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【考察:日本の報道】なぜロシアに対しては「特別な軍事作戦」ではなく「ウクライナ侵攻」と呼び、イスラエルに対しては「ガザ地区への侵攻」ではなく「自衛のための地上作戦」と呼ぶのでしょうか?

──『自衛のための先制攻撃』──
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 タイトルから書いてます。国際情勢専門家でもなんでもありません。何かしらの意見や主張をするためのものでもありません。

 また、タイトルと関係のない文章も続くかと思われます。
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 2023年11月2日(木)。21時33分。

 こんにちは。井上和音です。4連勤でしたね。疲れました。本当に疲れているので体温が上がらず寒気がします。眠い。疲れた。

 中国語の勉強をしているとは言っても、今日は「簡体字対照リスト(あいうえお順)」


というサイトを見つけてぶったまげてました。簡体字ってこんなにあるの。もう無理じゃないですかと思いました。

 ツイッターでは謎のメホという方からフォローをいただきました。杀ですね。杀ってなーんだ。正解は殺ですね。「最近の小学生ではアベるという言葉が流行っていまして。これは嘘を吐くという意味なんですけれどね」と街頭演説をしていた野党の方がおりました。あまりの衝撃に今でも覚えていますが、小学生のことを甘く見すぎでしょう。小学生は人を侮辱するような内容でお互いを揶揄やゆするようなことはしませんよ。小学生に失礼でしょうが、と思っていました。

 それっぽくなぞらえていくと、「最近のツイッターではメホるという言葉が流行っていまして。これは殺すって意味なんですけれどね」とそのうち日本のトレンドに上がるようなことは起きるのでしょうか。

 メホる。流行ると良いね。

 そういえば今日はユーキャンの流行語大賞のノミネートが発表になりました。はいもう年末。寒いと思ったらもう12月かな。12月はまだまだ遠いよ。11月を忘れないで。

 タイトルの伏線を回収しないと怒られるよ。

 今日は日本シリーズがあっていて、8回の裏に阪神タイガースがまさかの大逆転劇を演じてくれました。熊本出身の大竹選手が先発マウンドに上がりました。大竹耕太郎vs.森友哉! いつぞやの甲子園、済々黌vs.大阪桐蔭が思い浮かびますね。あれから10年ですか。済々黌はボロ負けしましたが、大竹耕太郎は今日の再戦で誰が見ても勝ったでしょう。最後に勝ったのは大竹選手でした。10年越しのライバル対決。長いね。観てて色々な思い出が蘇ってきましたよ。

 タイトルの伏線を回収しましょう。

 とはいえ日本シリーズを見ていたので特に国際情勢について新しい情報があるわけでもありません。

 ただ、イスラエルがパレスチナガザ地区に侵攻する際には地上作戦と呼ぶのですね。ハマスを全滅するまでガザ地区を蹂躙していく作戦だそうです。ハマスがいなくなったら作戦終了ですかね。市民の犠牲とかどうなるのでしょうね。え? それもハマスによる国際世論を煽るための作戦だからハマスが悪い? イスラエルはいつも正しい。

 自分で書きながら論理が崩壊しそうになりました。イスラエルが正しいと断定する日本人はまだ少ないのではないのでしょうか。日本がイスラエル応援を表明していませんから。ただハマスのテロ行為は許されないとは……言っているのかいないのか。とりあえずガザ地区への人道支援には出資すると言っていますね。これは報道であっています。

 ただ、イスラエルがガザ地区を攻撃するロジックの根底として「自衛」という言葉をよく使う人が増えるようになりました。自衛のために侵攻するらしいです。自衛のためと言われたら専守防衛で良いのではとピースチルドレン(悪い言葉を使うならば平和ボケ)の私たちは思ってしまいますが、自衛のために相手を叩くというロジックは徐々に世界でスタンダードになってきてしまっているようです。

 イスラエルの自衛のためにガザ地区を徹底的に叩こうぜというのがせめてものロジックとして存在しているようです。グローバルサウスなんかはこぞってイスラエル批判に回っているし、フランスなんかも国連総会での即時停戦の議題に対しては賛成の票を入れたりしています。ロシア、中国は賛成。アメリカは反対。イギリス、日本は棄権。

 国際世論を多数決で見るならば圧倒的に即時停戦が望ましそうですが、国際世論は民主主義ではなく、各国の経済力や軍事力によるパワーバランスによって成り立っています。アメリカがどちらに着くかで世界の正義が軽く決まってしまうような世の中ではあります。

 世界の正義というか日本の正義には大きく影響を及ぼすでしょう。

 例えば、ロシアがウクライナに侵攻した際には、「法による支配の下での、力による一方的な現状変更は決して許されるべきではないもので、ロシアによる軍事侵攻は断じて許されるべき行為ではない」と定義付けて、なぜ日本は一方的にウクライナに対してだけG7各国と連帯を取る姿勢を示しているかの理由付けをつけています。簡単に言えば南シナ海や東シナ海における中国の海洋進出に牽制する狙いをもって、この定義付けはなされています。

 ところがどっこい、イスラエルが一方的に軍事侵攻をガザ地区に向かってしてしまっている現状が起きています。日本の立場としては「えーっと。どうしようか。客観的に見たらこれは力による一方的な現状変更に当てはまるよな」と勘づいている人は勘づいてしまっています。よく「アメリカの態度はダブルスタンダードだ」と今回のイスラエル侵攻においては言われますが、日本の立場のほうがダブルスタンダードに立ちかねません。イスラエル支持と明確に銘打っていないのは、支持するための論理根拠がウクライナに対するものと完全に陽と陰になってしまうために、簡単に明言することが出来ていません。

 ただ、日本国内のイスラエル侵攻は、イスラエルの地上作戦と呼ばれています。ガザ地区への侵攻とは呼ばれていません。報道による衛星画像からは、イスラエル軍が実質的に支配した土地が蛍光色で塗られるようになりました。ロシアのウクライナ侵攻のときには、ロシアは「特別な軍事作戦」と呼んでいました。日本国内の特にNHKなどでは、ロシアの特別な軍事作戦と呼ぶことはせずにウクライナ侵攻という言葉を使うのが日本のスタンダードとなりました。

 そう言えば、ロシアがウクライナに軍事侵攻したきっかけはNATOの拡大にあるのは明白です。ポーランドやハンガリーと言った、かつての東側の国々が次々とNATOへ加盟していく中で、ロシアと共にソ連を形作っていた兄弟国とも言えるウクライナまでもがNATOへと加盟するのではないかとロシアは危機感を抱くようになりました。言ってみれば、NATO拡大に対するロシアの自衛権を使ったと言えなくもないです。ここ最近の「自衛」の使い方を見れば。ウクライナでNATOの拡大を止めなければロシアの孤立が明白になると踏んで、ウクライナへの軍事侵攻へと舵を切りました。逆にロシアが孤立の道を歩むことになってしまったことは皮肉としか言いようがありませんが。

 今回のイスラエルのガザ地区への侵攻においては「自衛のため」という表現を積極的に使う日本人解説者が多いのが特徴的ですね。ここで日本政府がひらめいた! となって「自衛のための軍事侵攻ならば容認されるべきだ」とする新たなロジックを思い付いたとなったら少し怖いですね。「力による一方的な現状変更は許されるべきではない」というロジックは明らかに中国への牽制であることは間違いがないのですが、「自衛のためならば先制攻撃も許されるべきだ」というロジックを新たに創ったとしたら何かしらのいちゃもんをつけて日本が先制攻撃をすることを容認してしまう空気や世論を創り出しそうな気がします。「それって日本国憲法違反では?」と議論されるとすれば、それは戦争が勃発して終結した後に行われる議論となるでしょう。戦争犯罪を裁くのは悲惨な戦争が終わった後でしかないという、法の無力感と法による制裁は時間を要するという法の悲しい事実の一つを我々は突き付けられています。イスラエルの空爆でパレスチナガザ地区の市民の犠牲になるのは戦争犯罪ですよと法廷の誰かが言ったところで、ガザ地区への空爆が止まることはありません。ガザ地区への犠牲者が増えて増えて、どんなに増えても、イスラエルのハマスの壊滅という目標達成までは国際法も無力で、国際法が効力を発揮したそのときにはもうガザ地区は壊滅的な状態になっていることは必須であると思われます。

 もう既にガザ地区はライフラインも止まり普通に生活することは困難になっています。巨大な柵に囲まれた人口密集地で、空からは空爆が常に襲っています。監獄の中にミサイルを撃ち込んでいるようなものです。これでも国連も国際法も一切イスラエルへの制裁を課すことは出来ません。空爆を止める力もありません。これが現実。これが世界。これが法に基づく世界の在り方。

 自衛自衛と、私から見たらどう見ても自衛の範囲を超えているだろうと思われる空爆や軍事侵攻においてみても、それはアメリカが正しいと言えば自衛のための軍事作戦としか言われずに、ロシアが同じように自衛のための軍事作戦と言ったら、それは日本ではウクライナ侵攻という言葉が使われています。誰が味方で、誰と誰が争っていて、自分達に有利になるのはどちらの味方をしたときなのか。それだけで日本は言葉の表現の仕方を変えてしまいます。ウクライナとロシアにしろ、パレスチナガザ地区とイスラエルにしろ、戦車によって他の国の領土を蹂躙しているという事実にはなんの変わりもないはずなのです。同じ現象を違う言葉で言い表す。日本の報道、特にNHKでは一度固定した言葉は変えることがほぼ無いので、報道される言葉だけではなく現状で何が起きているかを注視していくことが大事なのかなと思いました。

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井上和音@統合失調症・発達障害ブロガー
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