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ちばてつや「のたり松太郎」:好きな女の側に行くために、相撲取りになる男

ちばてつや漫画を読み始めて40年にもなるのに、代表作の一つである「のたり松太郎」を読んだことがありせんでした。

読む前は、怪力無双の大男が、横綱目指して、ライバル力士を相手に大暴れという話だと思っていたのです。

kindleで読んでみたら、「のたり松太郎」は、予想の斜め上を行く怪作でした。

炭鉱住宅に住み、廃坑寸前の炭鉱で、石炭を手掘りしている絵をみて、私は、「昭和30年代の話なんだね」と思いました。

ボロボロの炭鉱住宅
井戸水を手押しポンプで組み上げて、共同洗い場で、食器洗いや洗濯をするのだ
人力でロクロを回して、石炭を引っ張り上げる
掘り出した石炭を大八車に詰んで、売りに行く

松太郎は、見かけのとおり、怪力無双の暴力男です。性欲も強い。

泥酔し、酒の勢いで、憧れの女先生、令子の自宅におしかけて、襲いかかる

まちなかで出会った力士と乱闘して、いったんは喧嘩に負けるんですが、

巡業中の力士とストリートファイト
喧嘩で負けたので、今度は土俵に乱入してリベンジ

まあ、こんな経緯で、松太郎は、相撲関係者に知れ渡り、新弟子として採用したいという申し出が殺到するのですが、松太郎はやりたがらない。

松太郎って、食欲と性欲は強いんだけど、名誉欲や金銭欲はないので、いくら金を積まれても動かないのです。

しかしながら、相撲部屋が、令子の実家の近所だとわかったので、手のひら返して、相撲部屋に入門するのです。

女を手に入れるための相撲部屋入門!

女めあての相撲部屋入門

新弟子のくせして、「俺はカラーテレビ付きの個室でないと、相撲部屋には住んでやらない」とか言っています。十分に現代っ子ですね。

漫画の時代ですが、連載開始が昭和48年でしたので、意外と新しかった。炭鉱住宅や石炭手掘りや廃坑騒動とは10年くらいズレてる感じがします。

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