あの大会について
ここひと月ほど、デッドオアアライブ6(以下”DOA6”)界隈が色めいております。
発売してから1年で継続的なアップデートが”休止”し、いつ再開されるかなどなにも発表がないままさらに1年が経ちました。DOA6公式ツイッターアカウントは、もはやキャラクター誕生日を祝うだけのbotと化しています。
そうです、DOA6は2周年です。
そんなクソ斜陽格ゲーDOA6ですが、最近ゲームブログで著名なゴジラインさんが楽しい楽しいと遊んでくれていてプチ話題になっております。
そんなゴジラインさんが、本人も参加する初中級者、浅瀬プレイヤーに向けた大会を開きますと発表されました。
ゲームにハマってブログまで書いてくれた上に大会まで開いてくれるなんて神か?
そうして集ったプレイヤーはなんと40名!
DOAのオンライン大会で40名集まるなんて年に一度レベルです。それをDOA6はじめてひと月のグループが開催する・・・恐るべし。
いざ大会がスタートすると、やはり普段のDOA大会ではあまり見ないようなメンツがたくさんいらっしゃいました。最近始めてくれたんだなぁとホッコリ。
ただちらほら、
(。´・ω・)ん?
と感じるプレイヤーが。
「これはぁ、上級者ではぁ?」
僕の結論は別のところにあるので出来れば最後まで読んで欲しい
何人か、過去作からやっている猛者とも呼べるプレイヤーが。
僕自身DOA界隈に来たのはDOA5の末期なのでそんなに知り合いは多くなく、そういう人が正確にどれくらい居たかはわかりません。ただそれでもちらほら知っている名前がありました。
そんななか(いろいろすっとばして)優勝したのはリグを使用していたプレイヤー。圧倒的な強さでした。
優勝おめでとうございます、8888(拍手)からの・・・
!!!!!!ガーディアン行き!!!!!!
ガーディアン
そうです、この大会にはガーディアンが居ます。
この初中級者限定大会に、
「さーーーすがに上級者」
みたいな人が参加した時には、運営の判断によりそのプレイヤーはガーディアン部屋へと送られボコボコに制裁が加えられるとのこと。
大会の数日前に発表されたガーディアンがあまりにもガチなことから僕は震えあがりました。(参加するつもりはありませんでしたが)
公式大会をチェックしているDOAプレイヤーなら知らない人は居ない、ハヤブサ使いのkeisuke氏と、かすみ使いのライナーバック氏。
DOAにおけるウメヌキみたいな人たち。
優勝したリグ使いはあえなくガーディアン部屋へ。
keisuke氏「この人、知ってます。」
観戦者僕(なななんやてぇ・・・よっしゃわからせたってくれぇぇぇ)
keisuke氏「勝てるかどうか・・・」
僕(おいおいウソだろ・・・)
この時ぼくは最高に ドキドキハラハラ手に汗握っていました。
なぜなら僕はkeisuke氏とランクマッチで対戦した時、
ジャブ1発しか当てることができず"KANPAI"していたからです。
(えぇ、めちゃくちゃええ勝負するやん、これはさすがに猛者やん。)
しかしギリギリのところでkeisuke氏の勝利!
続くライナーバック氏も勝利しました。
私が胸をなでおろしたところで主催の方が一言
「やっぱ初心者だったわ」
僕はスマホの前で拍手を送っていました。
その後何が起こったのか
さてここからこの大会の正統性について話をすすめます。
この大会の開催前、開催後、「上級者にも関わらず参加した」と言及するようなツイートがいくつも散見されました。
上級者とは
前述した通りこの大会は、ランク制限がされておらず中級者までが参加できる大会なので、争点は”上級者とはなにか”となります。
たくさんのツイートを見るとUランク帯まで行けば上級者という声が多いようです。
しかし今回の大会にはSランク帯からUランク帯のプレイヤーも何人か参加していました。
DOA6のランクシステムはF-(えふまいなす)からスタートします。
ランクマッチで対戦して勝利ポイントを得て、F- →F→ F+ と上がります。
さらに上がればE-となります。
そのE-からE+までをE”帯”というように表現されることが多いです。
そしてアルファベットをFからE→D→C→BとさかのぼってAまで来ると次はU帯。
Uから上は☆となり、☆はランクが上がるごとに星が増え、最高は☆5ランクです。
和牛みたいですね。
ガーディアンのお二人はきらっきらの☆☆☆☆☆です。
では一番声の大きそうな「Uランク帯は上級者」が常識なのでしょうか。
しかし、「いや☆1ランクから上級者だ」「は?☆1ランクなんてギリ中級者止まりだろ」みたいな声もちらほら。
逆に「Aランクは上級者」なんて声も見たことあります。
そして参加した人は「自分なんて中級者、もっと強い人なんてごまんといる。」と口にします。
「俺が上級者ならあの人たちはなんなんだ」と。
これねー、むつかしいんですよ。
ストV界隈でもこのすれ違いはよく起こります。
更に言うと主催者からも、「ランク制限は設けませんが、常識から言ってSからは上級者です」などというアナウンスはされておりません。
そう、何を以って中級者とするかは人それぞれで違い、中級者との自認がある以上は参加資格があります。
いくら「常識的にUからが上級者」と言っても、「ランクなんて関係ない、自分は中級者。」と言われればそちらが正です。
主催の真意は
ここからは僕の考察です。
ゴジラインさんの大会前の動きに目を向けてみましょう。
事前の参加要項に「ノリのわかる方」というのがあります。
ゴジラインさんの記事や配信を観ていると、本当に楽しそうに格ゲーをプレイしていらっしゃいます。DOA6の配信でもそうでした。
ただただワイワイしたい。そんな様子がひしひしと伝わってきます。
そんな人たちが開催する大会でした。
「初中級者大会なのにランク制限がされていない」
僕もはじめこれは「大丈夫か、燃えないか」とそわそわしました。
案の定 参加者名簿にはU帯がちらほら。「あわわわわ」です。
そこで発表されたのが前述のガーディアンでした。
”ノリ重視” ”ランク無制限” ”ガーディアン” ・・・
僕はピーーーーンときましたね。
「これはただの大会ではない、壮大なエンターテイメントだ」と。(BGM)
注)考察です。
DOA6を始めたばかりのゴジラインさんにはたくさんのプレイヤーが上級者に映るはず・・・。なん人ものプレイヤーがガーディアン部屋に送られ、大会ガーディアンの手によって死体の山が出来上がる・・・と。
なんやそのおもろそうなやつぅ・・・
実際にはそこまでのことにはならず優勝者のみの送検となりましたが、
「これ、もしガーディアンまで負けたらさすがに寒いぞ・・・」と見ていた自分はめちゃくちゃハラハラして、とても楽しく観戦することができました。
とここまで書きましたが、当たり前ですが実際のところどんな意図があったかはわかりません。
ここで何が言いたいかというと、主催であるゴジラインさんは、初中級者大会には本来居てはいけない「ヒール役の猛者」を求めていたかもしれないということです。
少なくとも言えることは、こう予測できる余地があったということですね。
優勝したリグの人まで含めて、善意のヒール役だったかもしれない。
「そうならそうと書くべきだ」と思うかもしれません。
しかし、これから始まるエンターテイメントを「こんなエンターテイメントです」と説明することほど寒いものはありません。芸人がこれからやるネタのオチをはじめに話すようなもんです。
さらに重要なのは、実際にどうだったかどうかではなく、そういう理由付けができるという点です。
ここまでのことをまとめると、ルールベースで話をしても、常識や認識ベースで話をしても、参加者を咎めるすべがないことがわかります。
プレイヤーによる自治
中には「周りのDOA勢が止めるべきだった」や「ゲストであるガーディアンが知り合いなら事前に止めるべきだった」などと、プレイヤーサイドであるDOA勢の自治問題だとの声もありました。
知り合いや友人が一般的なマナー違反を行ってるのを見たら止めろよというのもガチ正論です。
しかしそれを理解したうえで演出で参加しているパターンが浮上し、さらにルールに即しているので、参加者はロジックにおいて圧倒的な強者です。
よって周りの人間にとがめる術はありません。
”常識”のカードじゃあ”ルール順守”のカードには勝てねぇ・・・
ブルーアイズはヤタガラスにかなわんのです。
オーキド博士が入っているデッキと入っていないデッキ、どちらが強いですか?
禁煙のレストランで煙草を吸っている人が居たとしても、客にそいつを追い出す権利はありません。ましてや喫煙可能ならなおさらです。喫煙のできる居酒屋で「子供が居るのよ!」と言うようなもんです。
ゴジラインさんほど格ゲー歴が長い人であれば、初中級者大会でランクに制限を掛けないことで起きる問題を承知の上で開催しているともとれるし、何か意図があるかもと考えることは十分に可能です。
そして参加者の何人かは「本当に参加してよいか」としっかり確認してから参加しています。
以上のことから、参加者を、ほかの参加者や観戦者が常識に基づいて止めることは不可能であることがわかります。
優勝者に起こったこと
しかし大会後から優勝者に非難が集中しました。
「過去作から有名プレイヤーとバチバチやってた人が中級者なわけがない。」
その優勝者がなぜか”サブ垢”で参加していたこともバッシングを加速させました。
サブ垢:サブアカウントの略。
メインで使用しているアカウントがありながら、何らかの理由で作成されるアカウント。
メインアカウントの自分と別人を装いえることから、
モラルを無視した行動を行う際にも使用できるため嫌う人も多い。
プレイステーションでのオンライン有料会員になるとアカウントに「+」マークが付き、
これをメインアカウントとして使用する人が多い。
よって有料会員として登録されていないアカウントかどうかはすぐにわかるが、
同じゲーム機器を家族で共用する際にセーブデータや個人を分ける為にも
サブアカウントが使われるため、その人がサブで使用しているアカウントとは限らない。
やましい想いがあったからサブ垢つこたんやろがぃと。
うん、確かにすげぇわかる。
知り合いだったガーディアンのkeisuke氏も後で直接苦言を送ったそうです。また、大会が始まるまで知り合いの参加に気づかなかったけれど、気づいた時点で止められたかもしれないとツイッター上で謝罪をしました。(ガーディアンはゲストなので本来止める権限はない。)
僕はその優勝した人のことは全く知らなかったのですが、後日この人だろうというツイッターアカウントがつぶやいていたものが回ってきました。
まとめると
「自分の実力は確かに中級者。それに最新作はあまりプレイしてない。」
「サブ垢を使ったが、アカウント名で自分であることが判明したように普段からこのアカウントでDOAをプレイしている。」
とのこと。
うーーーん、ロジックとして間違ってはいません。
先ほどから申し上げている善意のヒール説ですが、この優勝者は大会中もガーディアンを煽ったりして、常に立ち回りがヒールでした。
おまえまさかほんとうは・・・
Maxで自治が働いた結果、この人は「二度とDOAなんてしない」とアカウントにカギを掛け閉じこもりました。
叩かれるべきだったのか
その後、ゴジラインさんやガーディアン2名の「お騒がせしました」との旨の謝罪ツイートがあったり、まったく別のプレイヤーが同じキャラを使っていたという理由で優勝したプレイヤーと疑われたりと波紋を広げ、いったんは落ち着いたような感じです。
果たしてこの優勝者、ひいては参加した他のプレイヤーは叩かれるべきだったのでしょうか。
「初中級者大会で猛者ばかりが活躍して、それを見た始めたばかりの初心者はどう思うのか」
「一部の化け物みたいなプレイヤーと比べて弱いからと言って、簡単に自分を中級者扱いして良いのか」
たしかにもっともなご意見です。
ただ、ここで問題なのはそこではありません。
参加者はルールに従っており、悪意まみれの人が居たことを否定できませんが善意に基づいているかもしれないのです。
ルールに則っている以上、参加者を叩くことは、イコール主催を叩くということと同義です。
現に優勝したプレイヤーは、「ルールを守って参加したのに大変な目に合った」と、ルールを策定した主催を恨むようなツイートを残しています。
これはどうかとはおもうけど。
そしてそのツイートは叩かれなければつぶやかれなかったもののはずです。
そりゃイベントを企画した以上ちゃんとやれと言うことはできます。実際にそういう書き込みも見ました。
主催者側は、ランク制限を付けて納得感を上げる術はありました。よりベターな方法を選択する責任があったかもしれません。
ただそうはしなかった。ランクで強さは測りきれないという考えに殉じました。
目指す場所はそこではなかったのです。
ゴジラインさんは参加者から会費を募って開催したわけでも、ゲームの公式から主催を請け負ったわけでもありません。そんな情報はありません。
むしろ市場価値20万円?の賞品を提供してくれていて太っ腹です。楽しいイベントを企画してくれて、楽しんだ人もたくさんいたのです。
そんなに大きな責任があったとは思えません。
ただただDOA6を好きになってくれて大会まで開催してくれた人たちを叩いて、何かいいことがあるのでしょうか。
非難に対して参加者はルール通りと正統に反論することができ、参加者を叩くことは主催者を叩くことになる。だれも笑顔にならないのです。
それどころか、
はたから見てる人の目に「ルールを守ったプレイヤーを追い出した」と映りかねん。
できることはなにか
叩くことで誰も笑顔にならないことがわかったところで、これから僕たちは分断を生まないためにはどうすればいいのか。
僕の考える答えは、
1.それぞれが正しいと思うルールで大会を開いてみる
2.自分に合っていないと思う大会には関わらない(参加、観戦をしない)
ということ。
要は棲み分け。格ゲーもダイバーシティですね。
自分のポリシーと違う大会は参加せず観戦せず、どんどんイベントを企画する。
それぞれがこうした方がいいという大会像で開催するべきです。
理想の大会やってみよう。
まとめ
主催、参加者は事前のルール通りだった
たくさんの人が楽しめた大会だった
だが多くの人の常識から離れた部分があった
今回の件は大会観戦が楽しかった分、その後はちょっと悲しかったです。
自分もオンオフともに大会を主催したことがあり、たくさんの参加者に恵まれましたが、企画を考えるうえで参加者の納得感とエンターテイメント性のバランスは常に葛藤がありました。
ただ主催者として参加者が非難されるのは、自分が批判されるよりもずっと辛いことです。
せっかくDOAをプレイしてくれた人はみんな笑顔になればいい。
そう思って記事にしました。
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