スカラのタコ足配当
今週、株式会社スカラの期末配当が支払われたのですが。
利益剰余金が底を尽いてしまい資本金を取り崩して配当する、いわゆるタコ足配当でした。
投資家にとっては出資額の一部を返還された形となり、配当所得ではなく譲渡所得(または譲渡損失)が発生します。
話はさらにややこしく、支払われた金額の一部は配当所得で残りが譲渡所得(譲渡損失)なのだそう。私、経理担当したことないので詳しい理屈はよく知らないですが、税金なんて計算ができればいいんです。自然科学と違って理屈を知ったところでなーんも感動できませんから。
で、計算は簡単にできるんですが、後始末がメンドクサイです。確定申告しないといけない(またはしないと損する)状況になり得るので。お商売している人は毎年やっていて慣れているかもしれませんが、ふだん会社が全部税金の計算してくれているサラリーマンにとってはなかなかタイヘン。
譲渡所得が20万円を超えたら確定申告は義務になる(20万円未満なら申告してもしなくてもよい)、譲渡損失は確定申告しなくてもいいけど申告しないと税金を余計に取られたままになる。余計に取られた税金が100円くらいなら「まあいいや」で済ませてもいいですが、5,000円を超えてくるあたりからはなかなかそうは割り切れないでしょう。確定申告書類を書く手間を考えると5,000円だと割に合わないですが、「まあいいや」で済ますには高すぎる。悩みどころですね。
私は配当狙いの長期投資をしているので株式の売却はほとんどしません。損切りはするのでまったくしないわけではないですが。こういう人にとっては、
株のキャピタルゲイン(値上がり益)はゼロ、インカムゲイン(配当収益)たくさん、というのがふつう。配当金は受取前に税金を取られているので、確定申告はしない。10年のうち8年か9年はこのパターン。
10年に1度か2度、いざ確定申告をすると決めた年には含み損を抱えて回復の見込みのないボロ株を売りまくって思いきり損を出し、配当利益と相殺して税金を限界まで減らす。
というのが手間と余計な出費(税金)を最小化する最適解だと思うのですが、こんなことされたら確定申告しないと損した気分になるじゃないですか(今回のスカラの配当に関しては譲渡損が出ましたので😣)。メンドクサイです。
ちなみにこのスカラという会社、コロナショックの前の経営計画では
とぶち上げていたのですが、2024年6月期の売上は大笑いなことに107億円しかありませんでした。いったい何を見誤ったらここまで外すのかと思いますが、たぶん安直に「M&Aで会社を大きくしよう」と考えたんだろうと思います。売上100億円の会社を10個取り込めば、連結の売上が1,000億円増える、なんて計算はこどもでもできますから。
計画とのずれっぷりのひどさ、業績のひどさも相まって、Yahoo!の株価掲示板では「スッカラカン」だの「売り機関にルカニ掛けられてタコ殴りされてる。」(元ネタは国民的人気ゲーム「ドラゴンクエスト3」、詳細は下の絵の説明を参照)だのと揶揄されていました😆😆😆。
だいたい、M&Aって難しいと思います。なめちゃいかん。日本がバブルに浮かれた1990年頃に三菱地所はニューヨークのロックフェラーセンターを、ソニーとパナソニックはそれぞれ別の映画会社を買いましたが、買収を成功させたのソニーだけ。成功させたソニーも言うことちゃんと聞くようにしつけするまで相当苦労したみたいですし。
株式投資には投資が10倍とかになる夢もあるけど、夢見過ぎな経営計画に騙されちゃいけません。
出典
https://scalagrp.jp/pdf/ir/news/20240924_IRnews_3.pdf
補遺
「スカラ」からの連想で「ドラゴンクエスト3」が出てきたので、画像生成AIにドラゴンクエスト3の主人公(勇者)のイメージを描いてもらいました。
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