[決算][Micron Technology] 2023年度 詳細(1)
決算数字
Press Release の決算数字の確認はこちらの記事に。
この記事の概要
この記事では、FY23 Financial Results Presentation の前半(CEO発表)を確認します。
この記事で確認するCEO 発表の部分は、Presentation というよりも Press Release には載っていない、決算数字の背景(経済状況や業界の動向、Micron Technologyの開発進捗状況など)や次期の見通しなどの詳細を記載した文書です。
かなり分量があるので、3つの記事に分けます。
Overview
重要ポイント(と私が思った箇所)だけ選んでいます。簡単に言えば、終わった第4四半期より将来のことに言及した個所に着目しています😅
2024年度は、需要が継続的に増加し、顧客在庫の調整も終わり、供給量も減るので、価格も利益も上向くだろう。しかも年度の間中ずっと上向きだろう。
2025年にはさらに状況は改善し、市況は完全回復して利益水準も通常に戻るだろう。
TAM = Total Addressable Market
Fiscal Year 2023 Highlights
自動車向け売上とQLC NANDメモリの出荷量は2023年度に過去最高を達成。QLC NANDメモリは4~6月にデータセンター向けとSSD向けの割合が過去最高レベルだった。
新製品の投入
1-beta DDR5
LP5X DRAM
232層 NAND型フラッシュメモリを使ったSSD
HBM3E(ただしサンプル出荷)
Technology and production
開発、生産の方は順調、と。良いですね。
NVIDIA、Qualcomm、AMD など自社で生産工場を持たない半導体メーカーは好調な一方で、生産工場持ちの Intel はプロセスの微細化に苦労しているので。同じく工場持ちの Micron Technology も Intel と同じような苦労(量産に躓く)をする可能性は常にあります。
End Markets overview
PCやスマートフォン向けのメモリやストレージ
23年度第4四半期の間は顧客の在庫調整が続いていたが、現在(9月末時点)では調整は終わった。
自動車向け
現在の在庫レベルは適正
データセンター向け
改善はしている。適正レベルになるのは2024年初め頃を見込む。
NVIDIAのデータセンター部門の売上がとても伸びているのでデータセンター向けのメモリやストレージも活況かと思いきや、そうでもなかったみたいですね。
Keywords
CQ2
Calendar Quarter 2nd。
暦年での第2四半期。つまり4~6月。
Micron Technologyの会計年度は9月~翌年8月と暦年とずれているので、Micron にとっての Q2 は CQ2 ではないです。
bit shipment
半導体の出荷量。
なおbitは情報の最小単位。半導体を出荷した=情報(処理可能量)を出荷した、と考えるんですね。
Mature Yield
Mature には「成熟した」、Yield は「生み出す」とか「利回り」という意味があるので、製品の量産するために必要なじゅうぶん高い歩留まり。歩留まりが低い(=不良品発生率が高い)と、利益出ないですから。
DDR5
DRAM(Dynamic Randam Access Memory、メモリに使用される半導体)の規格。
HBM3e
High Bandwidth Memory 3e。
HBM(High Bandwidth Memory)もメモリの規格。3e なのでそれの第3世代型+α。
EUV
Extreme UltraVioletの略。ここでは半導体製造装置(EUV露光装置)を指しています。
1-alpha / 1-beta / 1-gamma
Micron Technology が製品製造時に使用するプロセスノード(製造技術の世代)の名前。他の半導体メーカーでは 14nm(ナノメートル)とか10nmとか言う場合が多い。
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