【合格体験記】東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学専攻


はじめに

 私は管理栄養士養成課程の大学で学んでおり、先輩方や同学年の人もほとんどが就職・就活したので、大学院に行くという選択肢がそもそも私の中にありませんでした。それでも、いくつかのきかっけで大学院を目指すことになり、悩みや不安と隣り合わせでも意志を貫き、大学院に合格することができました。この投稿が少しでも、大学院受験に挑戦したい、というみなさんの気持ちの後押しになれば嬉しいです!

スケジュール


大学院進学を決めるまで

 私は管理栄養士養成課程の大学で学んでいたので、卒業後は管理栄養士として就職するものだと思っていました。入学前に描いていた大学生の理想像と現実とのギャップで思い悩んだ末に、すべてがどうでも良くなった時期があり、2年後期以降はあまり将来について考えていませんでした。就職先の希望がないまま3年後期に病院実習を経験し、働くなら病院かなと思いました。しかし、病院で働く未来を簡単に想像できてしまい、就活に魅力を感じられずにいました。
 そんな私が大学院進学を考え始めたのは、大学4年生になる目前の1月末です。大学の先生に大学院進学はどうかと言われたことで、就職以外の道があると知り、興味をもちました。自問自答や友人との対話を繰り返すうちに、大学4年間では勉強し足りない、という気持ちが強いことに気づきました。管理栄養士という枠にとどまらず自由な視点で学びたい、大学院を受験し大学院で学ぶという挑戦をしたいと感じたことで、大学院進学を決めました。

研究室を決めるまで

 家族の介護を経験する中で、高齢者が健康でいることが、家族、さらには社会全体の健康に重要だと強く感じていました。大学では臨床栄養に興味をもちましたが、病気の有無に関わらず人々の食生活の基本は同じだと気づき、目の前の患者と向き合うだけでなく、地域全体の健康を考える視点も必要であると考えました。そこで、大学で学んだことを活かしつつ、幅広く専門的に公衆衛生を学ぶことができるMPH(公衆衛生学修士)の課程がある大学にしぼりました。
 大学の立地、生活環境、校風から第一志望を東北大学として研究室を調べたところ、興味のある分野と合致する研究室(以下A研究室)を見つけました。東北大学大学院医学系研究科出身で他大学で教鞭をとっていらっしゃる方とお会いする機会があり、ご相談させていただいたところ、A研究室を勧めてくださったことも後押しとなりました。さらにA先生や研究室について調べ、オンライン面談や研究室訪問を経て、A研究室で学びたいという気持ちがたしかなものとなりました。

試験内容

  • 「書類等審査、筆記試験、TOEIC、TOEFL、IELTS等の英語外部試験の成績を総合して選考」(募集要項に記載)

  • 書類等審査:事前に提出する成績証明書、志望の動機・理由と抱負について(1,000程度)、面接を含む

  • 筆記試験:小論文

事前準備・試験対策

~オンライン面談~

  • 3月後半に初めて研究室の先生へメール→3月末に面談が決定

  • 先生の為人や研究について学習し、面談で伝えたいことをまとめる

  • 当日は志望動機や熱意を伝えて、互いに質疑応答を行う


 本来は研究室訪問をすべきところですが、遠方に住んでいたためオンラインで面接していただきました。6月の大学院説明会への参加を決めた際に、このタイミングで研究室の先生と直接お会いできればと思いご連絡し、説明会後に研究室訪問に伺いました。

~TOEIC~

  • 『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 9』と『TOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック』 を購入し、問題集を1周(単語帳は自分に合わず断念)

  • 3月のTOEICを受けた後、5月に向けて公式問題集8を購入

  • 問題集を解き、何が苦手なのか、なぜ苦手なのか、どうしたら早く正確に解けるかを分析⇒自分に合う勉強方法を模索し、2冊の公式問題集に集中

~志望動機作文~

  • なぜ大学院に行きたいのか、何を研究したいのか、学びたい気持ちの背景に何があるかなど、自問自答を繰り返して自分の中にある考えを書き出す

  • 段落構成を考えて文章を書き、1,000字程度に収まるようそぎ落とす(もしくは1,000字程度に達するよう加えていく)

~小論文~

  • 過去問題は、前年度の1回分のみ入手可(本来大学で閲覧するのみだが、遠方に住んでいたためメール対応をしていただいた)

  • 1回分では傾向がつかめないため、出題方法は同じと仮定し、大まかなテ
    ーマを指定してChatGPTに問題作成と実際に書いた文章の添削を依頼⇒回答をもとに学習(複数のテーマで同様に学習)

  • 『読むだけ小論文 基礎編』(著者:樋口裕一)を一読

~面接~

  • 書類等審査の期間の開始日に研究室の先生と連絡をとり、面接日時を決定(遠方に住んでいたためオンラインで面接していただいた)

  • 面接練習はしていない(志望動機がきちんとしていれば面接の受け答えで困らない)

伝えたいこと

 大学4年生になる目前にいきなり大学院に進学すると言い出したこともあり、最初は周りに反対されました。やりたいことを見つけたことが嬉しく、進学に向けてがんばろうと思っていたところだったので、とてもショックを受け、3月のTOEIC前にも関わらず何も手につきませんでした。1週間ほど何も考えず好きなように過ごす時間をとった後、自分が本当に大学院に行きたいのかを考えました。どうしても進学したいと思ったので、誰に許可をとるでもなく東北大学の先生にメールを送るとすぐに返事をくださいました。
みなさんの中にも、大学院進学を迷っている人、不安になっている人がいるかもしれません。大切なのは、自分の気持ちです。自分自身の声に耳を傾けて、どうしても大学院で学びたいと分かったなら、まず行動してみてください。応援してくれる人は必ずいます。自信をもってがんばってください!

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