東京ディズニーシーにおけるアトラクションの休止・復活が他のアトラクションの待ち時間に与える影響〜レイジングスピリッツ編〜
1.概要
2021年10月19日〜12月18日の期間、レイジングスピリッツが定期メンテナンスのため休止していた。レイジングスピリッツほどの人気アトラクションとあらば、休止・復活が園内の人の流れに影響を及ぼすだろう。そこで今回は、レイジングスピリッツ復活直前の7日間と、復活直後の7日間の平均待ち時間を調査し、レイジングスピリッツ復活の影響を分析する。
2.全体の傾向
これは、レイジングスピリッツを除いた主力5アトラクション(ソアリン、トイストーリーマニア、タワーオブテラー、センターオブジアース、インディジョーンズ)のレイジングスピリッツ復活前・復活後の平均待ち時間である。17時以降は復活前、14時以前は復活後の方が待ち時間が長くなっている。一方で1日を通した平均待ち時間は復活前後で0.2分と僅かな差であった。そのため日付によらず客の絶対数は一定であり、園内での人流のみが変化していることを担保できる。
3.各アトラクションごとの傾向
3-1.ソアリン
平均待ち時間 復活前:36.82分 復活後:35.84分
復活前は13:30から14:00にかけて待ち時間が10分ほどぐっと伸びる傾向。復活後は横ばい。レイジングのスタンバイパスを11:00から18:30前後まで発行していることに関係するか。
3-2.トイストーリーマニア
平均待ち時間 復活前:28.25分 復活後:28.05分
復活前は夜に待ち時間が伸びていた。復活後は待ち時間の変動が少なくなり、日中は復活前よりも混んでおり、夜は空いていた。
3-3.タワーオブテラー
平均待ち時間 復活前:26.85分 復活後:29.07分
14:00以降を中心に復活前よりも混んでおり、1日の平均でも復活後の方が混んでいるという結果に。同じ絶叫系でかつエリアも離れているのに、驚きの結果である。
3-4.センターオブジアース
平均待ち時間 復活前:35.31分 復活後:32.39分
14:00以降を中心に復活後のほうが空いている。絶叫系同士で需要を食い合った格好か。
3-5.インディジョーンズ
平均待ち時間 復活前:29.46分 復活後:32.49分
夜の時間を中心に復活後の方が混雑。絶叫系同士であるが、こちらはすぐ隣に位置しているため、補完し合う関係となっている。ロストリバーデルタ一帯に人が戻ったのだろう。
4.まとめ
調査前は「絶叫系同士で需要を食い合うため、タワテラ・センター・インディは待ち時間が減る」との仮説を立てていた。センターはその通りになり、インディもロストリバーデルタ一帯が混雑したと考えれば待ち時間が伸びたことは納得である。タワーオブテラーだけは要因の特定が難しい結果となった。ソアリン、トイマニの結果からはスタンバイパス発行枚数調整の影も見え隠れした。
東京ディズニーシーでは1月から2月にかけてセンターオブジアース、2月から3月にかけてインディジョーンズのメンテナンスが予定されている。今回の記事を踏まえ、そちらの動向にも着目したい。