3M Company の24年2Q決算会見から、これはと思った部分を抜粋。
新CEOにとって初めての決算会見。新体制になって何か変わるのか、ヒントが見つかるといいなァと思いますよ。
決算会見は、新CEOの決意表明から始まり、続けて経営幹部から決算内容の説明。これは3M CompanyのWebページに Transcript があります。
続けて質疑応答。こちらは3M公式にはありません。Yahoo! Finance(米国版)のニュース記事に記載があります。
この記事では、新CEOの決意表明に着目。
新CEOはこの方。3M Company 出身ではなく外部から招かれた。
まずは新CEOによる、就任前の会社の状況認識
コロナ禍が発生して以降、3M Company がどう変わってきたか。
これらの取り組みの結果、営業利益は拡大し、キャッシュ創出力は強化され、バランスシートは頑健になった。格付け機関の評価も上々である。
これを受けての、新CEOの決意表明
CEOとして取り組む最重要項目は3点。
持続的な売上高成長の推進
会社全体の業務パフォーマンスの改善
効率的な資本配分
これは press release にも記載がありました。
特に「1. 売上高成長」が株主価値の創出にとって重要という認識。
3Mの強みは、
ただ残念なことにここ数年の業績は冴えない。今年も1%程度。状況を改善するためには、研究開発と営業活動どちらもテコ入れが必要だ。
新CEOによる会社の現状分析
最初に簡単にまとめてしまうと、研究開発をケチったせいで、発明家集団としての強みを失ってきているじゃないか、と。以下で詳細を確認しましょう。
スピンオフしたSolventum Corporationを除く中核事業への研究開発投資は年間約10億ドル、売上高の約4.5%あった。ただ、ヘルスケア事業への投資と強化に重点が置かれたため、過去5年間で名目上は横ばい、実質ベースでは減少していた。
PFAS製造からの撤退、サプライチェーンコストの削減、COVID関連の調達制約の解決に向けた取り組みに資金をシフトしたため、新製品開発への投資額はさらに減少していた。
投資の減少と、より少数の、より大きなイノベーションの機会への戦略的シフトの結果、新製品の数とそこからの収益は過去10年間で着実に減少している。
研究開発予算を増額する前に、今の予算をもっと効果的に使えないかを考えてみたい。
時間はかかるけど、こういう取り組みこそ、発明家集団としての3Mを復活させるためには必須である。
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