「感情労働」について考えてみた
こんにちは!最近人文知にハマりまくっている井上です。
最近Xで「感情労働」という言葉を見かけて、これまで意識したことない概念でおもしろいなあと思ったのでそのことについて書いてみます!
感情労働とは?
感情労働をざっくりいうと「楽しさ」や「うれしさ」といった感情を表に出すことを求められる、あるいは「怒り」や「悲しさ」といった感情を抑制する必要があるなど、仕事の都合で感情が定められている業務のことを指すそうです。
たとえば飲食的の店員さんや飛行機の客室乗務員さん、クレーム対応係の人なんかがイメージしやすいかもしれません。営業の人とかも部分的に感情労働を求められる仕事といえるでしょう。
この「感情労働」と並列に比較できる概念として、身体を使って報酬を得る「肉体労働」、頭脳を使って報酬を得る「頭脳労働」があるようです。
「肉体労働」でイメージしやすいのは引越し業者さんとか大工さん、「頭脳労働」だと弁護士さんや士業系の人などがイメージしやすいですかね。
基本的には比率の話
あたり前ですが世の中に肉体だけ、頭脳だけ、感情だけを稼働させている仕事なんてものはなく、おそらく全ての仕事に肉体労働、頭脳労働、感情労働の3つが含まれていて、それらの比率が異なるのかなと思っています。
例えば感情労働の例で出た旅客機の客室乗務員さんも実際にはただ感情だけを労働させてるわけではなく、荷物の運搬作業やお客さんに飲み物を届けるなど肉体を動かす業務もありますし、 どうすればお客さんに心地よくフライトをしてもらえるか、過去の経験や知識から考えるといった仕事もある思います。
逆も然りでたとえば肉体労働のイメージが強い引越し業社さんであっても、作業の前後や作業中にお客さんとコミュニケーションすることもあるので笑顔で接しなきゃいけないよね、みたいなのもありそうです。
自分の比率を考えてみる
自分は2020年に独立してからこれまで前職の経営や事業立ち上げの経験を活かして様々なスタートアップの経営、事業のお手伝いをしてきました。
基本的にフルリモートでパソコンさえあれば自宅でもカフェでも仕事できるので、なんとなく自分は肉体労働の比率がかなり低く、ほぼ頭脳労働比率なんじゃないかなと思っていたのですが、思ったより感情労働の比率が高いのかも?と思いました。
というのも自分でいうのもあれなんですが、自分は割とどんなタイプな人でも柔軟にコミュニケーション取れたりしますし、会議や会社のイベントを盛り上げたり活性化させたりするのが好きで、そういうのが全く負荷にならずにできちゃうんですね。
逆に改めて自分のスキルセットなどを考えると、会社経営やプロダクト作りなどの領域でめちゃくちゃプロフェッショナルな知識をもってるかと言われると全然そうでもないよなと思ったり。。
なんとなくこれまでは「肉体:1、頭脳:9」とかのイメージだったのですが今回感情労働という概念を知ってからは、実際は「肉体:1、頭脳:4、感情:4」くらいの比率なんじゃないかと考えるようになりました。
感情労働の価値が上がってくる?
最近はAIの発展が活発で「知識」の部分はAIを使えばいいよねという流れはどんどん加速していくと思います。そうなると頭脳労働の価値はどうしても下がってきて、そのぶん感情労働の価値があがっていくのかなと思っています。
AIよって頭脳や知識による個人のパフォーマンスが平準化していったときに、一緒に働くならなんかいつも笑顔でポジティブな人とか、場を盛り上げたりしてくれるような人がいいよね、というのはありそうです。
逆に、感情労働を全くせずになんかいつも不機嫌そうな人とか、周りに気を遣わせてしまう人はチームに入れたくない、みたいなことも増えてきそうです。
感情労働のしすぎはよくない
今後価値があがってきそうな感情労働ですが、過度に感情労働をするのは危険だなあと思っています。
全然良いと思ってないのに過度に笑顔作ってその場の雰囲気や相手からの評価を上げようとしたりとか、すごいストレスを感じ続けているのに「感情労働だから仕方ない」とおもって継続していると精神的にすごく参ってしまう、みたいなことはあるかもしれません。
「過剰な労働はよくない」は肉体労働、頭脳労働でも同じことが言えると思いますが、感情労働の酷使は自分ではあまり認識しにくいという特徴があると思うので、定期的に自分の感情労働による負荷を認識しながら日々の仕事をするのが良さそうです。
とういうことで感情労働について書いてみました!自分の仕事におけるパフォーマンスについて肉体、労働、感情の比率を考えてみるだけでも自分をメタ認知できるきっかけになると思うのでよければ試してみてください!
今後の感情労働の価値について
インターネットが普及してから情報の伝達速度は劇的に上がり、気軽にアクセスできる情報のボリュームも格段に増えました。そのころから知識や情報の価値が下がってきているという話もありましたが、最近ではAIの発展により、よりその論調が強くなるかと思います。
そうなると確実にこれまで「頭脳労働」でお仕事をしてきた人たちの価値が下がってくるので今後はいかに「感情労働」での価値を提供できるかが重要になるかなと改めて思いました。
この変化はお仕事を探す個人側だけの話ではなく、人を採用して雇用する経営者にとってもただ知識や経験が豊富なだけでなく、しっかり感情も労働させてチームメンバーと信頼関係を構築でき、組織の雰囲気を活性化させてくれる人材を見極める重要性もあがってきそうです。
まとめ
ただひとつ懸念なのが感情をたくさん労働させると自分の気付かないところで心理的ストレスが蓄積してしまったり、人とコミュニケーションすること自体がすごいプレッシャーになったりもしそうです。。