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【歌評】わたしね、、 / 熊川みゆ / 2020年/ 作詞:熊川みゆ
──『二人で飛ばした灯籠は星になったよ 目を閉じた瞬間世界がくるりくるりくるり
二人の生きた道が並んだ影になった日 僕らは大きな奇跡を見た気がしたんだ』──
☆☆☆
引用歌詞は『』でくくられています。著作権違反とならないように慎重に書いていきます。
☆☆☆
自由に書いていこうと思う。
この歌にはどこか憂いを感じる歌詞がある。
『どうしてどうしてと尽きることのない悩みは
私に大きな世界を運んでくれたんだ』
歌の中の主人公とでも言うべき女性は、常に悩みながら、それでもなんとか、「救い」であるパートナーのおかげで生きていけている。そのような歌詞が主題となっている。
現代の若者が抱く当然の「憂い」「不安」を歌った、とても現実的な歌詞が非常に刺さる。この主人公は「孤独」を知っているように感じる。「孤独」で不安だらけで、これから先どのようにして生きていけばいいのかわからない。そんな中で唯一の救い「パートナー」だけが生きる意味となって、なんとか歩んでいる。この歌の中に『二人』『あなた』という歌詞は合計12回登場する。それくらいパートナーとの生活に救われ続ける。
この歌から導き出せる答えは、「人はひとりでは生きていけないけど、大人数でもダメ。なんでも相談できる一人のパートナーがいれば、なんとか生きていける」というものだ。この歌の中で大勢の友達とか、そういうのは一切出てこない。ただ『二人』『あなた』という二人だけの世界で成り立っているし、だいたいの若者はそうやって生きているだろう。「友達は多いけど、ただ付き合ってるだけ。本当に大切な人は一人しかいない」という感覚だろうか。
大学時代の一人暮らしの頃を思い出す。サークルには入っていなかったような完全孤立人間だったが、もしサークルに入り、大人数の人と友達になるような大学生活を送っていたら、恐らく「わたしね、、」の歌の主人公と同じような心情で大学生活を送っていただろう。一人暮らしで、自由だけど一人では何をやっても楽しくない。けれどもパートナーといるときは安心するし、笑い合うこともできる。「この人だ」と決めた人には自分の暗くて不安だらけの表情も見せる。それでも、パートナーは見捨てることなどなく、二人で生きていくことを決心する。
『二人の生きた道が並んだ影になった日 僕らは大きな奇跡を見た気がしたんだ
大丈夫? 大丈夫そう繰り返しながら 悩んだり手を取り合いながら歩いていこう
二人で行こう 二人で行こう』
大学生で一人暮らしをしている人にはぜひ聴いてほしい歌だ。そして一生涯のパートナーを見つけて、若者にとってこの困難な時代を乗り越えていってほしい。
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