【狩猟生活】に『小型箱罠のトリセツ』を寄稿したハナシ
先日、発売された狩猟系ムック「狩猟生活 2024 VOL.17」に『小型箱罠のトリセツ』として、6ページの記事を書かせていただきました。
その際のふりかえり(というか反省)や、書ききれなかったこと、今号のオススメ記事などを記載していきます。
記事を書くことになった経緯
昨冬に発売された書籍『狩猟者のためのハンドクラフト教書』の取材をいただいた際、たまたま取材の当日に小型箱罠でタヌキが2頭捕れました。その現場に同行していた編集者さんから(それを見たから、という理由かどうかは分からないけど)、「狩猟初心者に向けた、小型箱罠の基本を解説・紹介する記事を書いて欲しい」と依頼を受けた、ということに加え、僕自身が何か書きたい!!とむずむず、ムラムラしていたのがきっかけです。
普段、僕が実施している猪鹿庁の「狩猟スタートダッシュ講座」内での罠の講習では、主として鹿や猪などの大物を対象とし、使用する罠もくくり罠がメインとなります。
実際、これから猟を始めたい!という参加者の皆さんにその動機・詳細などを訊いてみても、捕りたい対象はもちろん大型獣。
あえて「まずは小型〜中型を捕りたい!」という人は過去の受講生の中で覚えている限り一人もいません。(「毛皮なめし講座」では、テンやイタチを捕りたい!といった人はチラホラ来てくださってますが・・・)
ですので、講座中に小型箱罠について多少は触れるものの、じっくりと時間をさいて解説するという事はあまり無いのが実状(時間的な制約もあるし)。
ちょっと語弊があるかもですが、「希望者も少ないし、小型箱罠なんて大型獣向けの罠猟に比べたら簡単だし、わざわざ解説しなくても良いよね?」っていう考え(甘え)があったのも事実だったりします。
だがしかし!そんな簡単&お手軽な小型箱罠猟こそ、これから猟を初めたい初心者にはオススメだし、丁寧に紹介すべきということも事実。
そんな中で、有り難いことに今回の執筆の依頼を受けたので、これを期に、初心者が読んでも分かりやすくかつ、「小型箱罠って簡単そう!やってみよう!」とモチベーションが上がるように記事としてまとめてみよう!という思いから書き始めました。
書いてみて感じたこと
これまで、同誌には過去に何度か講座の様子などを取材をしていただいた事などはあったのですが、僕自身が記事を書く側として、ライター&カメラマンとして仕事をさせて頂くことは今回が初めて。寄稿の依頼をいただいた際は、たぶんイケるっしょ!と軽く受けてしまったのですが、いざ記事を書いてみるとこれが想像以上に大変(泣)!!
実際に記事を書き始めたらどんどんと言葉が溢れてくる感じではあったのですが、逆に全体を整えたり文字数を削る推敲作業が超大変でした。
依頼をいただいた時には、「ページ数は4ページでお願いします。」というお話し(要件)だったのですが、いざ書き始めると、書きたいこと、伝えたいことの文字量、そして載せたい写真も多すぎる・・・。
改めて考えると、僕は講座でもかなり文字数&情報量&熱量が多めになりがちだし(反省)。
編集さんからのボツうんぬん以前の問題として、記事を提出する前の自分自身の執筆↔推敲に相当の時間がかかってしまいました(超反省)。
記事を書いては削り、直し、書いては削って、直しの連続。最終的に2ページ増の6ページにまとめていただきました(超超反省)。
記事を提出してから、編集さんからの直しは、「文体を『です・ます』の敬体から、『だ・である』で終える常体に変えて欲しい。」くらいで、アッサリと通ってしまい、ちょっと肩透かしな感じも。何と言うか「ボツです。」とか「こんな記事ぜんぜんダメだゴルァ!」というスパルタな対応にちょっと憧れもあったのですが。(実際にボツを喰らったとしたら、しばらく枕を涙で濡らすことになるんだろうけど。)
また、今回の記事では、写真の撮影もしているのですが、ある程度は過去のストックがあったものの、足りない分の写真を撮るために改めて箱罠をしかけに行ったり、猟友のM君やTさんにお願いして箱罠を撮影させてもらったりと、ライター&カメラマンという仕事の大変さを身にしみて感じました。
そんな苦労の末に書き上げた記事。まだ、読んでないという方はぜひ、ご一読いただけると嬉しいですし、もし、もう読んだよ〜という方は、感想なども聞かせてもらえるとめっちゃ嬉しいっす。
そして今回の執筆の仕事を終えてみた今、大変だったという思いや反省はあるものの、それらを上回る楽しさ、奥深さ、そして達成感をココロとカラダで実感してます。
それから、既に自分で理解しているつもりの事でも、ある程度のプレッシャー(締め切り&仕事として文章を書く責任)がある状況でアウトプットし直してみることで、とっちらかっていた頭の中が整理され、再勉強できた感じというか、精度が増す感覚が気持ち良かったですし、今後の講座にも活かせそうです。
書ききれなかったこと
実は、今回の書籍の記事の中でページ&時間の都合上、書ききれなかった部分があります。
記事内で、
と書いた部分があります。(常体のちょっとエラそうな感じはどうも慣れないです・・・。)そして、5W1Hと書きつつ、記事内では小型箱罠の設置について、3W1H(When=いつ、What=何を、Where=どこで、How=どうやって)、でそれぞれまとめています。
つまり、5W1Hうち「Who」と、「Why」については、書けていなかったのです。読まれた方もアレ?っと思った方もいるかもしれません。
Why?なぜ、Who?私、が捕るのか。
小型箱罠に限らず、狩猟をこれから始める人や、既に狩猟をやっている人も、一度、立ち止まってみて、「Why=なぜ捕るのか?」の部分について、ぜひ一度じっくり考えてみることをオススメしたいです。
僕自信、改めて狩猟をする動機を言語化するとなるとけっこう難しいかも知れません。現状は狩猟をすることが仕事といううよりも生活の一部になってるし、むしろ「なぜみんな狩猟をやらないのか?」と本気で思ってるし・・・。
ですが、僕が狩猟をやる理由を一度ざっと列挙してみたいと思います。
肉が手に入る
毛皮が手に入る
骨や角が手に入る
(有害獣の場合は)駆除費などのお金が手に入る
農地や家、里山を獣害から守る事ができる
という直接的・経済的・即物的な理由・メリットがズラズラと挙げられ、そのどれもが重要です。だけどどうもしっくりこない。
もっと根源的・本能的な理由で、動物との駆け引きだったり、山登りやキャンプなどでは得られないもっと自然に深く入り込んで一体化する感覚というか、ヒリヒリする感覚というか、
って言うか、血が騒ぐ!
というのが最も大きな理由かもしれない。(バカみたいだけど)
つい先日、かなり近しいある人から「あなたが今、5億円がぽんっと手に入ったとして、それでも狩猟をしますか?」といった内容の質問をされてびっくりしました。
(「なんて愚問を!!」と言いたい気持ちをぐっとこらえて)「するに決まっとるよ。というか死ぬまでやるでしょ。」
と食い気味で僕は答えたのでした。
狩猟や有害捕獲は命を止める行為だし、自分自身の危険も伴います。最悪、自分が死ぬリスクもあるし、そうでなくても、場合によっては他者から白い目で見られることもある。万人に勧める事ができるわけではないです。
それでも、「Who=あなた」が少しでも狩猟に興味を持ったのであれば、自らがすすんでやる以上、人や外圧として与えられた動機や義務などではなく、自分の中に明確な理由と覚悟を持って挑んで欲しいし、そうすることで、より深く狩猟を楽しんでいけるかと思います。
(とは言え、あまり難しく考え過ぎないで欲しいですが。)
今号のオススメ記事
僕の記事は置いといて、今号で特に良かった記事として、「クマ最新事情 ヒグマ」と「今日から覚えるライフルのこと」の2つは出色で超オススメです。
前者の「クマ最新事情 ヒグマ」ではヒグマについて、生態、行動パターン、痕跡、過去の事故事例などなど、多方面から丁寧にまとめられていて超勉強になります。
あいにく、僕は日本の真ん中の本州、の真ん中の岐阜県、の真ん中の郡上市に住んでいるので(郡上市内には「日本まん真ん中センター」があるんです)、近所にヒグマは住んでいない。だけれど、読んでいて、ツキノワグマとの共通点も多いよな〜と感じる部分も多々有って、今後のツキノワグマ捕獲にも活かしていきたいな。
そして、北海道に狩猟旅にも行きたいなぁ・・・。更には釧路川を下りながら野営旅もしたいし・・・。そうだ、カニ食べ行こう・・・。などと妄想が捗ります。
後者の小堀ダイスケさんが書かれた「今日から覚えるライフルのこと」は、近々ライフルの購入を検討(と言うか決定事項に)している僕にとって、超助かりました。
複雑で分かりにくいライフルの口径について明快に分類、解説してくれていて、めちゃくちゃ有り難い!
僕はこの記事を読む前は、「次に買うライフルは●●●●にするぜ!」と既にココロに決めていた銃があったのですが、本記事を読んだ事によって、一旦リセット。「買うべきライフルを再考する必要アリ」という悩ましくも嬉しいタスクが増えたのでした。
WEBで情報が沢山手に入る時代ですが、やはり書籍にしか無い魅力は多く、電子書籍の勢いが増す昨今でもその魅力は代えがたいですね。
それではまた。