婚姻法問題:婚姻の廃止こそがスマートな解決策
50歳未婚率が上昇する一方です。
男性3割、女性2割が生涯未婚になるのです。未婚が増えているのは、婚姻制度が使いにくいからです。
子が生まれたら、夫婦が共同して子の扶養義務を負うのは当然だが、夫が妻の扶養義務までは負えない。そんな金はないぞ。
保護必要なのは夫婦関係ではなくて親子関係
下世話に言えば、婚姻とは、男のやり逃げを防ぐためにあります。
男のやり逃げを防ぎたいなら、養育費支払いを法的に支援すればそれでよく、婚姻による親子関係の保護は、コストがかかりすぎます。
夫婦関係は親子関係を保護する手段なのに、夫婦関係のコストには、妻の扶養コストまで入っているからです。現代日本の婚姻法では、夫に妻の扶養コストを負わせるので、離別した場合の費用が膨大になっている。
子の養育費だけならともかく、婚費請求とか財産分与なんて、妻の権利を保護しすぎでしょう。
手段の自己目的化という、よくある現象です。
親子関係の保護という本来の目的に立ち戻ると、婚姻は不要であり、養育費支払いを義務化するだけでいいのです。養育費支払いは、監護親からの請求があれば家裁が命令するため、すでに義務です。
しなしながら、母子関係はともかく、父子関係は一見してわからないという生物学的問題があるので、民法772条による嫡出推定があります。
婚姻関係がないと、嫡出推定が使えないので、父子関係が確定せず、子の養育義務を父に負わせることができない。
ところが、現代では、DNA鑑定によって、父子関係は確定させられるため、嫡出推定は不要になっています。
親子関係は婚姻関係がなくても確定し、子の扶養義務は父母に生じるため、婚姻関係が不要なのです。
「婚姻は不要かもしれないが、あってもいいじゃないか」
狭義の婚姻(法律婚)が残っていると、広義の婚姻(事実婚)が普及しません。事実婚が普及しないと、非嫡出子は増加せず、少子化は止まらない。