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行きつけのカフェ

東京都内で落ち着いた郊外に引っ越してから家の近所が好きになったが、最寄り駅に大好きな場所ができた。
最寄り駅から歩いて5分ところにいい感じのカフェを見つけた。

古民家をリノベしたところで、コーヒーの種類が多く、焼き菓子も美味しい。
季節ごとにブレンドコーヒーのメニューが変わるし、スイーツも定期的にメニューが変わるので何度来ても飽きない。
写真撮影が禁止されていて、インスタではあまり紹介されないので、落ち着いたお客さんが多い。
店員さんも感じの良い人ばかりで、お店の照明や食器もとても好みで。
とにかく、自分にとって最高のカフェなのだ。

初めて行ったのは5月ぐらいで、それからほぼ週一ペースで通っている。
「本当は教えたくない…」という謳い文句をよく見るが、このカフェは本当に教えたくない。
誤って会社の人にでも教えて、鉢合わせてしまうのは絶対に避けたい。

休みの日に本を読みながらのんびりしたり、
仕事終わりにコーヒーを飲んで休憩したり、
同居人と険悪ムードになり頭を冷やしに行ったり、
在宅勤務中に仕事が嫌で涙が出てきて早退して駆け込んだり、
通い始めて半年も経っていないのに、たくさんの思い出が染みついてしまっている。

東京に来てからずっと毎週違うカフェを探して、カフェ巡りをするのが好きだった。いつも同じところに行くのはもったいない気がしていた。

だが、行きつけのお店に通うのも良い。
場所は同じでも窓から見える中庭の景色が変わったり、季節のメニューが出ていたりと、同じ店に来るからこそ季節の移り変わりを感じられる。

この間、お会計の後「いつもありがとうございます」と言われた。
嬉しいのか、恥ずかしいのか、よく分からない気持ちになり、ニヨニヨした変な顔で会釈してしまった。
これが行きつけのお店というやつか…とその時思った。
自意識過剰なので、それから毎回少し恥ずかしい気持ちで行くようになってしまった。

これからも少し恥ずかしい気持ちになりながらも週一ペースで通ってしまうと思う。
いつか引っ越すときが来ると思うが、このカフェに行けなくなると思うととても寂しい。

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