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WRCラリージャパンでマーシャルを経験した話
封鎖した公道を爆走するラリーというモータースポーツの中で最高峰なのが世界ラリー選手権(WRC)。2004年に初めてWRCが日本にやってきた時に何かで関われないかな、と思っていたら競技マーシャルの端くれになれたお話。
WRCとなると国内ラリーと比べて規模がはるかに大きくなるので、運営に必要な人員をたくさん集めることになる。競技マーシャルも色々なクラブチームから百戦錬磨の人に来てもらうが、それでも足らない分を一般公募かけるので、私のような素人に毛が生えたような人材でもマーシャルになれるチャンスがあるという訳。ただ、地区戦や全日本でいつもマーシャルをされているクラブチームの方々からすれば、どこぞの素人が加わるなんて本当は嫌だと思う。だから私は皆さんの足を引っ張らないよう、少しでもいい働きができるよう、相応の心構えと準備をしてお手伝いさせていただく。
これまで参加したマーシャル、補助員の経歴はこんな感じ。
2004年 ラリージャパン(北海道)
担当:タイムコントロール(TC)
記念すべきWRC日本初開催のラリージャパン。事前に全国各地で開催された講習会のひとつに参加し、審判員ライセンスを取得して競技マーシャルとして採用された。北海道のラリージャパンは、一般のやる気のある人を採用して育てようという雰囲気があったように思う。この年はSSのスタート手前に設けられるTC(タイムコントロール)でタイムカードの受け取りやチェックする業務を担当。右も左も分からない素人の私に経験者の皆さんは優しく教えてくれて楽しく仕事を覚えられた。
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2005年 ラリージャパン(北海道)
担当:通訳
2年目は英語のコミュニケーション力を買われてSS毎に配置される外国人のWRCアドバイザーに付く通訳として抜擢された。英語は好きながら、仕事としての通訳など経験が無かったので緊張したが、3日間を通して何とか役割は果たせたと思う。
途中、SS内でクラッシュした外国人クルーがマーシャルと揉めているという連絡を受けて現場に急行した時はちゃんと通訳できるか、かなり緊張したけれど、何とか乗り切ることができてホッとした。
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2019年 セントラルラリー(中部)
担当:コースロック(補助員)
愛知、岐阜圏でWRC復活を賭けたプレイベントとして開催されたセントラルラリー。ここで担当したのは競技中に関係者以外の車両がSSへ入ってこないようにするコースロック。競技ライセンスが無くてもできる補助員ということもあって物足りなさありつつも、SS入口は結構一般車両がやってくるので都度丁寧に説明してお帰り願う。ラリーへの理解と対人対応力が問われる仕事。特に封鎖時間が近くなってきた時は、一般車両や地元住民の車両を通すか否かの判断が難しくて大変だけどやりがいがあった。
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2020年 ラリージャパン(中止)
中部地方で復活するはずだったWRCがコロナ禍のため残念ながら中止。
2021年 セントラルラリー(中部)
担当:コースロック(補助員)
この年も補助員。まぁ、WRCに関われるだけ幸せだな、と思い直し、山の中ただたたヒマな時間に浸っていた。朝から晩まで人っ子一人通らない枝道ではあったが、こうしてきっちり封鎖していないと万が一が起こりうるので大事なお仕事。
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2022年 ラリージャパン(中部)
担当:ラジオポイント(RP)
北海道以来、久々に審判員ライセンスが活きる競技マーシャルとして採用。
RPはコース上でどの車両がどこまで来ているかを把握するために通過する車両を無線で伝える仕事。単調な作業と思いきや、無線の調子が悪くなってチャンネルを変えたりと、状況に合わせた対応が求められて大変だったけど面白く、マーシャルとしての経験になった。
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2023年 ラリージャパン(中部)
担当:コースロック(補助員)
またしても補助員。ヒマと冷たい雨との闘いではあったけれど、封鎖手前の地元民家から見物に出てこられる人との会話が楽しかった。
審判員ライセンスを持っているのに補助員にしか採用されないのはそろそろしんどくなってきたかも… 。
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そして2024年
今年のラリージャパンはボランティア補助員とは別に競技マーシャルが一般公募となった。ただ、公募する競技マーシャルの数は限られており、ラリージャパンやJAF公認ラリーでのマーシャル経験やクラブ員かどうかが選考要素になるという話だったが、ダメ元で応募してみたらなんと採用の通知が。少ない実績と審判員ライセンス、英会話力で何とか引っかかったかな。昇格です。
どんな役務が任されるかまだ分からないけれど、どんな仕事でも力になれるようがんばり、楽しみたいと思う。