スマホで飲食店の集客はできない
マンガ「インベスターZ」で論じられている、
「スマホによって、消費者は自分好みの店を探して利用するから、個人飲食店は昔よりも有利になった」
という話は、実際にスマホで集客している個人飲食店がほとんど存在していないことで、簡単に反証される。
飲食客の移動範囲は狭い
Amazon、ヨドバシ、楽天などのネット通販は、全国あるいは海外からでも品物を届けることができて、かつ、在庫の一元化により、既存の流通業を壊滅させる破壊力があったが、スマホを見ながら顧客の方が移動するサービスでは、ネット集客はうまくいかない。荷物と違って、顧客の移動範囲は狭いからだ。
飲食店の客の動きは、病院・診療所の外来患者と似ている。せいぜい数百メートルの範囲しか移動しない。空腹で、30分移動することはできない。手近でかつ安心感のあるチェーン店に入ってしまうだろう。
ウェブ制作コスト
ウェブ制作には一定のコストがかかる。チェーン店なら、全店のウェブ制作をまとめて低コストでできるが、個人飲食店だと、店主が個別に作らねばならない。
選択自体が億劫でやりたくない作業だ。
選択の科学:ジャム実験から学ぶ、消費者行動と意思決定の影響力 | 谷口マネジメント研究所 (t-mgt-institute.com)
ジャムの種類が多いほど、購買意欲は減るのだ。
雑多な個人飲食店を検索して、選択の手間をかけるよりも、サイゼリヤとかガストとかすき家に入る方を大衆は選ぶのだ。