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「体験レポート」0次体験のススメ
こんにちは、インスピラボの三柴です。
あらためて、私たちの活動の一つ「体験レポート」について紹介します。
体験レポートでは、先進的だったり、ユニークな体験やサービスを実体験して、自ら得た気づきを洞察としてまとめています。インスピラボでは未来のキザシやアイデアのヒントをつかむために、自ら体験すること、一次情報~0(ゼロ)次体験を大事にしています。
体験レポートをはじめたワケ。それは確信をもって語るため
これまで、私たちは先進的な生活者へのインタビュー(一次情報)を通して「価値観レポート」を開発してきました。
その中でさらに源流の“0次情報”の大切さに気がつきました。
私たちは、先進的な生活者のようなエクストリームな事象から、いま起こりつつある価値観の変化が見えてくると考え、「価値観レポート」としてまとめています。これは「予測」ではなく、「これから未来はこうなるかも?」という「仮説」です。
時代の先を行く価値観ゆえに、なるほど!と共感もしつつ、「~だそうです」「~な感覚らしいです」と、自信のない仮説になってしまいかねません。飛躍のある仮説だからこそ、その根拠や源流をできるだけ辿り、知ることが大切だと感じました。
0次情報とは、誰かから得た又聞きの二次的な情報ではなく、自分自身で見つけ、気づいたことです。インタビューや誰かが体験した記事から情報として知るだけではなく、自分の体験として確信を持って語れることが、正解のないこの時代においては重要だと考えています。
体験そのものから気づきを得る
インスピラボでは、インタビューだけでなく、デスクトップリサーチもしています。もちろんそれも大切です。しかし、文字情報になる時に、体験は編集され情報がそぎ落とされています。だからこそわかりやすいのですが。情報量としては「文字<写真<動画<<体験」です。
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そして、サービスを提供する側(企業)からのニュースでは、受け取る側の本当の気持ちはわかりません。実際に体験してみると、提供者側の訴求点とは全く違うよいポイントがあったりします。もちろん、メリットも、デメリットも、どちらともいえない「ん…?」と引っかかる気持ちのざわつきも。この未整理なモヤモヤが気づきのタネであり、自ら体験しないと得ることができないのです。
未知の領域に飛び込むことで、気づきセンサーの感度を上げる
体験レポートでは、日常では接しない、自分の嗜好では利用しない領域にも積極的に飛び込むようにしています。新鮮な気持ちで見ることができ、慣れないことだからこそ、気づきセンサーが働きます。
在宅期間が長くなった頃、いくつかのミールサブスクを体験しました。食べることが楽しみな自分には味気なさそう…と普段は手が出ない領域です。
体験する前は、レンチンするだけでバランスの良い食事ができるお弁当パックタイプが、面倒くさがりな自分にはいいだろうと思っていました。
ところが実際に体験してみると、調理やアレンジが必要な主食だけが届くBASE FOODが一番楽しく続けられました。そりゃ、わりと面倒なんですよ。
でも、アレンジを考えたり、準備する段階の気持ちの盛り上げが、私の食事にとっては重要だったと気づきました。一方で、準備の面倒さは許容できるけど、片付けが面倒なのと、簡単すぎても続きませんでした。
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これらの体験を通じて、「面倒なプロセスが実はワクワクを高めている」とか、「簡単すぎると飽きるのは食事だけなのか?」とか、「簡単さと期待を高めるプロセスを両立できないか?」など、様々な観点に思い至りました。
こんな風に、新しい体験でいったん気づくと、当たり前の日常の中でも気になることが目に入るようになってくるんです。気づきセンサーが新しい体験によって呼び覚まされるのかもしれません。
体験するとインスピレーションが行動の原動力になる
個人で体験するだけでなく、グループでのワーケーションも実施しました。
このしくみや土地の素晴らしさ、可能性を広めたいという思いから、翌年のインスピツアーという社内の新たな取組みにつながりました。体験したことで、自らが実践者になったのです。そしてさらに、インスピツアーの参加者が、またまた実践者となって広めてくれています。
やはり自分で体験すると、説明を聞くだけとは、納得感が違います。
百聞も百見も一験にしかず、です。
すでに行動している誰かに正解を教えてもらうのではなく、みずから掘りにいき、自らが行動する側に自然と行動が変わるのです。
0次体験のススメ。自らの好奇心を信じよう
これまでインスピラボでは、50以上の体験を試してきました。
気づきの豊作だという時もあれば、正直あまり特別なことが見えなかったなんて場合もあります。体験する前からこういう気づきがこれくらいあるだろうとわかっているのなら、わざわざ体験するまでもありません。
ちょっと気になるくらいでOK。まずは飛び込んでみる!
人それぞれの気づきセンサーがあるので、私がスルーした体験もほかの誰かなら気づくことがたくさんある場合だってあります。自分の素直な感覚や本音を信じることが大切です。
そして、気づいたことやモヤモヤとした気持ちを身近な人と話のネタにしてみてください。すると、実は同じように感じていたり、別の解釈が見つかったりと気づきが深まるはずです。
イベント型の体験は、部署横断で参加者同士の気づきセンサーを知る貴重な機会です。お寺で死について語り合う"デスカフェ"では、様々な死に対する意識を知ることができました。
これからもインスピラボでは、リサーチ&体験に飛び込んで、新しい種を発掘していきたいと思います。
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