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売りたいものは、なんだろう。

地元の若い農家さんたちが新しい取り組みの広報活動をかねて、野菜を手売りしていた。おいしそうな丸ナスにキュウリと枝豆がある。

ふと、同じテーブルに焼き枝豆のレシピとゆで枝豆のレシピが書かれた紙と活動広めるためのHPのQRコードがおいてあるのが目にはいる。もしかしたら、いろんな野菜のレシピとかHPにのせてあるかもしれない。私は丸ナスと枝豆を買うついでに「HPにレシピはのっていますか」ときいてみた。

すると、正面の男性二人が「レシピはないけれど地元の農家の若者数人で頑張って盛り上げようとしている活動内容がのっているのでHPぜひみてください」と教えてくれ、フムフムと思った次の瞬間、横にいたスタッフと思われる若い女性に「HPにいったら若いイケメンがたくさん載ってますよ!!」と声をかけられたのである。いや私は地元の若い農家さんたちの活動や取り組みをみたり応援したいのとレシピみたくて尋ねたんだが…えっと…売りたい推したいものは…一体…。

女性はなんどもそのフレーズを繰り返す。私は繰り返されることばと真っすぐな瞳にたじろぎ、苦笑いをしながら紙ベースのレシピを写真に撮らせてもらいQRコードを読み込むことなくその場をあとにした。 

なんだろうこのもやもやは。応援したい気持ちが風船のようにふくらんでいたが音をたててビュンビュン飛び回りしぼんでしまった。私には若い地元の農家の若者をビジュアルで推す気はさらさらないのにもかかわらず、『若いイケメン』を買い物や推し活の判断基準にしている生き物のようにみられたことがショックすぎたのだ。

私ははっとした。私には好きなものや人がたくさんあるが、イケてるものを推すより、心揺さぶられる取り組みや活動を推したいのかもしれない…。

若い女性よ気づきをくれてありがとう…と思うと同時に同世代の女性が若いイケメン推しで購買者の心を動かそうとされたときにどう感じるのだろうかということに興味がわいた。感じ方は人の数ほどある。いろんな人の意見をぜひきいてみたい。

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