森友学園問題の書籍

こんにちは。イノシシと申します。3回目の記事です。

読んだ書籍について、独断と偏見に満ちたイノシシスコープで感想を書かせていただいています。

森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん事件に関わり、残念ながら自ら命を絶った近畿財務局職員・赤木俊夫さんというかたがいらっしゃいました。

その妻、赤木雅子さんの書籍

『私は真実が知りたい 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』文藝春秋発行

森友事件の発覚当初から追い続けてきたジャーナリストの相澤冬樹さんとの同時進行で構成されています。相澤さんも、この事件を掘り下げたがためにNHKに居られなくなって退職なさっているんですね。

最愛の夫を亡くされた赤木雅子さん。

自己の存在確認の場であったろう職場をなくされた相澤冬樹さん。

どちらも相当な葛藤の中で過ごされていたことでしょう。お互いに面識はなく、別々に事件と向かい合われていた二人。

大きな組織に支えられることもない当初、それぞれに壁にぶち当たっています。

一方、森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん事件に関わりその事実の隠ぺいに尽力した方々は、一度、処分されたかのように見せかけつつ、一様に昇進なさっているそうです。

組織の下僕となることは、実に、協力な庇護を得られるということなんですね。その心のうちはいかなるものかと思いますが。ご家族も含めてね。金銭的な苦労がないことと、人間として豊かに生きることは正比例することもああります。夫や父親の所業に目をつぶって、金銭的な安定だけを見る人生は楽しいものなのでしょうか。

後ろ盾がないところで、のほほんと暮らしている私などから見たら、あまりに遠い世界のことのように見えます。

対して、赤木雅子さんは、ほんとに夫の俊夫さんと仲良しで大切になさっていたことが、この本から、ひしひしと伝わります。親族みんなで暖かな交流を持っていたことも。その大事な大事な人をなくして、しかも、味方のふりをした夫の職場の同僚や上司に欺かれていく。寄る辺ない立場で頼った弁護士も夫の職場の味方。

ものすごい、恐怖、絶望。

赤木雅子さんから、接触をはかられた相澤さんがその当初の様子を記述しています。お互い面識はなく、間に信頼できる紹介者があるわけでもない。距離感をお互いにはかりかねる関係。相澤さんも、自分がNHKという職場を追われることになった事件の真相を明かしたくて仕方ない。

しかし、赤木雅子さんのマスコミへの警戒と混乱の様子もただならぬ様相で。

相澤さんは追求したい。でも、追及したら、貴重な情報を持っている赤木雅子さんが警戒のあまり敵対してしまうかもしれない。押したいけれど、押せぬ。退かねばならない。待たねばならない。

もう、ハラハラ、息を詰めるような展開です。

とにかく、

日本人て、

まじめで勤勉だけれど

世の中には、ずるくて、自己保身のことしか考えられない化け物が山と居るんだ。

とにかく、

生きてほしかったですよ。赤木俊夫さんのような人にこそ。

もう、こんな風に犠牲になる人を作らぬために

この本が出版されて良かった。たくさんの誠実な方たちにこそ読んでほしい。

嫌なことは嫌だと言ってもいいよ。

逃げてもいいよ。

組織と闘えなかった自分でもいいよ。

いいから、とにかく、生きてください。

生きられなかった赤木俊夫さんのために生きてください。

赤木雅子さんは、まだ、裁判で闘い続けています。闘うことなど望んだこともなかったであろう方が闘う姿で、日本が変えられるという希望を見たいです。





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