オリオンさんの「水彩紙スターターパック」を試してみました。
気まぐれで記事を書くinsomnia designです💦
画材の高騰も激しい今日この頃ですが、画材の話をたまにはちゃんと書こうと思い、久々にnote書いてみました。
今回はオリオンさんの「水彩紙スターターパック」の塗り比べの感想です。同じイラストでの塗り比べがなかなかないので自分でやっちゃいました。
比較項目も自分基準ではありますが、誰かのお役に立ちますように✨
まずは紹介と準備
オリオンさんの「水彩紙スターターパック」。パッケージはこんなのです。
私は今回B5を購入しましたが、ポストカードサイズもあります✨
全部で12種類の紙が入っています。
そこで紙を少しずつ切って、下絵をカーボン紙で写したものを使用しています。
初めに何故かプリンタで印刷できるだろう!とたかを括って細かいとこも作ってしまったのですが、中目の紙とかに綺麗に印刷できるわけもなく…。
結局全て手描きです。なので多少のブレはあります。
塗りは、下絵に一色で下塗り、その受けから重ねて各パートを塗りました。
前置きは以上です。
0. 比較画像&見るときのポイント
とりあえず並べてみました。
この後の項目で一種類ずつ簡単に解説します。
また、だいたいこんなことを意識して塗りました。(ワーグマンだけバックランをしてませんが💦)
1.シリウス特厚口 220g
紙の色:ナチュラルホワイト
紙目:中目くらい
マスキング:難 (剥がす際に周りが剥がれたりよれたりする)
分離:コントロールしづらい
リフト:しやすい
可愛いクリーム色の紙ですね。
弾きが強くて、少し塗りにくかったです。弾くので分離の色も流れて一緒に広がってしまいがち。
水彩境界もできやすいかな。
発色はふわっと薄め。
2.ワーグマン 350g
紙の色:ナチュラルホワイト( シリウスより白い)
紙目:中目(とても荒い中目)
マスキング:良
分離:とても綺麗
リフト:可
荒目かと思ったら中目でした(普段細目が多いので違いがわからないのかも)。
紙のアナログ感がすごく出るので雰囲気がいいですよね。
分離もとっても綺麗に出ます。さすがの凹凸。
分厚いのでそのまま塗ってもたわまないです(2回塗りですが)。
堅牢で堅実なイメージの紙(イメージでいいのか)。
3.アクリルデネブ 300g
紙の色:ホワイト
紙目:中目(裏は細目)
マスキング:良
分離:普通
リフト:しやすい
水彩には細目の面がおすすめですってメーカーさんのサイトに書いてましたが、普通に中目を使ってしまいました…。
グラデーションやぼかしがやりやすくて好きな紙です。
ワーグマンより少しふんわりな薄付きでした。
アクリルってなんか、強!ってイメージですが、優しい雰囲気の紙です。
4.こみっくでねぶ 185g
紙の色:ホワイト(すごいホワイト)
紙目:極細(裏は細目)
マスキング:良
分離:あまり期待できない
リフト:とてもしやすい
また、メーカーさんのサイトに「水彩は裏面の細目がおすすめ」的なことを書いているのを見落としていました。
(ちなみにアクリルデネブとこみっくでねぶ、どちらも裏は細目ですが、アクリルデネブの方がやや荒いです)
使用感はケント紙に近いですね。カーボンの線はめちゃくちゃうつりましたが、色があまり乗らないので分離の濃淡がつけにくかったです。
発色はぱっと表面で止まって綺麗にでるので、華やかになりました。
5. アルデバラン 250g
紙の色:ホワイト
紙目: 細目
マスキング:良
分離:そこそこ
リフト:しやすい
コットン50%の水彩紙。
この手の紙の細目は珍しい気がする…(コットンパルプあいのこの紙といえばワトソンクレスターホワイトアイビスというイメージなので)。
クセがなく使いやすい紙でした。
発色も綺麗だし、リフトもできるのありがたい。ぼかしやグラデーションも綺麗にできました。
ちょっとだけ、ちょっとだけ薄づきかな。
6.麻王
紙の色:ホワイト
紙目: 和紙
マスキング:不可
分離:思った通りの分離にはならない
リフト:不可
慣れない紙すぎて、絵がもっと上手かったらよかったんですが、
他の紙と同じように扱った結果だと思ってみてください。
スーッと伸ばすとかは全くできない紙です。筆を置いたところを中心に絵の具がじわーっとこちらの意思に反して広がります。
線画のイラスト向きではないと思います。
細かいコントロールはすごく難しい。マスキングは剥がれてくれませんでした。ぼかしやにじみは淡くて綺麗なので、用途に合わせて使えばよいのだろうと思います!分離色の広がり方が自由で面白かったです。
7.8.9 セザンヌ 300g
紙の色:ホワイト
紙目: 細・中・荒目
マスキング:良
分離:良
リフト:しやすい
コットン100%の「いい紙」。
吸い込みがすごく早くて、作業が急ぎ目になりました。
コットンは割と急いで作業しないとですが、いつもゆっくりめのウォーターフォードを使ってるからなのかすごく早く感じました。
中目と荒目の使用感は似てますが、中目の方が少しふんわり仕上がったように思います。細目もぼかしが綺麗に出て感動しましたし、細目の発色がとっても明るかったです。こみっくでねぶの次でした。
また、コットン紙といえば、困るのがリフト修正のできなさ!というイメージだったのですが、セザンヌはわりとリフトができたのでびっくり。
使い勝手の良さそうな紙だなという印象でした。
欲を言えばもうちょっとだけ、色を拾って欲しい…。
10. トルション 275g
紙の色:ホワイト
紙目: 中目
マスキング:良
分離:薄い
リフト:しやすい
中目ですが、ちょっと変わった紙肌の紙です。素材はなんだろう…。
色づきは薄めです。分離色がふわふわ〜と流れて沈んでくれないので上手に分離させることはできませんでした。凹凸はありますが筆はスーッと滑らかに動かせます。
滲み方やリフトが自然で綺麗にできるので、優しいふんわりしたイラスト向けかなと思いました。
まずこの紙肌が好き!この風合いが好き!ってなると手放せない紙になりそう。
たわみも少なく取扱しやすい紙だと思います。
11.バンブー 265g
紙の色:ややナチュラル寄りのホワイト
紙目: 細目
マスキング:良だけどちょっとあぶない
分離:そこそこ
リフト:しやすい
竹でできた紙。
ちょっと色が伸びにくく、乾きが早いので扱いになれるのにひと手間かかりそうです。ぼかしが綺麗に出るのがいいなあと思いました。バックランが綺麗なのもとても魅力です。
12. ブリタニア 300g
紙の色:ホワイト
紙目: 中目
マスキング:良
分離:綺麗
リフト:しやすい
こちらも組成は謎…コットン100とは書いてないのでコットン100ではなさそうです。
中目ですが凹凸が浅めで綺麗な紙肌です。滑らかで使いやすいかな。
分離は綺麗にできました。
紙肌はがっつり凹凸は欲しくないけれど、分離やざらっとした描写がしたいなあというときに良いかも。
バックランの感じが一番好きでした。
ラスト3種類は紙肌のちょっとかわった変わり種の紙でした。
おわりに
12枚メモをとりながら使用感を書かせていただきました。
個人的なメモということで、主観バリバリということをご了承くださいね。
個人的には、リフトの得意な紙が多いのが嬉しかったです。
それぞれの特徴を活かして制作してみたいです。
アクリルデネブ、セザンヌ細目、ブリタニアが好きな紙でした。
どなたかのお役に立てましたら嬉しいです。