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東京ディズニーシーにおける時刻ごとアトラクション待ち時間の推移傾向


1.概要

本記事では、11月1日から12月15日の東京ディズニーシー内のアトラクションの待ち時間データを扱う。主に、上記の45日間について時刻ごとに平均を算出したものについてあれこれコメントをする。11月1日から12月15日を対象とした理由は、①10月25日から入園者数の上限が引き上げられ、待ち時間の変動が大きくなったため、②11月1日から9:00開園となったため(10月31日までは10時開園)、③45日間でキリがいいため、である。対象アトラクションは、ソアリン、トイストーリーマニア、タワーオブテラー、センターオブジアース、インディジョーンズ、レイジングスピリッツ、マジックランプシアター、タートルトークの人気アトラクション8つである。なお調査期間中、レイジングスピリッツは運休していた。待ち時間データは9:00から20:45までの15分刻みとなっている。記事内では、時刻は24時間表記とする。また、スタンバイパス発行の有無が待ち時間に大きな影響を与えるため、各アトラクションの見出しの横にスタンバイパス発行状況を記載してある。

2.各アトラクションの待ち時間傾向


2-1.ソアリン(スタンバイパス発行:45日間)

図1

ソアリンの待ち時間はほぼすべての時間を通して横ばいであり、30~35分の間に収まっている。朝から25分以上の待ち時間があるのが大きな特徴である。というのもソアリンは全ての時間でスタンバイパス所持者のみの案内となっていることが要因だと考えられる。スタンバイパスはほぼすべての時間帯で一定の発行枚数となっているのだろう。同じくスタンバイパス所持者のみの案内となっているTDL美女と野獣も同様の傾向が見られる。唯一、20時以降は25分を切る待ち時間も観測されており、閉園間際のスタンバイパス発行数は少なくなっていることが予想される。20:45でも20分以上の待ち時間があり、ソアリンはプレショーを含めれば比較的体験時間の長いアトラクションであるため、ディズニーシーにできるだけ遅くまで残っていたい人にとっては、閉園間際のソアリンのスタンバイパスを取るのがおすすめである。そのような願望がない人にとっては、どの時間帯でも似通った待ち時間であるため、妙な駆け引きをせずスタンバイパスを取得するのが得策と言えよう。

2-2.トイストーリーマニア(スタンバイパス発行:45日間)

図2


トイマニの待ち時間は、開園からの1時間で非常に長くなる。ピークとなる9:30では60分に迫る待ち時間である。この背景には、スタンバイパスの利用時間がある。トイマニには9時台はフリーで並ぶことができるが、10時以降はスタンバイパス所持者のみの案内となる。実は12月上旬からは全ての時間でスタンバイパスが必要になっていて、待ち時間の推移にも違いが見られるので、それはまた別の記事で書こうと思う。いずれにせよ、「スタンバイパスを発行しているが朝と夜は並んで乗れる」アトラクションは、朝のスタンバイ時間が長くなる傾向にある(夜はそうでもない)ので、スタンバイパスを取得できる見込みがある場合は安易に並ばないことがポイントである。その後は一旦30分以下まで落ち込む。朝の混雑を見て皆怖気付くのであろう。12時以降は30分台で横ばいとなる。このあたりは同じスタンバイパスがメインとなっているソアリンと同傾向である。夜は、他のアトラクションに比べ待ち時間が短くなりにくい。入り口に近いというイメージがある(実際はセンターオブジアースなどの方が近いのだが)ことや、絶叫系に乗れない人が集まるからだろう。

2-3.タワーオブテラー(スタンバイパス発行:3日間)

図3


タワテラの待ち時間は、朝に比較的早いペースで伸びてゆく。トイマニよりは鈍く、センターオブジアースと同程度である。そして10~11時台になっても長い待ち時間を維持するのが一つの特徴である。他のアトラクションでは、10時半をすぎると早朝のピークよりは落ち着くが、タワテラでは第二波が来て、ピーク時相当の待ち時間を叩き出す。これに関する、信憑性の高い仮説は、「トイマニ乗り終わった人が流れで隣のタワテラに来ている」である。ディズニーにおいて、地理的に近いアトラクションは待ち時間の推移が似る傾向にある。ランドのトゥモローランドにある人気3アトラクション(モンスターズインク、バズ、スペースマウンテン)などがそうである。トイビルトロリーパークを出るとホテルハイタワーが聳え立っているので、乗りたくなるのも無理はない。12時以降は、30~40分で推移するが、スタンバイパスを発行しているアトラクション(タワテラは12/13以降に発行を開始したので、調査期間内では3日のみ)よりは待ち時間の増減幅が大きい。「さっきより空いているから並ぼう」&「さっきより混んでいるから後にしよう」の繰り返しだと思われる。そしてこちらもトイマニ同様、夜になっても空かない。これは、タワテラが「夜景が綺麗」というブランディングに成功しているのが理由だろう。正直、トランジットスチーマーラインやエレクトリックレールウェイの方がゆっくり夜景を楽しめるし、一瞬の夜景の儚さを求めるならセンターオブジアースでもいい気もするが、それがブランドというものである。ランドでは「花火の時間にビッグサンダーマウンテンに乗ると綺麗」が定説になっており、パレード終わり〜花火の時間に混むのがお決まりとなっている。

2-4.センターオブジアース(スタンバイパス発行:10日間)

図4


センターは開園から10時にかけて待ち時間がぐんぐんと伸び、1日のピークを迎える。その後は35分~40分の間を推移する。落ち着き始めるのは19時で、そこからはほぼ右肩下がりとなる。20:15頃に少し伸びるが、これは「最後に1つ、でかいの行っとこう」という心理によるものであると思われ、クオリティの高いアトラクションに共通の特徴となっている。タワテラと比較すると、午前中と18時以降はタワテラの方が混んでおり、それ以外はセンターの方が混んでいる、という綺麗な傾向が出ている。特に20時前後は、両者の差が10分を超えるほど、センターは空いている。しかし、センターは東京ディズニーシーで最もシステム調整の多いアトラクション(主観)であるため、やってるうちに行っときたい、というのも分かる。同じ絶叫系でも、タワテラは3レーンあるうちの1レーンが故障しても、他の2レーンで営業を継続できる。センターは午前中に一度乗っておき、夜は「おかわり候補」にするのが安全策と言えよう。また、12月17日現在、センターオブジアースは夜にフリーで並べる時間が設けられていないことが多い。最新情報に留意していただきたい。

2-5.インディジョーンズ(スタンバイパス発行:25日間)

図5


インディについて、まずはじめに主張したいことがある。それは「スタンバイパスを取るな」である。そして「夜に並べ」である。これは現在の東京ディズニーシーを効率的に回るために最も重要な教訓と言っていいだろう。正直なところ、さっきのタワテラとセンターのどちらが混んでる、とかは10分ほどの差である。ただしインディの場合は、スタンバイパスを利用して日中に乗るのと、19時以降にフリーで並んで乗るのとでは、最大30分もの差が生まれる。ディズニーシーに滞在できるのは9時から21時の12時間だから、その1/24を節約できる計算になる。言い換えれば、無料で30分、ディズニーシーを追加で楽しめる権利を獲得できるも同然である。利用しない手はないだろう。僕が先日、ディズニーシーに行った時は、昼間のインディジョーンズの待ち時間は30分だったが、橋を越えてポートディスカバリーまで列が伸びていた。もはや最後尾を探すのに一苦労である。それが夜になると、ロストリバーデルタは閑散としており、実質待ち時間は0である。この傾向はコロナ前からあり、夜のロストリバーデルタにはとにかく人がいない。レイジングスピリッツがリハブ中の影響もありそうだが、普段から他のエリアに比べて人が少ないのは確かである。ディズニーランドに比べて、ディズニーシーは移動が面倒なので、入り口から最も遠いインディジョーンズには、夜は誰も並ばないのである。ディズニーシーは火山より手前の方が、食事処やお土産屋さんといった、いわゆるインフラが整っており、夜はそちらのほうが過ごしやすいのも頷ける。だが、それを逆手にとり、夜にインディジョーンズにいくべきだと、強く主張しておきたい。このようにインディは入り口から遠いので、朝に待ち時間が伸びるペースも遅い。タワテラ、センターに比べて、15分から30分遅れて伸び始める。その後はお昼前に一旦落ち着き、15時前にすこし伸びるという傾向が出ているが、微々たる差であるため、やはり夜に並ぶことをお勧めしたい。

2-6.タートルトーク(スタンバイパス発行:10日間)

図6


タートルトークは、結論から言うとずっと混んでいる。強いて言えば11:45~13:00は少しグラフが凹んでいるが、誤差の範囲だろう。かと言って1時間以上待つわけでもないので、タートルトークには30分みておけばいい。プランの立てやすいアトラクションである。タートルトークは、ソアリン、トイマニ、インディに続き、センターと並んでディズニーシーで4番目にスタンバイパスが導入された。タワーオブテラーを差し置いてである。随分と出世したものだ(実際のところは、待ち列が密になりやすいから、という理由だと考察している)。なお、タートルトークとマジックランプシアターは運行開始が開園から1時間後の10時、終了が閉園1時間前の20時となっている。

2-7.マジックランプシアター(スタンバイパス発行:3日間)

図7


マジックランプシアターの待ち時間グラフの特徴は、ギザギザになっていることである。マジックランプシアターは収容人数が多い代わりに、所要時間が非常に長いので、このようになる。キャストさんによれば、消毒作業の関係で所要時間は36分に及ぶそうだ。前説と本編の部屋は分かれているので、半々で滞在するとしたら、1ロットは18分ということになる。もし自分の前で部屋がいっぱいになってしまったら、18分経過しないと案内されない。要するにタイミングが重要なのである。おすすめは、列が動いている時に並ぶことだ。今の混雑状況なら、列が動いている時に並べば、そのまま部屋に入れる可能性が高い。逆に列が動いていない時は、最悪18分そのままなので、並ばない方がいい。アラビアンコーストのベンチに座って、カリーポップコーンでもつまんでおき、列が動き始めたのを見てから並ぶ。そうすれば脚が疲れなくてすむ。全体的に見ると、運行開始後ギザギザしながらもじわじわと待ち時間を伸ばしていき、17時ごろにピークに達する。その後は降下していく。人気アトラクションは、10時台にピークを迎えるものが多いので、その時間にマジックランプシアターを観るのがおすすめである。

3.全体の傾向

図8


最後に、全てのアトラクションのグラフを重ねて見てみる。朝はトイマニの伸びが凄まじく、タワテラ、センターと続く。インディは少し出遅れる。トイマニは9:30、絶叫系は10時台前半にピークを迎える。全体としても、今回調査した人気アトラクションには朝に人が集まる傾向にある。10:30のチケットの人が入ってくるため、11時台に少し盛り返す。お昼時の12時台は少し落ち着き、食後の活動を開始する13時台にまた伸びてくる。それ以降はマジックランプシアターもじわじわ混んできて、17時まではどのアトラクションも似たような待ち時間になる。どれも満遍なく混んでいるので、お土産タイムにすると良いだろう。18時以降は、インディ、マジックランプシアターとその他の差が開いてくるので狙い目である。

4.データを踏まえた効率的な周り方


以上のデータを踏まえて、7アトラクション(レイジングが休みなのでマイナス1してある)の効率的な回り方を提案する。なお、12月17日現在の運営状況に合わせ、スタンバイパスは全てのアトラクションで発行しているものとする。ソアリンとトイマニは全ての時間でスタンバイパスが必要であり、センターオブジアースは朝のみ、その他は朝と夜にフリーで並べるものとする。
①ソアリンのスタンバイパスを取得(9:20)
②センターオブジアースに並んで乗る(9:30頃)
③マジックランプシアターに並んで観る(10:00頃)
④トイストーリーマニアのスタンバイパスを取得(11:20)
⑤タートルトークに並んで乗る(11:30頃)
⑥タワーオブテラーのスタンバイパスを取得(13:20)
⑦インディジョーンズに並んで乗る(夜)
スタンバイパスは「ソアリン→トイマニ→何か」の流れがテンプレートである。ソアリンとトイマニに両方乗るには、トイマニのスタンバイパスが11:30頃発行終了することが多いため、その2時間前の9:30には入園した上でソアリンのスタンバイパスを取得する必要がある。無理だった場合は、涙を呑んでどちらかを諦めるしかない。何か、のところはタワテラかセンターをおすすめしたい。インディは夜に回せば良いし、タートルトークは昼前まで並べる。その上で、スタンバイパスの利用時間になると思われる夕方の時間帯にはセンターオブジアースの方が待ち時間が長いため、今回はタワテラとした。また、朝にセンターに行けば、シーの真ん中なので次の行動に移りやすいというメリットもある。レイジングスピリッツが運行を再開した場合、4枚目のスタンバイパスとして取得するか、夜にインディとはしごするのが現実的だろう。

5.総括

待ち時間の値はスタンバイパスの影響を大きく受けている。今回の調査期間内でスタンバイパスの対象アトラクションや時間帯が流動的であった。今現在の運用では、トイマニは全時間帯でスタンバイパスが必要なので、朝に待ち時間が大きく伸びるということもなくなっている。現在の運用体制で安定するかどうかは定かではないが、これからもデータを取り続け、現地で活かせる分析をしていきたい。

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