2024年4~6月日本のGDP
今週、2024年4~6月期のGDP統計が発表されました。
名目値で600兆円の大台を初めて突破したということですが、名目値は物価が上がれば勝手に上がります。我々が生活が豊かになったと感じるかは物価上昇の影響を除外した実質値が有為に上がることが重要です。中でも生活実感に関わるのは家計、GDP統計の中では「家計最終消費支出」という項目です。
600兆円と言われても数字が大き過ぎて実感が湧かないので、1人当たりに換算します。
また、家計最終消費支出から持ち家の帰属家賃を除外します。持ち家の帰属家賃とは、自宅を所有している人が、その家を借家していると仮定した場合に支払うと想定される金額で、実際には支払いは発生していません。持ち家の帰属家賃を除外することで、日々の生活で実際に支払った金額が分かります。
以下が2005年以降の1人当たり家計最終消費支出(持ち家の帰属家賃除く)をグラフ化したものです。
コロナショックの時には170万円に激減していますが、ここ数年は190万円前後で推移しています。平均すると、1年間の生活費は1人当たり190万円・・・。家を持たないで1人暮らししている人は、この中から家賃も払って生活している(※)わけですから、とても慎ましやか。
※統計データから持ち家の帰属家賃は除外されていますが、賃貸契約して発生している家賃は除外されていません。
2005年頃は183万円くらいで今より7万円くらい安いですが、私はこの差は通信費ではないかと思っています。2005年頃に iPhone が発売されて、今ではスマホは持っているのが当たり前、どこにいてもネットにつながるの当たり前みたいになっていますが、2005年頃の世界はそんなではなかったです。
それはともかく、1~3月に190.4万円だったものが4~6月に192.7万円に増えたところでたった23,000円、1カ月あたりだと2,000円にもなりません。23,000円だと、古くなったスニーカー買い替えて、穴の開いた靴下買い替えて、襟とか袖がボロボロになった服を買い替えたくらいでしょう。ボロボロの服買い替えたからといって、豊かになった実感なんて、あるわけないですよね。
立場上ネガティブなことは言えないのかもしれませんが、「成長型経済への移行を示す数字だ」と言える状況ではないと思います、岸田総理大臣。