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インテル、24年第3四半期決算。もうインテル入ってない(泣)

オリジナルデータ

2024年10月31日(木)、ニューヨーク市場Close後にIntelの24年第3四半期(4~6月)の決算が発表されました。


相変わらずひどい決算。
「インテル、はいってる」なんて言ってる場合ではないし、言える状況でもない。そろそろホントにダウ平均からはじき出されるんじゃないかとやきもきしちゃいます。今やダウを構成する30社の中で株価がいちばん安い会社。


業績

セグメント別売上高の推移

縦軸の単位は百万ドル。
FY24Q4は全社合計の売上見通し。

セグメント別売上高の推移
全社売上は、セグメント売上合計からセグメント間の取引分を消去するため
棒グラフの高さよりも小さくなります。
24年Q1~Q3についての全社売上は、紫色の部分がごっそり抜いたくらいになります。

前期の決算まとめにも記載したとおり、24年に入ってからIntel Foundry Service(図の紫色の部分)の売上に、自社の他部門から受注した売上も計上するようにしたようで、紫色のバーが24年になって急に大きくなっています。でもこの急拡大は自社内発注が大部分で、2Qも3Qもセグメント間消去が43億ドル、つまり Intel Foundry Service の売上とほぼ同じ大きさ。

ここまでセグメント間消去が大きいと、部門別売上高をこういう円グラフで描かれるといらぬ誤解を招きそう。誤解を招くのを狙ってる(虚勢を張っている)のだろうか?

Infographicより引用


粗利益率の推移

そして粗利率はなんと20%割れ。
FY24Q4には急回復する見通しなので一時的なものだと信じたい。

CFOのコメント(下記引用)によれば、30億ドルの減損処理を出した影響で粗利率が23%低下したとのこと(3Qの売上が133億ドルなので、30÷133=22.5%)。

粗利益率の推移
FY24Q4は会社見通し(破線で表示)

この他に156億ドルのコスト(繰延税金資産の回収見込みが立たず100億ドル喪失+Mobileyeののれん減損26億ドル+従業員のリストラ費用22億ドル)という聞き捨てならない発言もしています。この繰延税金資産というのは曲者です。

簡単に言うなら、「結果的に今までお国に余計に税金払っちゃったよ、でも返してもらえないよ、損したなあ」という話なんでしょうけど。打ったその場で損がでるバクチと違い、会社の場合は損失を垂れ流しながらずるずる事業を継続するので損を出すまでに時間がかかり、損が出た時はもうけっこうひどい状態。

もう12年くらい前のお話ですが、苦境に陥ったソニーが繰延税金資産の取り崩しでン千億円の損失を計上しました。その時ソニーは「キャッシュアウトはないから心配ない」と説明していましたが、ちゃんと心配した方がいい。あの後、ソニーは人員削減も継続してたし、ニューヨークの本社ビルも売ってたし、東京の本社ビルも売ったし、VAIO事業も売ってしまったし、一時は無配転落したし。会社の中の人(社員)も、外の人(株主)も3~4年は心配の種が尽きなかったと思います。

巨額の繰延税金資産の取り崩しは苦境の始まり。と思っていた方がよい。


We recognized approximately $3 billion of non-cash impairment and accelerated depreciation charges, primarily for Intel 7, which are above and beyond our quarter-to-quarter asset adjustments, driving our nonGAAP gross margin down to 18% and EPS (earnings per share) to a loss of $0.46. This $3 billion charge reduced non-GAAP gross margin by approximately 2300 basis points and EPS by approximately 61 cents per share. Beyond those impairment charges, we also were impacted by $15.6 billion of charges that are excluded from our non-GAAP results. These charges have three main components. First, we impaired our deferred tax asset balance by nearly $10 billion, which was triggered by cumulative GAAP-based losses over the last three years. Second, a $2.6 billion goodwill impairment related to Mobileye, which shows up in our consolidated earnings. And lastly is $2.2 billion associated with the severance of approximately 15% of our employees, aligned with our plan to reduce operating expenses to $17.5 billion and take out $1 billion of other cost of sales next year. This last charge is the only charge with a cash impact. The tax asset impairment charge will not affect cash taxes going forward. Full details are in the 10-Q, which will be available tomorrow.

Earnings call Transcript より引用


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