PCでDJをするには「01.現状の機材構成とその理由、そしておすすめの機材」

自己紹介

横浜の週末を中心に年間100本ほどDJをしていますinouwye(読み:イノウエ)と申します。本業はカメラマンをしており、DJは兼業です。

お年玉やボーナスで機材を買って、2023年からはDJを始めちゃおうかなって人が多そうな時期になったので、色んな場所でPCDJをした自身の経験を元に、機材ガイドのような記事を書いていこうと思います。とは言え、導入から楽曲の仕込み、現場までとなると、わりとボリュームが出るので今回は「現状の機材構成とその理由、そしておすすめの機材」に絞ります。

現状の機材構成


  1. PC : MacBook Pro 13inch (2016)

  2. DJソフト : Rekordbox 6

  3. ヘッドホン : Sennheiser HD 25

  4. DJコントローラー : DDJ-400

  5. DJコントローラー : MWM Phase

  6. DJコントローラー : DDJ-XP2

  7. DJミキサー : DJM-900NXS2


他にもこまごまとしたケーブルとかUSBメモリとか色々あるのですが、大きい所だとこんな感じです。1から3までは絶対に必要なもので、4から7は状況に応じて持っていく物です。ここからそれぞれの機材について解説していきます。

PCについて

PCに詳しくないのであればMacを選ぶのが良いと思います。Windowsでトラブルが起きた場合、音声出力に関連する設定項目が多いのでチェックが大変なのと、現場にWindowsでPCDJをしている人が少ないので、助けを求められない可能性が高いです。

私が使っている「Rekordbox」というソフトの必要スペックが

Windows
・ Windows 7 Ultimate/Professional/Home Premium
・ Windows 8.1 Pro / 8.1 / 8 Pro / 8
32-bit : (CPU) Core i3, i5, i7 / (メモリ) 4GB
64-bit : (CPU)Core i3, i5, i7 / (メモリ) 4GB以上
・1280 x 768 screen resolution
・Available USB 2.0 port
Mac
・ Mac OS X 10.10 / 10.9 / 10.8
(CPU) Core i3, i5, i7 / (メモリ)4GB以上
・1280 x 768 screen resolution
・Available USB 2.0 port
rekordboxの最低動作環境を教えてください。

となっています(2023.01.05時点)。最低限の必要スペックなので、この性能のPCだと色々と嫌な気持ちになると思うので、予算の許す限りスペックは盛った方が良いと思います。私のMacBook Pro 2016もCPUとメモリは最大にカスタムしています。HDDは500GB以上あった方が心が平和です。

中身のスペックも大事ですが、それより大事なのは外部入出力端子の数です。MacBookは片側にUSB-Cが2つだけのモデルが多いです。1つは充電に使うとすると、残り1つなのでちょっと心もとないです。プレイスタイルによるのですが、HID接続(今はわからなくていいです。すごい良い感じの接続方法です。)をすると、充電ケーブルを除いて3本のUSBを繋がなくてはいけません。USBハブを使えば本体端子の少なさを補えますが、トラブルが起きた時にチェックする箇所が増えます。出来るだけ機材と本体は直で繋いだ方が楽です。

細かい部分ですが、DJ交代時のポジショニングによっては、ミキサーを正面として左右どちらかにPCを置くことになります。この時にMacBookで左右にUSBポートがあるモデルであれば少し楽です。

と言うわけで、MacBookかつ左右にUSBポートが3から4あるモデルが好ましいと私は思います。

音楽系のソフトウェア全般的にそうなのですが、AppleやMicrosoftが作っているわけではないので最新OSや機材への対応が遅いです。最新モデル、最新OSのPCを買う場合は気を付けてください。

DJソフトについて

メジャーなDJソフトは「Serato」「Rekordbox」「Tractor」「Virtual DJ」あたりかと。PC持ち込みDJのシェア的には「Serato」が一番多くて、次に「Rekordbox」で、後は「その他」って感じです(行く現場とジャンルによって変動はあります)。

私は「Serato」と「Rekordbox」のライセンスを持っています。どちらもシェアが高く信頼感のあるソフトですが、私はRekordboxを選びました。

なぜRekordboxを選んだか

RekordboxはPioneerが開発しているソフトで、そのPioneerはCDJとDJミキサーを作っていて、Pioneer機材の現場シェアはほぼ一人勝ち状態です。ミキサーはまだ諸説ありますが、CDJに関してはPioneer以外の製品を置いてある所を見ることはなかなか難しいです。

とにかく現場で見ないことはない製品を作っている会社のソフトを選んでおけば間違いないかなってことで選びました。もちろん他のソフトも良い所がたくさんあります。

世の中のCDJがほぼPioneerなところがポイントで、難しいことを今は省きますが、CDJにUSBメモリを挿してメモリ内の楽曲のみでプレイする(持ち物はUSBメモリとヘッドホンだけ)のスタイルをしたい人は絶対にRekordboxが良いです。

いずれの製品もデモ期間があるので、インストールしてフィーリングを確かめてみると良いと思います。

ヘッドホンについて

Sennheiser HD 25が最高ってわけじゃないので、好きなものを選んでください。ただ、ヘッドホンには開放型と密閉型があって、選ぶなら密閉型を選んでください。DJ現場は常に大きい音が鳴っているので開放型のヘッドホンだと自分の音が聞こえなくなる恐れがあります。

耳にぴったりはまるイヤホンも良いと思います。私はヘッドホンを付けたり外したりするのでヘッドホンにしているだけです。

有名だからとSONYの赤耳ことMDR-CD900STを買っちゃう人もいますが、けっこう高い上に、特性として低音成分があまり出力されないのでDJ用途には向いていません。

DJコントローラーについて

今から買うおすすめ機種

何にせよ家で練習は出来たほうが良いので、ひとつ持っておきましょう。今だと2022年末に出たDDJ-FLX4がおすすめです。これがあれば「Rekordbox」でも「Serato」でも使えます。欠点はちょっとデカい事くらいです。普通のノートPCが入るくらいの鞄だとはみ出ます。18inchくらいのPCが入る鞄であれば大丈夫かな。重量はそんなにないのでPCはバックパック、DDJは別の手提げでもokだと思います。

RekordboxはPioneer製のコントローラーでしか基本的に操作できないので、現行で一番小さなサイズがDDJ-FLX4になりますが、Seratoはサードパーティ製の多種多様なコントローラーが使えるので小さいコントローラーが絶対良い方はSeratoを選んでください。

大事なのは「持ち運べて」「LINE出力(赤白の音楽ケーブルです)が出来る」機種を選ぶ事だと思います。LINE出力が出来るコントローラーがあれば、家でもお使いのオーディオ機器に繋げますし、アウトドアでもモバイルスピーカーに繋げます。なにより現場で機材の接続トラブルが起きた時にLINE出力で乗り切る事ができます。

私が使っているコントローラーについて

DDJ-400

DDJ-FLX4の前モデルです。大きな違いは「Rekordbox」でだけ使えることです。「Serato」だと使えません。DDJ-FLX4を買った方が良いです。

新モデルに対してすごい微妙な利点としては本体側のUSB端子が「Type-B」なことです。CDJ、ミキサー、その他諸々DJ機器の接続端子がType-Bなので持ち運ぶケーブルの端子を統一出来ます。DDJ-FLX4の接続端子はType-Cなのでコントローラー用に別枠でケーブルを用意しないといけないんですよね。

MWM Phase

DVS接続をする時にターンテーブルに針を付けなくても良くなる機材です。DVS接続については後に記事を書くので、この段階では「なんか便利なもの」くらいに思っておいてください。欠点は円安なので高い。Rekordboxで使うとちょっとめんどくさい。の2点です。

DDJ-XP2

Padがたくさん付いたコントローラーです。設定をカスタムするとJogダイヤルのないかわりにPadがたくさん付いたCDJ2台的な役割をする事が出来ます。これにより、転換時にちょっと楽をすることが出来ます。本来の使用用途はDVS時の機能拡張と多数のPadを活かした派手なプレイです(多分)。

Rekordboxの人はDDJ-XP2をPCに繋げる事で有料サブスクプランの「Core」相当の権限がアンロックされます。このような、接続することで何らかの権限が付与される機器を「Unlock Device」と呼びます。

DJミキサーについて

私は自分でDJM-900NXS2を購入しましたが、家で練習する分にはとりあえずコントローラーと音を出すオーディオシステムがあれば良いと思います。現場にレンタルすることはありますが、家ではもっぱら大きいオーディオインターフェイスとして使っています。

おわりに

とりあえず「現状の機材構成とその理由、そしておすすめの機材」ということで、ここまでにします。
以降、不定期ですが予定しているのは


  • 「楽曲購入、読み込み前の調整」

  • 「読み込み、タグ付け、整理」on Rekordbox

  • 「hot cue、グリッド調整」on Rekordbox

  • 「現場へ」


の4記事です。書いてみないと長さがわからないので、もしかしたらさらに記事が増えるかもですね。TwitterInstagramもやってますので質問や意見などあればお待ちしております。もちろんDJのオファーも待ってますし、本業の写真と動画の相談も待ってます。

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