
対コロナ最強の武器ゲット(でも、ちゃんと消毒しようね)
人類がとんでもない危機に直面している2020年。少しずつ終息の気配は見せているものの、まだまだ油断ならない状況が続いていますね。
江戸っ子のみんなはお祭りが軒並み中止になり(三社祭が秋に開催できるかどうか、いろんな意味で注目される)、フラストレーションもたまりまくり。
そんななか、わたしのふるさと南千住の素盞雄(スサノオ)神社では、ありがたーい疫病除けの神事が行われました。
明治以来の超レア神事「天降諏訪面」
これ、住んでるわたしたちも知らなった超レア神事で、なんと前回行われたのは明治時代だそう。神社のHPによると、
天降諏訪面:除疫の神宝、千住天王飛鳥権現時代の御霊代と考えられ、天文十年大雨の折に諏訪の地より得た木彫の面で、悪疫流行のときには氏子町内の除疫を祈願する『諏訪面巡行』が行われていました。また、天降とは雨降りの意味を持ち農耕の神を表していました。
とのこと。
……除疫の神宝!!!
まさに今この状況にふさわしいいものではないですか(キラッ)!
どうやら神社に古くから伝われる木彫りの面が町内を巡行し、除疫を祈願するというもののようです。今回は町内巡行ではなく、松明がたかれる境内を回って祈祷したとのこと。何しろ「前回はこうだったから~」と言える人が誰もいないわけなので、文献資料をもとにしたんですかね。
見学者が集まり密になってはいけないということで公表を控え、関係者にしか情報が伝わらなかったようなのですが(だから見られなかった泣)、話を聞くと相当神々しい雰囲気だったようです。神輿の渡御はなかったけど、この未曾有の危機を乗り越えるべく神職さんが動いてくださったことは間違いないわけで、改めて崇敬の想いを強くしました……
「蘇民将来子孫之門」の謎
ところで、伊勢神宮にお参りした際、民家の軒先にこういう注連縄がかかっているのを見たことはありますか?
玄関の上にかかっているものなのですが、10年くらい前に見た時、「なんか怖……」と思った覚えがあります。しかしこれ、先ほどの「天降諏訪面」と同様、ありがたい除疫のおまじないなのです。
中央の木札に書いてあるのは「蘇民将来子孫家門(そみんしょうらいしそんのもん)/意味:この家は蘇民将来の子孫の家ですよ」。
そうです、蘇民将来(そみんしょうらい)は人の名前です。
この謎の呪文を掲げる風習は、ある民話の伝承に基づいています。
©田中ひろみ@女流仏像イラストレーター様
蘇民将来の良い行いによって、子孫であるわたしたちは疫病から守られているということなのですね(勝手に子孫を名乗っているけど)。
この民話は全国に広がっていて、伊勢では注連縄と木札を飾るようですが、兵庫ではこけしのような立体護符が伝わっています。ちなみに、6月になると神社に設けられる「茅の輪くぐり」の由来もこちら。茅の輪は、蘇民将来の子孫だから疫病から守ってね、という印なのです。
わが素盞雄神社も蘇民将来伝説とは関わりが深く、境内には「蘇民将来子孫也」と書いた幟旗が立ち、ご本社神輿の棒先金物にも「蘇民将来子孫也」と刻まれています。
そして今回、腰にも玄関にもつけられるコンパクトタイプの茅の輪守りをゲット。これでコロナも怖くない。
本当ならこんな時こそ、荒ぶる除疫の神様の神輿をぶんぶん降って平穏無事を祈りたいところです。終息のあかつきには、蘇民将来に感謝しつつ、今年の分まで盛大にお祭りしてやりますわ。