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第11話「たとえ負けても試合は終わらない」

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え?!ええ?!

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前回、深夜のバラエティ新番組「ドンと恋フシギちゃん」に女性の新人4名をキャスティングして挑んだ小窓王。

だが!

D「小窓王さん、候補ありがとうございました。でも今回は別の方で決まりました・・・」

小窓王「え???あ、あ、そうですか(涙)・・・ちなみにどなたで決まったんでしょう?」

D「”芋煮会オフィス”の「ずんだ一人」さんです」

小窓王「え?!ええ?!あの売れっ子ナレーターのずんだ一人ですか!?男性じゃないですか、女性を探してるって言ってたのに…!?」

D「う~ん、プロデューサーの意向で決まったんですよね~。じゃ、また次回よろしくお願いします」

小窓王「・・・」

やられた…!

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あ”~!

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昨日は「新人女性がいい」とかいってたはず‥‥。読みが甘いといえば甘かった。まさか男性に決まるとは…

とんびに油揚をさらわれたような、あっという間の敗北感。

しばし呆気にとられていたが、やがて我にかえって、ひとつひとつを思い返してみる。

ディレクターとプロデューサーの力関係もあるだろう。仕方ないといえば仕方ない。

売れっ子のずんだ一人なら、番組を持っていかれても納得は、する。

あ”~!でも新人って言ってたくせに~…

ベテランでもいいとわかってればベルベットのプレーヤーたちを出して、もっといい勝負が出来たかもしれない…!

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分析する小窓王

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くっそー。ずんだ一はどうして決まったんだ。どんなアプローチがあったというのか。

この番組のプロデューサーが作ってる他の番組は…あ!!これまでほとんど”芋煮会オフィス”のナレーターを使っていたんだ…。

ということはそのラインで攻めてきたのか。もしかしたらずんだ一人もあの番組からこう来たのかもしれない…

ことがこうなってしまった以上、全ては推測でしかない。だが、後から検証すれば、思い当たる節はいくつもあった。

とにかく、冷静によく考えてみれば、ずんだ一人のキャスティングは、至極妥当なライン。どうしてこうなったのか。

ディレクターが口にした『新人』『女性』。

いくつかのキーワードに、無意識に振り回されていた自分に気がつく…読みが、浅かったのだ。

『キャスティングは”受け手になるな、与え手になれ”。本当に指揮権をもつ中心人物でない限り、実はスタッフですら受け手だからだ』

大窓王にそういわれていたのに‥!

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その夜

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酒の席に誘ってくれた大窓王に、思い切って打ち明けてみた。

小窓王「深夜の新番組なんですが、Aさん(キャリアで無難にまとめる)Bさん(ストレートな読み)Dさん(声優系の読み)Hさん(スタッフをつかむのが上手そう)の4名の女性を提案したんですが、どう思います?」

大窓王「うーん。だいたいのバランスはいいんだけどね。できれば、さらに発見や驚きがあるとなお良いだろうね」

小窓王「発見や驚き?な、なんですか?」

大窓王「まずその番組なんだけど『深夜で芸人さんが各地の不思議スポットをレポート』って企画がそもそもつまんない感じじゃない?だからもっとナレーションで引っぱっていくくらいのキャスティングが、面白いんじゃないかな」

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その中で一人選ばれるには

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小窓王「大窓王なら、例えば誰をキャスティングします?」

大窓王「最近聞いたボイスサンプルだと誰かな…荒削りだけどインパクトのある表現をするGさんとかかな」

小窓王「Gさんかぁ。面白い表現をするので、ぼくも一瞬考えたんですが、やはり踏み込めませんでした。面白い以前に、しっかり読めるかどうかが心配になっちゃって」

大窓王「バラエティーは踏み込みが大事。失敗を怖れて、新人を入れる事に冒険が出来なくなってはマネージャーとしては一流になれないよ。それに『しっかりした女性ナレーター』ってだけの指定だと、大手事務所から結構な数が集まるからね。その中で一人選ばれるには、かなりの実力差があるか、それとも奇抜さを狙うかどちらかだろうね」


小窓王「そう言われればそうですね。”その他大勢に埋もれないようにしなければ勝ち抜けない”ですもんね」

大窓王「あと、それに一つ付け加えて「女性の中にぽつりと男性を入れておく」。ベルベットでいえば、あおい洋一郎さんとかさ。そうすると意外性あるでしょ(笑)」

小窓王「ええ!!実は、芋煮会オフィスのずんだ一人さんが決まったんですよ!」

大窓王「なんだ決まってたのか・・・うーむ。やっぱりそう来たのか。こういう真逆のキャスティングってタマにあるんだよね。押さえておかなきゃいけないポイントの一つ」

その深夜バラエティ新番組「ドンと恋フシギちゃん」は、ずんだ一人さんのナレーションもあって好調な視聴率をたたき出していた。

番組を取れなかったことは悔しい。
でも終わったことは忘れよう。パキーン、パチリ。

その後、すっかり番組の事を忘れ果てていた小窓王。

だがそんな小窓王の心をなお奮い立たせるべく、大窓王から逆転を狙う極秘ミッションが下るのであった!!

次回をお楽しみに。つづく・・・

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