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個人も会社もあまり「正社員雇用」にこだわらなくても良くない?という話

こんにちは!もう年末ですね。今年もしっかり12月を満喫している井上です。ずっと12月がいい。

さて、結構前に読んですごいなと思った佐藤航陽さんの文章を久しぶりに読みました。

とても素晴らしい記事なので未読の方はぜひ全文読んでいただきたいのですが、後半の方に「運の良い人とは?」というテーマについて書かれていたので少し抜粋させていただきます。

「運の良い人」の正体は「試行回数の多い人」となる。成功が「くじ引き」のような確率ゲーということが分かれば「くじを引きまくればいい」という結論になる。
しかもこの「くじ引き」には一人5回までといった「回数制限がない」という「バグ」がある。トライしようと思えば一人で何百回でも引き続けることができる。
(略)
うまくいってる人をよくよく観察してみると、試行回数が圧倒的に多いことに気付く。私たちは彼らの成功事例だけを見て「あいつは天才だから」とか「ただ運がよかっただけ」とか好き勝手に言うが、実際は成功の裏で膨大な数の失敗を積み上げている。

成功は運か努力か才能か?についての考察

この部分を読んでほんとそうだよなあと思い、改めて「正社員雇用」という仕組みは個人の可能性を制限してしまうかもしれない仕組みかも?と思ったのでそのことについて書いてみます!

正社員雇用による個人の制限

正社員雇用というと毎月安定した給与が会社から支払われ、社会保険補助や有給制度、最近では出産・育児休暇みたいな福利厚生もあるので働く個人にとってはとても安定的でメリットの多いものとされています。

もちろんそういう側面もありますし、世の中の多くの労働者が正社員として働いていて、会社と個人の関係性としてこれだけ機能している現状をみるとかなり良くできた仕組みだと言えるでしょう。

ただ、完全に個人だけの視点、あえて意地悪に正社員雇用という仕組みについてネガティブポイントを挙げるとざっくり下記のようなものがあると思います。

・業務やタスクは基本的に会社から与えられるものであり選択できる自由度が低い
・副業をしたいと思っても会社のルールでNGだったり、ルール上OKでも白い目で見られることがある
・退職や転職しようと思ったら裏切り者のように扱われることがある
・たくさん働きまくっても基本的には固定の給与しか支払われない
・そもそもたくさん働きたいと思っても働き方改革の影響で会社がそれを許してくれない

などなど。

お金に関する制限や人間関係にまつわる感情的なネガティブ要素もあったりすると思うのですが、個人的に一番大きいのは冒頭の記事でも触れている「個人として環境を変えたり挑戦する機会が制限されてしまう」という部分にあると思います。

1人の人間が持つ得意な分野や能力が発揮できる場所というのは本当に色々な可能性があると思っていて、たとえば今いる会社であまり成果が出せず上司からいつも詰められているような人が、別の会社や業界に移ることでものすごいパフォーマンスをあげる、みたいなことってあると思うんです。

また、最近で元々どこかの会社で正社員として働いていた人がお笑い芸人になったり、漫画家になったり、ミュージシャンになるなど、エンターテイメントやアート分野などでもそれまで所属していた環境から変化することで活躍するケースも増えてきました。

上記のように個人にとってパフォーマンスが最大限発揮できたり、幸福度高く働く環境に出会うためには、やはりある程度の数を引かないと巡り会えないと思ってて、そのときに重要になってくるのが、職場や業界を変更できる柔軟性だと思うのです。

その観点で見るとどうしても正社員雇用は難しい部分があるなあと、考えています。

経営者は正社員雇用にこだわりすぎる?

正社員雇用が一般的な概念になってるのは仕組みとしてよくできているというのが大前提かとおもうのですが、もう一つ経営者のマインド的な部分の理由があるのかも?と考えています。

自分はフリーランス的に様々なスタートアップのお手伝いをさせていただいているため、日頃からWantedlyやYOUTRUST、Pittaなどでいろいろなスタートアップの経営者とカジュアル面談する機会が多くいただいています。

その中で結構多いのが「フルコミは可能ですか?」「正社員採用が前提なんですが」的な話になることなんですが、、正直、そもそもフルコミや正社員になんでそこまでこだわるんだろうと思ってたりします。

というのも、採用に見合う能力があってカルチャーや組織との相性も良さそう、報酬額も問題ないのであれば業務量や契約形態に関わらず、普通にメンバーに加わってもらった方が良いと思うのですよね。

もちろん、任せたいミッションやタスクに対して稼働量が足りてないから、みたいなケースもあると思うのですが、そもそもやって欲しいミッションに必要な稼働時間のボリュームも人によって全然違うんですよね。

たとえばPdMとかは経営者からすると「四六時中自社のプロダクトのことを考えててほしい!」みたいなことを思われがちなんですけど、たとえば経験豊富なPdMとかだと週1,2くらいの稼働でプロダクトの本質的な課題を見つけて施策に落とし込み、エンジニアとデザイナーに依頼する、みたいなことも全然できちゃうわけです。

このあたりは労働約約的か知的生産的か、みたいなのでも当然変わってくると思うのですが、少なくても後者寄りの人材であれば「稼働が半分でも出せるパフォーマンスはあまり変わらない」みたいなことも多くありますし、最近では生成AIの活用でさらに生産性が上がってきてるので、この流れは加速していくのでは?と考えています。

あとはこれだけ変化の激しい時代なので会社の事業成長や利益がずっと持続する保証はどこにもないので、いざというときコストやリスク管理の観点でも正社員中心の組織だと難しいケースもありますよね。

優秀人材の採用機会が減る?

優秀な人材ほど欲しがる企業は多くなりひくて数多になりますし、個人の心情としても優秀な人ほど独立して自分の力を試したい、市場価値を高めたいみたいな人が多くなってくるので、シンプルに正社員採用にこだわってると会社として優秀人材の採用機会を失う可能性もあります。

特にコロナ以降はリモートワークも増えて副業や複業する人も増えているようですし、そういった人材を採用するサービスやプラットフォームもたくさん出てきますよね。

さきほども触れた通り生成AIの浸透もあってこの流れはおそらくですが今後不可逆的に進んでいくと思うので、優秀な人材がどんどん副業、複業市場に長流れていくと思います。ここの採用機会を会社として自ら手放すことはすごい勿体ないですよね..

まとめ

ということで、正社員雇用という概念について個人、会社(経営者)の観点で考えていることを書いてみました。

誤解のなきように補足しておきますが個人的に正社員雇用自体をすごい否定したいわけではありません。仕組みとしてすごいよくできたものですし、組織戦略として普通にワークしてるケースもめちゃくちゃあると思います。

実際に自分も色々な正社員の方と普段一緒に仕事していて、すごく優秀な方も多くて会社への貢献度も高いので。

なので前提として正社員雇用の魅力やメリットも肯定した上で、「そこにこだわりすぎると個人も会社も取りこぼしてしまう部分もあるよね?そこもメタ的に意識しておきたいよね」という意図で書いてみました!

年末年始に2025年のキャリアや個人としての挑戦などを考える方もいるかもしれないので、少しでも参考になれば嬉しいです!

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