vol.9 TVナレーターってなに
TVナレーションってなに?
スクールバーズは「TV」ナレーターを養成するナレータースクールです。
その教室で、
「面白いんだけど、”ナレーションじゃない”んだよなあ」
「丁寧な読みだけど、”いまのテレビ”の読み方とはちがうな」
という方がいます。
これは初心者だけじゃなく、声優やVP、MC司会を経験している方にも多かったりします。
「もっとTVナレーションっぽくして」と伝えても、違いを本人がピンときてないこともしばしば。なので何度読み返しても読みがほとんど変わらない…なんてことがあります(^_^;)
映像とのコラボ
TVナレーションとは、いまオンエアーされているナレーションなのですが、それは実に多様な表現が展開されています。どれがTVナレーションの本質なのかを一言では説明しきれません。
大きな特徴の一つとしては
「TVナレーションは映像とのコラボレーションである」ということです。
そこが他のジャンルの表現との違いなのです。
だから原稿の内容も説明だけに留まらず「というと~」「この後なにかが!」などの場面切り替えや、あおりを入れた雰囲気作りなどの文章が多用されています。
映像がないとTVナレーションの原稿だけでは成り立たないことが多いんですね。映像との二人三脚の感覚は、すぐにはつかみにくいのかもしれませんね。TVナレーションを学ぼうとする人はテキストを読み込んでいくだけでなく、そこにある映像を想像しながら読んでいくと何かがつかめるかもしれません。
わかるとは【わける】こと
他の表現ジャンル「朗読」「イベントコンパニオン」「リポーター」「司会・MC」「ラジオパーソナリティ」「アナウンサー」「俳優・声優」との『求められていること』の違いが分かれば、よりTVナレーションに近づけるかもしれません。
『わかるとは【わける】こと』なんですね。
【ライブ系の読みってなに?】
例えば
・イベントナレーター(ナレーターコンパニオン)
・司会/MC
【ライブ系】の読みの特徴は「事前に台本をもらって覚える」ことです。かなりの長文の暗記ができることが必須なので、特殊技能と言っていい能力が必要です。それぞれの環境独自の、”節まわし”がついているかたも見受けられます。
ステージで顔出しながらですので「外見」も大切な要素になっています。ライブ空間の喋りになるので「広い会場でもよく通る」ことを主眼においた発声です。アドリブなど場の空気を操る対応力も重要視されます。
対して、【TVナレーター】の仕事スタイルの特徴は
対して、【TVナレーター】の仕事スタイルの特徴は【映像作品とコラボレーションする】。
例えば「この部分は何秒から何秒までに喋りきる」という風に、喋る尺が決まった中でのプレイになります。映像もできあがっており「感じたことを自分の言葉で喋る」のではなく、他人の言葉に自分の表現をのせていく作業になります。
また近年のテレビには、字幕スーパーで、同時にたくさんの情報を入れ込むことができるようになりました。そこでナレーターには「インフォメーション」だけではなく、さらに雰囲気などを伝えることも求められるようになっています。
【台本は本番直前にMAスタジオでもらう】ひとつの作品を数日かけて「練り上げる」よりは、初めて見る映像と台本に「即応する能力=反射神経」が求められます。スタジオでいきなり「○○みたいな喋り方できますか?」と頼まれることも(^_^;)
【マイクワーク】ナレーションを収録するスタジオブースではマイクを通して「声を録ること」に特化しています。マイクを使っての地声・ささやき・叫びなどの音声表現も活用できます。発声方法はマイクを意識した幅広いものになります。
【対象は視聴者】「視聴者」はお茶の間にいます。家事や団らんの中での「ながら見」を想定し映像もナレーションも視聴者をつかむ工夫をしています。「振り向かせる工夫」「飽きさせない工夫」そして「説得力」が大切です。
ライフスタイルの違い
【イベントナレーターや司会MC系】の多くは『毎回オーディション形式で仕事をとっていく』そのために『複数の事務所を掛け持ち登録』するというスタイルで仕事をゲットしているようです。
【TVナレーター】にはオーディションはほとんどありません。大手の事務所に所属する(掛け持ちはできません)かフリーで仕事を取っていくことになります。他の芸能ジャンルと違い、フリーでも活躍の余地が多いのが【TVナレーター】なのです。
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