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「なぜボランチはムダなパスを出すのか」

先日TwitterでSmartlyの たつおさん から本を一冊紹介してもらいました。それがコレです。

なぜ紹介してくれたかというと、拙著の中で紹介していますがいま僕のインサイドセールスチームのビジョンが「世界最高のミッドフィルダー」だから。意味は「ピッチを縦横無尽に走り回り、勝利に導く」=事業づくりに必要な仕事はなんでも受けることはもちろん、事業の司令塔として最適なパスを供給することで事業成長に貢献するというものです。

たつおさんの推薦、そしてもっとミッドフィルダーの理解を深める必要があると思い即購入して読みましたが、控えめにいってインサイドセールスそのものがそこに書いてありました。ということで今日は書籍の中で学んだキーワードをもとに、インサイドセールスに置き換えるとどうなるかと解説していきたいと思います。列挙するので気になるキーワードを目次から選んで読んでくださいね。全文読んでくださったら嬉しいけども。

目があってからパスを出すのでは遅い、動きを予測してパスを出す。

変換すると「リードが減ってから適用するのではない、リード数を予測して打ち手を打つ」となります。つまり、週次ならまだしも月次でミーティングをする場合、月末近くなって「リードが未達です」と言われてもインサイドセールスはどうすることもできません。ポイントは変化の兆候をキャッチし、大きく戦局が変わる前に手を打っていないとだめ、ということです。

もしくは「営業が受注しきって商談のストックが0になってから供給するのでは遅い、それを見越して商談を準備しておくのだ」とも言えますね。

パスが欲しいタイミング、場所はそれぞれ違う。そのわがままに応えるのがボランチ。

過去に担当した営業で「課題や条件は二の次、とにかく決裁者に会わせてくれれば決めてくる!」という方や「誰でもいいんだけど、とにかくきっちり事業と課題は明確にして。そしたら受注できるから。」という方がいました。また、営業の保有商談の量によっても供給量を変えてほしいという部門もありました。

どちらも叶えてあげるべきです。それがISの介在価値ですから。

ダメなときは作り直す

まさにですね。前線にボールを供給(営業の商談を供給)したものの、タイミングや出し先がしっくりこないこともあります。その場合は一旦後ろに下げて、再度チャンスを待つことも大切です。その際、インサイドセールスで大切なのは「ではどうなったら再度パスをするのか」という条件をしっかりSFAに記録しておくことです。

プランAがだめならプランB

これは架電の話です。多くのインサイドセールスがプランA(想定がはまって商談機会を得ることができる)しか想定していません。プランB(商談獲得を断られてしまった場合用の次のアクション)を想定していれば、お客様との関係は維持され、然るべきタイミングでの商談獲得につなげることができます。「架け先が枯渇しました」というISはこのプランBを持たずにただただリードや取引先を消費している可能性があります。

走る場所、時、距離がわかるなら無駄に走ることはない

走る場所=ターゲットリストやマーケティングイベント
時=いつご連絡するか、そして対応までの速度
距離=商談獲得までの設計

これらを理解しているISは計画的に目標を達成していきます。ただ、ヤットさんのように一見すると走っていないように見えて実は誰よりも移動している、なんてことがあります。ですからISも計画的に高い活動量を維持できる人が高いパフォーマンスを出し続けるのです。

ボランチ経験者が他のポジションとして連携する効果

ISに置き換えてもこれはメリットが非常に大きいと言えます。IS経験者がセールスやマーケにいることでオペレーションが洗練されることもありますし、セールスからはIS目線でISへのフィードバックが可能になります。相互に役割を理解することは組織全体の活性や進化につながります。

ガンバ大阪ではパスを出すほうが偉い、中盤の求めるクリティが出せなければパスを貰えない

これはトヨタ式生産方式でも言われていますが「前工程は神様、後工程はお客様」と似ている表現です。そして後半を置き換えてみると「成約率の低い営業にはパスは出さない」ということではなく「商談準備や失注理由を明確に記載するなどの基礎行動が徹底できない営業にはパスは出さない」ということだと思います。

ミスをしないことが正解ではない

もちろん商談として成約期待の高いものを供給するべきですが、そうでないものを出していけない、ということではありません。仮に商談化率(有効商談率)が99%であればそれは絞りすぎです。もっと様々な可能性を見つけてチャレンジしていくことがときに大きな成果をもたらします。

サイドバックにとってはボールをキープしてくれるボランチが良い

必ずしもすぐに前線につなげる場合ばかりではありませんし、出せてもゴールにつながらなければ意味がありません。どんな状況でもボールをしっかりキープし、無理なパスをすることも無ければボールを奪われるわけでもない、つまりリードをしっかりキープしお客様との関係を維持してくれるISが良いISなのです。※いつかタイミングがきたときに商談につながるため。

シンプルなことにこだわる

止めて、見て、正確に。と書籍の中でボランチの基礎行動について記載がありますが、ISでも同じくでとにかく基礎行動が徹底できること。とくに情報の管理、更新などの徹底はシンプルですが、絶大な効果をもたらします。

決定力不足はFWの責任ではない

これぞまさに、です。成約率の低さは営業(だけ)の責任ではありません。良質なパスを追い求めることで成約率にも大きく貢献することが可能です。また、質もそうですが量もコントロールすることで営業の生産性を大きく左右します。

どうしてゴールが生まれたのかを正しく分析できれば”決定力”は上がっていくはずだ

営業に任せることでも、営業企画に任せることでもありません。ISも一緒になって成約につながる道の研究をすべきです。

”無駄なパス”こと重要なパス

ここでいう無駄なパスとは”ゴールには直結しないもののその前段階として重要な役割を果たすパス”というものです。ISに置き換えるなら”直接の決裁者ではない方との商談”や”まだ予算策定の時期ではない商談”などがあげられます。特に大型商談の場合はそうシンプルではありませんので、このような一見成約には貢献しなさそうなパスが重要な役割を担うのです。

最も重要なポジションを問われればGKやFWなど候補はあるが”戦術的に”とつけるならそれはボランチだろう。

最初の接点であるマーケティング、成約まで担当するセールス、お客様を支援するカスタマーサクセスなど、それぞれが重要な役割を担っている。しかし手数のレパートリー、お客様との接触期間の長さ、個人として取れるオプションの数からすればダントツでインサイドセールスとなると個人的には考えています。

ボランチはチームによって求めれられるプレースタイルが違う

ISも同様に商材、お客様の層、事業のフェーズなどによって求められるスタイルは様々です。これが正解だ、というものはなく、100社あれば100通りのインサイドセールスチームがそこに存在します。

ここまでポイントを列挙してきましたが、やはりボランチとインサイドセールスの共通は多く、更に研究していきたいと興味が湧いてきました。また、嬉しかったのはうちの部門で設定した最高のボランチである”ピルロ選手”が書籍に登場し、まさに我々が目指す像とぴったりだったことです。

皆さんも独自のスタイルを見つけ、それぞれの状況に合わせたより良いチームを作っていってください。

そして僕のチームもまた、優秀なボランチを募集しています!ぜひTwitterアカウントからDMを送ってください!気軽な相談でもOKです!

最後になりましたが、僕は圧倒的に野球派です!w


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