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実験室内の化学反応と地球全体の化学反応

村木風海氏の炭酸ガス吸収装置「ひやっしー」は、それ自体はマトモな装置です。

問題は、実験室内の化学反応と、地球全体の化学反応とは違うということです。

実験室内:エネルギーや熱や物質の出し入れを人間が制御できる。
地球全体:エネルギーや熱は制御できないし、物質は閉鎖系で、出し入れできない。

「ひやっしー」が動くには、水酸化ナトリウムと電力を外部から供給しなければいけないんだから、水酸化ナトリウムの製造と電力供給のために、外部でもっと多くの炭酸ガスが発生していたらどうにもならんわけですよ。

上記のnoteでは、いくぶん緻密な化学量論計算が行われていますが、こんな計算するまでもなくて、

  1. 強アルカリと炭酸ガスの酸塩基反応という200年前からある化学反応

  2. 高校実験室程度の素朴な装置で、地球温暖化がどうにかなるなら、とっくの昔に実用化されている

という二点だけ考えたら、「ひやっしー」なんて全く無意味だと結論していいんじゃないでしょうか。

「ひやっしー」は、錬金術や永久機関と大差ないです。東大工学部中退の村木風海氏は、駒場で寝ていたでしょう。

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