ギベオンなどの未知なる隕石の成分が異なる理由を解説!実は地球の鉱物と理由は同じ!?
隕石の成分は主に鉄とニッケルですが、隕石の種類によってその成分比率は異なります。
例えば、ギベオン隕石の場合は鉄が約91%、ニッケルが約7%に対して、ドロニノ隕石はニッケルが20%以上あります。
▼ギベオン隕石▼
▼ドロニノ隕石▼
なぜ、同じ隕石でも成分比率が異なるのかというと、それは天然のものだからです。
天然石の代名詞である水晶と同じ理由です。水晶には色味によって様々な名称が付けられています。
紫色ならアメジスト、ピンク色ならローズクォーツ、黄色ならシトリンのように色の違い=微量な成分の違いによって別物として扱われています。
隕石も同様です。隕石は地球に惑星が衝突したものです。同じ宇宙から飛来してきた惑星ですから、同じものと考えがちです。しかし世界各国で採れる水晶の色味が違うことと同じように、同じ惑星でも成分が異なります。
ちなみに隕石には大きく3つの種類に分けられます。
惑星の外皮部分のマントルの箇所は、石質隕石です。回収される隕石のうち9割以上が石質隕石です。
青い部分(マントル)が1番大きいのがイラストを見れば分かると思います。マントルは長石や輝石などの鉱物の総称である珪酸塩鉱物ですから、様々な成分が含まれております。
ですので、数え切れないほどの鉱物または隕石があるのは納得です。
赤い箇所は核です。地球でいうとマグマがある所になります。惑星のその箇所が地球に衝突したものが鉄隕石です。
回収される約7%が鉄隕石のようで、イラストからも分かるようにマントル部分よりも面積や体積が少ないことが分かります。
その鉄隕石には、ニッケルの含有量によって大きく3つの種類分けされています。
ニッケルを多く含む、アタキサイト。最もニッケルを含まない、ヘキサへドライト。その中間のオクタヘドライトです。
ちなみにキレイな模様が特徴的なギベオン隕石はオクタヘドライトに分類されます。
最後にミックスされた部分について解説します。イラストの緑色の部分です。
マントル(石質部分)と核(鉄部分)が混ざった箇所の惑星が衝突したものを石鉄隕石といいます。キレイなカンラン石のあるのが特徴的で、アクセサリー加工に適している隕石です。
▼石鉄隕石(イミラック)のネックレス▼
イラストから分かるように、その部分は限りなく少なく、回収量も1%程度と実際に少ないです。
ですので、高価な隕石が多く、チリのアタカマ砂漠で回収されたイミラックは高単価で取引されています。
近年ではセリコ隕石がケニアで回収され、石鉄隕石としては最安値で市場に出回っています。
▼セリコ隕石▼
この隕石は他の隕石に比べ非常にサビやすいのが特徴的で、樹脂などでコーティングしないと地球上では存在できない隕石です。
加工してもサビが出てしまうので、装飾品には適さない隕石です。
天然石に比べ種類の少ない隕石ですが、天然石には無い良さがたくさんあります。
成分比率の違いによってウィドマンシュテッテン構造の模様が違ったり、そもそも模様が出なかったり、カンラン石の色味が違ったりします。
またメイドイン宇宙なので、未知なる鉱物です。夢とロマンが詰まった天然石なので、まだ持っていない方はこの機会に1つ本物の隕石を手に入れてみてはいかがでしょうか?
▼1000円の隕石▼
主に東京と大阪で展示会を開催しておりますので、隕石に興味のある方がおりましたら遊びにきてください。