年通期の決算 Press Release を読んで 2023年度(2022年9月~2023年8月)の決算数値を確認していきます。

2023年度ハイライト

Fiscal 2023 highlights
Revenue of $15.54 billion versus $30.76 billion for the prior year
- GAAP net loss of $5.83 billion, or $5.34 per diluted share
- Non-GAAP net loss of $4.86 billion, or $4.45 per diluted share
- Operating cash flow of $1.56 billion versus $15.18 billion for the prior year

URL : https://investors.micron.com/node/45791/pdf
  • 年間売上高は155.4億ドル(1ドル=150円換算で2兆3310億円)。前年度は307.6億ドルだったのでほぼ半減

  • Non-GAAP純損失は48.6億ドル。

  • でも営業キャッシュフローは15.6億ドルの黒字を確保した。


CEOのコメント

Our 2023 performance positions us well as a market recovery takes shape in 2024, driven by increasing demand and disciplined supply. We look forward to record industry TAM revenue in 2025 as AI proliferates from the data center to the edge.

CEOのコメントは来年度、再来年度の見通しについて

  • market recovery takes shape in 2024, driven by increasing demand and disciplined supply

    • 2024年には、需要の回復と供給の引き締まりによって市況が回復すると見込んでいる

  • We look forward to record industry TAM revenue in 2025

    • TAM = Total Addressable Market

    • 2025年には需要が完全回復する(需要が市場の潜在規模と同じレベルに達する)と見込んでいる


2023年度の損益

2023年度通期の売上、粗利益、営業利益、純利益

Non-GAAP(会計基準非準拠)の数字(赤枠で囲んだ方)を見ます。理由は本業で稼ぐ力を見たいから。GAAPの方は事業売却、買収、減損など一時的な要因が含まれるため必ずしも本業の力が表れるとは限りません。

  • Gross Margin(粗利益)がマイナス11.96億ドル。粗利益がマイナスというのは相当きついですね。原材料費など社外への支払だけで売上を上回ってしまっている状態😥。


2024年度第1四半期(2023年9~11月)の見通し

  • 売上高は44億ドル±2億ドル

    • 23年第4四半期の売上が40.1億ドルなので、少しだけ上向く見込み

  • 粗利益率は-2.0%~-6.0%

    • まだマイナスから抜け出せない😥

  • 営業経費は9億ドル±1,500万ドルの見込み。

    • 23年第3、第4四半期はそれぞれ8.66億ドル、8.42億ドルだったので、少し支出を増やすつもりのよう。


連結貸借対照表

23年度末時点で、総資産642.54億ドル、株主資本441.20億ドルなので自己資本比率は68.7%。業績のブレが大きい半導体業界にあるだけあって、自己資本は厚めになっています。
現預金及び現金同等物は85.77億ドルと、1年前の82.62億ドルとほぼ同水準を保ち、在庫も83.87億ドルと1年前の66.63億ドルから大きく増えてはいないので、経営の安全性は問題ないでしょう。

キャッシュフロー

2023年度通期の営業キャッシュフローは15.59億ドル。なんとか黒字を確保しているとはいえ、前年の151.81億ドルにくらべるとなんとも頼りない。でもCEOの見込みどおりなら今が底。
そんな中でも必要な投資は継続中。Capital Expenditure(設備投資など)は70.1億ドルで、投資キャッシュフロー全体では61.91億ドルの支出(前年は115.85億ドルの支出)。
厳しい営業状況を反映してか、財務キャッシュフローは前年の2,980億ドルの支出に対し、今年は49.83億ドルの収入。昨年に比べて自己株式の買付を大幅抑制して支出を抑える一方、社債発行量を増やして(前年比3倍くらいの67.16億ドル)で資金を確保しています。

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