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【時事問題】携帯電話会社への値下げ要請について

こんにちは、Mattです。
先日のTakaのビルゲイツ話に乗じて、私も就活から少し離れて、
今日の日経1面で取り上げられたこの問題についてお話します。

今回のテーマである「携帯電話料金値下げ問題」は、菅首相が官房長官だった時から度々耳にしたことがありますよね?

ただこれについては批判も多くありますし、実際に「安くなった」と感じている人は少ないのではないでしょうか。

そこで、問題の所在について簡単に整理し、個人的な見解も織り交ぜながらお話しようと思います。

(ちなみに総合商社の面接で「Matt君はどう思う?」と聞かれたテーマの一つです笑)

携帯料金値下げの背景

日本の携帯料金は世界的に見てもかなり高いです。

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                         (出典:読売新聞)

さらに日本ではNTTドコモ、au、ソフトバンクの3社が約75%ものシェアを握っており、携帯電話市場は寡占状態(=数少ない企業がシェアのほとんどを占めてしまうこと)であると言えます。

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                        (出典:NMD研究所)

まとめると、

・日本の携帯料金が世界的に見ても非常に高く、
・大手3社が同水準の料金に固まっているため、

政府主導で携帯電話会社に対し、圧力をかけるということが数年前から本格的に始まったのです。

もはや必需品である携帯料金が下がることは、国民全員にとってプラスのことです。
しかしこの一連の携帯料金値下げについて、政府・消費者・企業のそれぞれに関連した3点の問題があるとMattは考えています。

問題の所在① 「何%値下げしろ」は介入しすぎ

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まず1点目に、政府側の視点についてお話します。
私はこの点について、値下げという圧力ではなく、会社同士の競争を起こさせるような仕組みづくりをするべきだと考えています。

「価格」は企業が稼ぐお金に直接結びつくものだけに、設定する価格というのはとてもセンシティブな問題です。

例えば、3大キャリアが日本全国どこでも高速ネットが使える理由は、基地局やアンテナなど設備に莫大な投資を続けているからです。

それができるのは、私たちが料金を払っているからですよね。
その価格が強制的に下げられてしまったら今までのサービスが提供できなくなってしまうかもしれません。

とはいえ何年も高止まりしている価格ですので、
企業に対して政府が圧力をかけること自体には賛成です。

ただ、それは「価格を下げろ」ではいけないのです。

3大キャリアにお金を払って回線を借りている格安通信業者(Yモバイルなど)がもっと安く借りられるようにするなど、
「競争を起こす仕組みづくり」に力を入れるべきではないでしょうか。


問題の所在② 携帯は料金だけで選ぶのか?

⇒うどん屋トッピング式がベスト

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政府は料金を下げることに力を入れていますが、なぜでしょうか?
それは、「安いプランがあれば乗り換える」と政府が間違って思い込んでいるせいです。

例えば、先日新しく参入した「楽天モバイル」を例に考えてみます。

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これ、とんでもなく安いですよね!?(乗り換えようかな・・・)

では、楽天モバイルは3大キャリアからシェアをごっそり奪えたのでしょうか?
あるアナリストによると、他社からの乗り換えは契約者の1割にも満たないと推察しているそうです。

例えば
・回線が地方ではほとんど使えない
・どこにでも店舗があって困ったときに駆け込める
・WiFiもまとめて契約している
など、消費者が会社を選ぶ理由は価格以外にもっと別の要因があるのです。

逆に言うと、完璧なサービスを提供する会社は料金が高く、そこそこのサービスでは料金を安く、というようなプランが作れるかもしれません。

消費者が自分に必要なサービスを選んで、その結果によって料金を決めるカスタマイズ型のサービス導入に向けて国は取り組むべきだと、Mattは考えています。
(これを「うどん屋トッピング式」と名付けましょう)


問題の所在③ 安易な値下げ競争は危険

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最後に、企業視点からの問題です。
これは、携帯電話会社のような「最先端×設備投資」の会社独特の問題です。

①でもお話しましたが、携帯電話会社は消費者が払った料金を元に、莫大な設備投資を進めています。

いまホットな5G通信においても、いち早く導入すべく各社がアンテナを張り巡らしている真っただ中です。

しかしこのまま値下げ競争が始まったらどうなるでしょうか?

答えは明白。
設備投資に回るお金が少なくなる ⇒ 技術革新に遅れがでる
ということです。

結局のところ、私たち消費者のお財布に優しくなりすぎると、新しい技術が普及せず、私たち消費者が困るのです。


まとめ

長くなったので、ここまでを要約します。

・政府は「値下げしろ」と直接言うべきでなく、競争を誘導するような政策を打つべき
・消費者は価格だけを見ているのではない。色々な選択肢から自分で欲しいだけ選んで契約する方式(=うどん屋)がベスト
・携帯料金は安ければいいってもんじゃない

最近注目されている携帯料金引き下げ問題について、私なりの解釈と意見をお話してみました。

政策って本当に難しいですね。

就活生のみなさんは、もし面接で聞かれたら思い出してみてください。

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(ここまでの頑張りがとっても報われます)

それでは!

                            From Matt

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