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2021年、Stray Kidsを好きになった


Stray Kidsを好きになった。
私の2021年を総括すると、このたった一文で表せてしまう。

たった一文で済むそれだけのことなのだけど、
今年は街を彩るイルミネーションも目に入らなかった。

Stray Kidsを好きになって、余りにも世界が煌めきだしてしまったから。

Stray Kids(ストレイキッズ、韓: 스트레이 키즈)とは、

バンチャン、Lee Know(リーノウ)、チャンビン、ヒョンジン、ハン、フィリックス、スンミン、I.N(アイエン)は韓国の8人組男性アイドルグループである。(結成時9人)

JYPエンターテインメント所属。Mnetのサバイバルオーディション番組『Stray Kids』を通じて結成し、2018年3月25日にミニアルバム『I am NOT』でデビュー。略称はスキズ(韓: 스키즈)。公式ファンクラブ名はSTAY(ステイ、韓: 스테이)。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Wikipediaさんの力を借りに借りて説明すると、
Stray Kidsとは上記の通り韓国を中心に活躍する8人組男性アイドルグループである。

Wikipediaさんの力を借りないで説明すると、
Stray Kidsとは世界を平和にするために天から派遣された天使達が奇跡的に韓国で出会い、
神(バンチャン)の一声によって結成されたグループであり、人々を素晴らしい音楽とパフォーマンスで笑顔にする使命を負っている。
最近では代行サンタクロースまで努め始めた"愛の擬人化"。

まとめると、"顔も良けりゃ性格も良い最強の若者達が集まって、自分達で作った音楽で最強のパフォーマンスをしてくれている"ということである。

前置きが長くなってしまったが、ここではそんなStray Kidsにハマった経緯を書いていきたいと思う。
(以下、スキズと呼びます)

ハマる前


私は筋金入りのジャニオタだった。
V6と共に誕生し、学校へ行こう!とひみつの嵐ちゃんで育った。
最終的に追っかけていたのは上記のグループとは違うけれど、年越しは毎年カウントダウンコンサートだったし、
自分でお金を稼げるようになってからはツアーで全国を飛び回り、
人生の半分以上をジャニーズと共に過ごした。
当然のようにこのまま一生ジャニオタとして生き、ジャニオタとして死ぬんだろなと思っていた。

人生最愛の担当が事務所を辞めるまでは。

2020年、コロナ禍の真っ只中で自担がグループを脱退しそのまま事務所を退所したことで私の推しライフは一変してしまった。

人生最後の推し、と決めていたので他のアイドルに一切目を向けていなかったこともあり、
そのままジャニオタでい続けることも出来ず、
路頭に迷うオタクが誕生した。

それから担当が事務所を辞める前にたまたま見ていたMステに出ていたTOMORROW X TOGETHERを「いいな」と思っていたので、
何となくぼんやり追いかける日々が始まった。

だけど自分がファンだと名乗るには何だか烏滸がましいような気がして、
ずっと遠巻きに眺めているだけの中途半端な期間が半年以上続いていた。

その合間合間に、スキズを知るきっかけは何回もあった。

不思議なものでそれまで全く触れていなかったK-POPの世界に触れだすと、
気になっているグループだけでなく違うグループの情報も入ってくるようになる。

一番最初にStray Kidsというグループを認識したのは「神メニュー」だった。
TOMORROW X TOGETHERのヨンジュンくんがひたすらダンスを踊るという配信をしていて、
その中で「神メニュー」を思って欲しいというコメントがあったのだ。

その他にも沢山の曲を踊ってくれていたのだけど、
何故かコメント欄も大盛り上がりだったこの曲が気になって検索して聞いた。
(後々スキズのチャンビンとヨンジュンくんは同い年かつ仲良しなのでファンが沸いていた、という事実を知る)

見事にハマって一時期狂ったように「神メニュー」を聴いたし、流れでアルバムも聴いていた。

正直何でこの時点でハマらなかったのか全く意味がわからないし、
当時の自分に会ったら100回ビンタしたい。

この時期からしばらく私の中でスキズは「金髪で長髪の子がいるグループ」だった。

「金髪で長髪の子がいる」ということは、多分自分で思っているよりも重い事実だった。

だって絶対好きだから。

もう20年以上、自分自身とお付き合いしているので自分の好み、はっきり言ってしまえば「性癖」などわかりきっている。

長髪→好き
金髪→好き

どちらも兼ね備えている子がいる、という時点で狂う予感がしていた。

今思えば一度彼らをちゃんと見てしまったら終わりだ、という予感があったのだと思う。

だから、ずっと「金髪長髪がいるな〜」と思いながら見て見ぬふりをしていた。

新宿ルミネにデカデカとALL INのポスターが貼られていた時も、
恋人から「○○ちゃんが好きそうなグループがバズリズム出てたよ!」って言われた時も、
アルバムの中では「phobia」って曲が好きだなと思い始めた時も、頑なに目を逸らしていた。

そんなに頑なになる理由は自分でもうっすら解っていて、
私は人生最後の推しだと思っていた彼を好きでいた時、
ずっと「もう運命の出会いをしませんように」と願っていた。
例えば、ひょんなことから見た動画で踊っている子からどうしようもなく目が離せなくなったり、
ある日何気なく見ていた歌番組で見ていたグループに一目惚れしたり、
全く興味のなかった界隈にふとしたきっかけで瞬く間に転げ落ちて行ったり、
そういう、オタク人生を変えてしまうような運命の出会いが2度と訪れませんようにとずっと願っていた。

彼を最後の運命を感じるアイドルにしたかったからだ。

だけど、結構あっけなく終わりは来てしまって、
彼を好きでいることで築けたファンダムとの繋がりも不安定になり、
結局アイドルを辞めてしまった彼を推し続けることも出来ず、
宙ぶらりんのまま「運命の出会い」を避け続けていた。

最後だと思っていたのに、あんなに大切だったのに、
愛し続けることができなかった自分を信用出来なくて、
新しく何かを好きになったり、アイドルに狂ったりすることは自分にはもう出来ないのではないかと思っていた。

だけど、こうなってしまった今、
Stray Kidsに出会うことも好きになることも決まってて、
逃げても足掻いてもきっと最終的にはこうなっていたんじゃないかなと思う。

本題まで長くなってしまったけれど
「金髪長髪の男の子がいるグループ」だったスキズが、
私にとって「一番大切な8人」に変わったのは
主に以下の3つのきっかけがある。

①「FAM」「psycho」

虹プロきっかけで去年の12月からTWICE先輩やITZYちゃんのMVを見漁っていた。
どういうきっかけか忘れたのだけど恐らく関連動画に出てきたのであろう
STAYの方が作ったスキズの「FAM」の文字起こし動画を見た。

最初の感想は「え!?K-POPにもメンバー紹介ラップってあるの!?!?」だった。

私はジャニオタ時代からメンバー紹介ラップが大好きである。
メンバー紹介ラップが収録されていると聞けば、
担当グループじゃなくても聞きに行きC&Rも覚えていたし、
アメトークでメンバー紹介ラップ芸人があれば一般人枠で参加したいくらいメンバー紹介ラップが好きなのだ。

そんなメンバー紹介ラップがK-POPにもあるんだ!!と思い、
俄然グループ自体にも興味が湧いた。

今まで避け続けていたのが嘘のように怒涛の検索によって
「FAM」がALL INというアルバムに収録されていることも、
何とメンバー紹介ラップだけでなく他の曲もみんなメンバーが作詞作曲していることも、
メンバーの名前も知ることになった。

大切なことはみんな「FAM」が教えてくれた。

https://youtu.be/3ywY7yDhvWM

今は著作権の関係で見られなくなっているのだが、
動画を作ってくださったSTAYの方にも感謝したい。

そして金髪長髪の男の子が「ヒョンジン」という名前だと知ってしまった私は、
ついにあの動画に出会うのである。

再生数、脅威の845万回。
psychoのチッケムである。

https://youtu.be/0Y8HdSGRaSs

自分が持てる語彙力を総動員してもこの美しさは到底表現しきれないと思った。

3分50秒間ずっと何かに取り憑かれているような、
魔術をかけられているような気持ちになった。

画面と自分以外の一切が消えて強制的に心が動かされる、
とんでもないものを見てしまったと思った。

舞台の神様に愛された特別なアイドル、
金髪長髪の男の子が唯一無二の「ヒョンジン」に変わった瞬間だった。

それから狂ったように、本当に狂ったようにという形容詞しか当てはまらないほど毎日目を充血させながらありとあらゆるヒョンジンのチッケムを見続けたけれど、
今でも特別すぎてPsychoのチッケムは生半可な気持ちで見に行くことができない。
よし、見るぞ!と気合を入れないと見れないし
ネロにとってのルーベンスの絵画のように凄く
神聖なものを「拝ませて頂く」という気持ちになってしまう。

とにかくPsychoのチッケムによってタガが外れてしまった。
もうStray Kidsを知る以外の道は残されていなかった。

②サバイバル番組「Stray Kids」

そもそもJYPを知るきっかけが虹プロだったのでサバイバル番組とは何たるかみたいなものはわかっているつもりだったのだけど、
実際にリアルタイムで見ていたら多分まともに日常生活を送れていなかっただろうなと思うほど、想像を絶する過酷さだった。

まだ16〜20歳の少年達が毎日のように朝まで歌や踊りの練習をして、
命を燃やしてデビューという夢に向かっている。

全員竈門炭治郎なのかよと思うくらい、
ひたむきに夢に向かっているその姿に胸を打たれてしまった。

正直サバイバルの話はそれだけで1エントリかけてしまうのでほどほどにしておくのだけど、
プレデビューの曲が「Hellevator」というのも衝撃的で、
練習生の自分達が今いる場所を地獄に例えて、エレベーターに乗ってデビューという天国に向かっていく…なんて、
センスがありすぎて度肝を抜かれてしまった。

https://youtu.be/AdfIfFGCqgo

デビュー曲といえば「ずっと君を幸せにするよ⭐︎お姫様⭐︎」みたいなキラキラ爽やかなものだと思っていたので、
プレデビュー曲とはいえ地獄!?血汗!?血涙!?
おどろおどろしいワードが並ぶHellevatorは結構衝撃だった。

ただそれが本人達の実際の経験に裏打ちされた本人達の言葉だからこそ、しっかりとパフォーマンスに昇華できるんだなとも思った。

「Hellevator」のMVを初めて見た時に、MVのラストで
エレベーターに乗ってたどり着いた先(天国)と
今までいた場所(地獄)が反転してるのを見て、
デビューしてからが本当の地獄だよ、という
メッセージなのかもしれないと感じて、
「この子達は今も地獄にいるんだな」と思ったのを覚えている。

9人で1つの人間みたいに1人でも欠けたら死んでしまうのではないか、というくらいの切実さでデビューという夢を叶えたスキズを軌跡を見終わった時点で、
このグループを好きにならないという選択肢はほぼ消えてしまっていた。

③「You can STAY」

サバイバル番組を見出したくらい(2月頃)からTwitterで毎日のようにスキズについて検索していたので、
「どうやらキングダムという番組に出演するらしい」ということと、「主催のM○etはオタクから嫌われているらしい」ということを何となく察知した。

K-POPにおけるスキズの立ち位置についてもその番組の趣旨についても何にも分かっていなかったので、
正直「え?またサバイバルするの?デビューしたのに?」と思いつつ…どうやったら番組が見られるんだろうとぼんやり思っていた。

ただ、Twitter及びインターネットというのは良い情報もくれれば、そうでないことも目にしてしまうもので、
ハマりたてにありがちなとにかく何でも知りたい期だった私は既にその時たちこめ始めていた暗雲を避けることができず、
むしろ突っ込んでいってしまった。

色んな人が色んなことを言ってるのを見て、動揺しなかったといえば嘘になる。
どうすることもできず気づいたら活動休止が決まってしまった。

その時はいつヒョンジンが戻るのかも分からず、
1年、2年経っても戻ってこれないかもしれない、
もしかしたら本人の意思で戻らないかもしれない…
そんな先の見えない状況の中で、
「STAY」でも何でもない自分はどうすべきなのかも何を思えばいいのかもわからなかった。

正直、まだ今なら引き返せるという気持ちもあった。
沼へのハマり具合でいえば水温を確かめるために足先をつけてるくらいだと自分では思っていたので、
今ならまだ間に合うんじゃないかとも思っていた。

これだけ長くオタクをやっていると、自分の推し方みたいなものも見えてくるのだけど、
私は結構推しに激重感情を抱いてしまう方で、
一度好きになったら末代まで愛してしまうし他のグループと
掛け持ちとかも出来ない高倉健タイプのオタクだ。自分、不器用なんで…。

ここで好きでいるという選択をしたら、もう戻れないだろうなという予感がしていた。

そんな中でも日課のYouTube漁りはやめられず、
たどり着いたのが「You Can STAY」という曲だった。

https://youtu.be/En4jap4MPbY

「You Can STAY」
君はここにいることができる。

その言葉は優しくて、自由で、少し切なかった。

ここにいてもいい、ここで休んでもいい。

そう、ファンはいつだって自分の勝手でアイドルを推すことを辞められる。
いつだって、その場から去ることができる。

アイドルはそうはいかない。
それまでの人生の殆どを、青春を、普通に過ごしていたら得られたであろう幸せを、
1人の人間としての生活を投げ捨てて、
夢に捧げて一心に追いかけてきた人達だ。

そんな人達が「ここにいてほしい」ではなくて、
「ここにいてもいい」と言ってくれる。

実際、私はどんなに美化しても最後の最後まで
担当を好きでいられなかった、
推しを推しきれなかったオタクだ。

自分の身勝手さも、緩慢も、心の醜さも、
嫌というほど思い知った。

だけど、「ここにいてもいいんだよ」という選択肢を与えられて、
理屈抜きで「ここにいたい」と思ってしまった。

8人が笑う時は一緒に笑いたいし、
傷つく時は一緒に傷つきたいし、
何かあったら当事者として向き合いたい、
幸せになってほしいではなくて幸せにしたいと思った。

Stray Kidsというグループの傍にいたい、関係者になりたい、STAYになりたい…
どう足掻こうが、もうその気持ちに嘘をつくことはできなかった。

オタクがアイドルを好きになるのは「責任」じゃない、「選択」だ。

好きでい続けることも嫌いになることも応援するのも離れるのも全て自分の「選択」でしかない。

だからこそ、私はStray Kidsというグループを好きになることを「選択」した。

最後とか一生とか今はまだ自分が信じられなくて言えないけれど、
オタクとして路頭に迷っていた迷子の自分を、
スキズが見つけてくれたから、
「何かを好きでいる自分」を取り戻すことができた。

迎えに来てくれてありがとう、と何時か言いたい。
その時までStray Kidsの傍にいることを

STAYであることを今は確信している。

Stray Kidsを好きになって


2020年、死んだように生きていたのが嘘のように
毎日口角が上がり続ける日々が続き、ついに目尻まで到達してしまった。

というのは誇張だけれど、それくらい毎日笑っていた。

何しろスキズの更新及び連絡頻度ときたら、
常に付き合って3日目のテンションなのだ。

TwitterインスタYouTube TikTok、bubbleというファンとの交流アプリ…ありとあらゆる手段で「STAY大好き!愛してる!大切!」と伝えてくれる。

他のグループのことはあまり存じ上げないのだけど、
K-POPってこんなに供給があるものなのか…?と毎日毎日思う。

それに、そのどれもが運営や事務所がやれって言ったから
仕事だからやりましたというような雰囲気ではなくて、
本人達が「だってSTAYに僕達の愛が届いてないと困るから」と言いたげに
心から想いを込めて、楽しんで、作ってくれていると感じられるものばかりだ。

更新されるコンテンツに彼らの自作曲(作詞作曲だけでなくディレクションまで手がけている)が
含まれていることからも、それは明白だろう。 

こんなに愛されてしまってどうしようか、と思うほど
STAYはStray Kidsから愛されているなと思う。

https://youtu.be/UcKxI5IdScY

私がどんな言葉を並べたてるよりも、この曲を聴いてもらえればStray KidsとSTAYが相思相愛なのは一目瞭然だ。

そんな中、少しでもStray Kidsを好きでいるに相応しい生き物であろうとする本能が働いたのか、
今年に入って4回昇給した。
そのうち3回は3ヶ月連続だったので自分でもびっくりした。

真剣に自分のこれからやりたいことについて考えるようになった。

Stray Kidsをもっと大切にする為に、自分のことも大切にしたいと思った。

でもそれは特別なことではなくて、Stray Kidsを、
あんなに一生懸命に生きている8人を見たら、
きっと誰でもそうなると思う。

ディズニー映画の新作を見終わった瞬間が永久に続くかのように、
Stray Kidsを見ていると自分も自分の人生をしっかり生きて、
そして彼らを100%愛さなければ…そんな風に自然と思ってしまうのだ。

STAYになりたいと思った日から、
冗談抜きで本当に毎日毎日毎日毎日
あくる日もあくる日もSTAYになってよかったと思う。

結局何が言いたいかというと、少しでも早く彼らを好きにならなかった私は大馬鹿者だけれど、
今年、このタイミングでStray Kidsに出会えて、
彼らを好きになれて本当に本当に本当に本当によかった。

彼らが私がオタクでいる理由になってくれたように、
いつか私も彼らがアイドルである理由の一つでありたい。

それが、私の第二のアイドルオタク人生の始まりの目標だ。


#2021年の出会い

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