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第6回「はじめてのパチンコ」

問:もし、あなたがイライラしていたり、悲しかったり、落ち込んでいたり、あーもう全部どうでもいいわくそがどうにでもなれと思ったとき、そのストレスを発散したい気持ちを日本円に換算したらいくらになりますか?

自分は大体3,000円。
過食嘔吐のために食料を買い込んだらいつもそれくらいの値段になる。
10代の頃からストレス発散方法といえば過食嘔吐だったが、体への負担が大きいため我慢するようにはしている。が、毎度毎度我慢できるものではない。過食嘔吐でしか得られない突き抜ける爽快感があるのだ。
そうやって忘れた頃に大量に食べて吐いてを繰り返して後悔するのであった。

しかし、最近の自分は成長した。
テコ入れをしてみた。

「過食嘔吐したい!」という欲求に駆られたら、近所のゲームセンターかマッサージ店へ行くようになった。ゲームセンターではひたすら音ゲーをプレイし、マッサージ店では1時間全身もみほぐしをしてもらっている。
突き抜ける爽快感はないけれど、音ゲーでは達成感を得て、マッサージ店では疲労をやわらげ、吐いて顔をパンパンにさせるよりかはだいぶ良い選択ができていると思う。

実際、過食嘔吐の頻度は確実に減った。
素晴らしい傾向だが、それでも停滞期は訪れる。
プレイしたい音ゲーが空いていなかったり、マッサージ店も予約できなかったり、そういうのが重なったら消去法で過食嘔吐にたどりついてしまう。
いやだめだ他に何かできることがあるはず、何か…何か…

そうだ、パチンコに行こう。

実は今までギャンブルというものを体験したことがなかった。
あ、宝くじは買ったことあります。
父も父方の祖母もパチンコが好きで、幼稚園児くらいの頃から何回もパチンコ屋に連れて行かれたことがあったし、何なら父はパチスロ関係の仕事をしていたにも関わらず(自宅にスロット台があった)自分はパチンコにもスロットにも興味がなかった。
18歳になって周囲がパチスロの話をし始めても何でそこまで熱中できるんだろうと、不思議だった。こちとらPS2『真・三國無双4』で夏侯惇と無双するのに必死だった。滅麒麟牙かっけー!

とりあえず、人生経験だと思って3,000円分だけ遊ぼうと決めて、近所のパチスロ店に入った。そこがたまたま大きな店舗だったものだから、まず台選びに時間がかかった。ここから初心者の脳内をお楽しみください。
「(思ってたよりも広い…どこに何があるんだ…あ、案内板みたいなものがある…地図みたいなものもあるぞ…うーん…リゼロかとあるシリーズやってみようかな…あっリゼロもとあるも全部埋まってる…どうせなら原作知ってるやつがいいけどエヴァは違うな…うーん…1円パチンコエリアで知ってるもの…何があるだろう…ん!?これは…うまい棒!)」

うまい棒がパチンコになっていた。
というわけで、うまい棒の台で遊んでみることにした。これなら勝つとか負けるとか気にせず楽しめそうだと思った。
霜降り明星の粗品が過去1優しい顔をしている超初心者講座の動画の内容を思い出しながら、その通りの動きをする。このへんにお札を入れて、このへんにあるボタンを押したらパチンコ玉が出て、これを握ってちょっと右に回したらパチンコ玉が出て、それから真ん中の穴を目指して。そうしていたら、いつの間にか数字が回り始め、画面に「ボタンを押せ」というマークが表示されていたのでボタンを押し、数字が揃い、台全体がブルブル震え出し、派手な音楽と共にキャラクターが「棒!棒!棒!棒!棒!棒!棒!棒!棒!棒!」と連呼しだした。コワイ!

どうやら「当たった」らしく、しかし何をどうすればいいかわからなかったため、店員さんを呼んで教えてもらった。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。
3,000円は紆余曲折を経て最終的に特殊な景品に転生した。

初めてのパチンコは「勝った」が、ウヒョー!とはならなかったので、やはりパチンコには向いていないタイプなのだろう。「リゼロ21万発」と「インドに行くと人生観が変わる」は同じ言葉に見える。
どうせなら競馬と競艇と競輪もやってみたい。他にはサバゲーとか脱出ゲームとかバンジージャンプとか。やったことがないことに挑戦したい。

え?今回勝った分をどうするかって?M-1エントリー費にしてじょにーとM-1出場しますよ、ウヒョー!

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