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留学体験記(19) in USA

氏名 春日憲太郎
留学先:トーマスジェファーソン大学
留学期間: 2019/08/16~2019/08/23
診療科:内科、呼吸器内科、救急科、家庭医学、小児科

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今回のサマープログラムでは、アメリカにおける医療現場を見学し、その中で日本と比較することを第一の目的としていた。臨床実習を通じてまず感じたことは、アメリカでは入院患者の回診にかなり多くの時間を割いているということである。日本と同様に、数人の医師やレジデンド、医学生でチームを組んで回診を行うが、患者の病室の前で集まり、昨日からの患者の病態変化や疾患の状態、現在の問題点、治療計画、さらには医学生への質問やレクチャーについて、カンファレンスを行う。このカンファレンスには場合によっては30分程の時間かけて入念に行う。加えて、カンファレンス後に実際に患者と会う際には主治医が患者の横に腰を掛けて、10分程問診や何気ない会話をして、患者と長い時間かけて会話をした後に身体診察を行う。1チームの入院患者の受け持ち数は日本と大きく変わらないが、午前中をすべて回診に費やすのが毎日のルーチンであるとのことであった。ここにチーム内での患者に関する毎日の意見交換や日々の患者への問診を大事し、医師患者間の信頼関係を構築することを重視するアメリカの医療現場の特徴を見ることができた。

 また、電子カルテについても日本との大きな違いを感じた。外来見学する中で医師がパソコンを向いている時間が少ないと感じ、電子カルテを見学させて頂いた。驚いたことに、カルテの問診ページには問診すると思われる症状・既往歴・家族歴・生活歴などの多岐にわたる様々な項目について、マウスで選択肢をクリックするだけで内容を記載することのできる機能が搭載されていた。日本でも外来前にあらかじめと、問診項目についてテンプレートをコピペして、電子カルテへの記載時間を短縮しようとしているが、これと比較しても明らかに効率的であり、患者の方へ目を向けることが容易になっている。日本の医療現場で早急に取り入れる必要があると思う。さらに、セカンドオピニオンが一般的なアメリカでは同じ州の病院であれば、患者のカルテを閲覧することでき、新患者の基本情報などを入力する必要がないことも日本と大きく異なる。

 土日が休みであったこともあり、スケジュールには余裕があり観光を大いに楽しむことはできた。一緒に留学した同期のメンバーとフィラデルフィア動物園やムター博物館、ロッキー像、LOVEのモニュメントといった観光地を見学しただけでなく、平日の実習後も町の散策が可能であった。市内にはトランプ大統領の替え玉受験疑惑でも有名となった、ペンシルバニア大学があり、その広大なキャンパスの中に、いくつもの博物館や映画館、さらには巨大な野球場や陸上競技場・テニスコートもあり、アメリカ有名大学のスケールの大きさには驚き、亥鼻生としては非常に羨ましい限りであった。ただ、フィラデルフィアに到着する前日にペンシルバニア大学の近くで銃撃戦があったことで、町の至るところに銃を携帯した警察官が多く巡回していたことは、日本では考えられないことであり、怖い思いも少なからずした。また、ペンシルバニア州はマリファナが合法化されていることから、夜になると公園で若い人たちが集まりマリファナを吸う光景が連日見られ、近くを通るとマリファナの匂いが漂って来るのが当たり前となっており、日本との文化の違いを強く感じる。食事についても日本と大きく違う。スターバックスでホットコーヒーを頼むと当たり前のように砂糖の入ったコーヒーを出され、サラダを注文すると葉っぱ一枚一枚にドレッシングが染み込むように大量のドレッシングが和えられ、低カロリーとは無縁の生活を送らざるを得なかった。節約のために、出店にて料理をテイクアウトすると腹痛を起こすことは必発であり、改めて日本の食に関する水準の高さを認識できた。

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