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【INOSHIRU記事紹介第5弾】

メイヨー・クリニックで学んだ医師と患者の教育体制

一問一答コーナー

名前:藤原 啓 (Kei Fujiwara)
所属大学・学年:東北大学・6年
留学先の国:アメリカ合衆国
留学先の大学(機関):メイヨー・クリニック
留学の期間:2019年3月18日~2019年4月12日
留学の目的:臨床留学
留学の費用(概算):40万円弱
-学費:無料
-家賃:56.29ドル/日(最安のホテル)
-生活費:10万円前後(食費など)
-渡航準備(保険、航空券、Apartmentのdepositなど):航空券 往復115790円(デルタ空港)Wi-fiレンタル 250円/日
プログラム(仲介してくれた機関/人):大学の循環器内科
利用した奨学金:大学の奨学金(5万円)
VISA:なし。ESTA利用
保険:大学の学研災
留学中の住まい:ホテル

【プロフィール】
こんにちは、東北大学医学部医学科6年の藤原 啓と申します。部活は全学と医学部の陸上部で長距離をしています。将来は、脳神経外科の中の小児てんかん外科の分野に興味があります。この分野は日本では治療や体制で海外に比べ遅れをとっています。そのため、将来、この分野の勉強の為、フェローでの海外留学を考え、学生のうちに一度米国を見学し、教育体制や、外国人レジデント、フェローの受け入れ状況などを知っておきたいと思い、留学しました。卒後は、地元の岩手県で初期研修を行う予定です。

【サマリー】
・メイヨーの患者教育
・VIP患者とセキリュティー
・エビデンス重視の米国医療

Q1. 留学中にカリキュラムで学んだことについて

1.カテーテル処置見学
最初の1週間は、カテーテル見学でした。
見たいものを自由に見学して終わったら自由に帰宅するスタイルでした。強制はありません。モニター室から見学する形で、術野には入れませんでした。日本で見られない、ASDやPFOの閉鎖、運動負荷試験検査などを見ることが出来ました。どの処置室に行っても、技師さんたちは大変親切で、色々教えてくださりました。

2.CCU見学
基本的にこちらも見たいものを自由に見学して終わったら自由に帰宅するスタイルでした。
朝回診は朝8:30から始まり、日本と違って大体2~3時間ほどかけます。それぞれの患者さんの部屋の前で、研修医、看護師、薬剤師がプレゼンをし、上級医を交えてディスカッションが始まります。一症例10~30分程です。全部で18床でしたが、基本満室にはならず、患者さんがいるのは10床程でした。
夕回診は、いつもは3時頃から30分~1時間ほどでした。
CCUでは回診時、最初に医師だけでなく、医療スタッフ全員かなりしっかりとした説明も行い、その後、患者さん、そしてご家族の方々から医療スタッフにバンバン質問が飛んできて、それに対して医師だけでなく、医療スタッフ全員が答える形でした。
研修医の仕事は、カルテ入力など、あまり日本と変わりはありません。時間があるときは、先生が、医学的なことを教えてくださり、英語が分からなくても図に描いて説明してくれます。CCUでもスタッフの方々は非常に優しく、色々教えて頂けます。私は、心臓生理学や心エコーについて資料や論文を貰いつつ30分程講義して頂きました。
CCUのチーフ医師は1週間で、ローテートしているレジデント・フェローは2か月で替わっていました。
病室への出入りは、プライバシーの観点から原則禁止でした。
CCUは日本でも米国でも一部の病院にしかないため他の病院のICUから来たり、逆に別の病院のICUに行ったりと出入りもあるとのことです。

3.脳神経外科見学
実習先の先生と相談して自由にスケジュールを変えられるため相手方とのやり取り次第では、循環器内科以外の科の見学も自由にできます。私は、知り合いの先生の伝手で、現地にいる先生のお世話になり、脳神経外科を見学させていただきました。
セキュリティーなどの関係で手術などは見学で来ませんでしたが、日本人の先生について回診に同行させていただきました。
回診は患者さんが診察室に来る日本のスタイルと異なり、医療者側が患者さんの下に行くスタイルでした。一応、日本でもそのスタイルのところが少数ながらあるらしいです。これは、医療費が日本に比べて米国が高いから出来るのも一つの理由らしいです。

4.カンファレンス見学
自由参加です。至る所で様々なカンファレンスがあり、先生たちは聞きたい奴だけで出ています。昼食も出ます。カンファレンスに参加したい場合は、先生に日程を聞くか、病棟の掲示板、電光掲示板でも大体は把握できます。英語なのでなかなか理解できませんでした。

5.患者教育
メイヨーでは(米国の他の病院でもない)、患者に、疾患の一般的なガイドラインやメイヨーの治療方針、そして基礎知識を身に着けられるように、資料館や、専門の職業の人がいます。私は、知り合いの日本人の先生に、資料館を案内させていただきました。
日本では医師と看護師しかおらず、正直、医師は治療で手一杯で患者教育まで手が回りません。しかし、メイヨーではその間の患者教育の担当の職業の方がいます。米国式の分業制の正の側面の表れとかんじました。
患者も一見、日本よりずさんと思いきや、保険制度の違いにより、より高額な医療費が必要となるため、患者も自分の身は自分で守るという意識が強いとのことです。
実際、CCUを回っていても、患者さん、そしてご家族の方々から医療スタッフにバンバン質問(自分は英語が理解できなかったが、、)が飛んできて、それに対して医師だけでなく、医療スタッフ全員が答えていました。その前に、最初に別個でかなりしっかりとした説明も行っていました。

6.エビデンス
米国では日本よりエビデンスを重視(日本は軽んじる傾向にあるかも)。糖尿病のリスクやがんのリスクを減らすためにかなりきつい食事療法のプロトコルが制定されています。
上記の理由から、患者も自分の身は自分で守るという意識も強いです。
しかし、米国人はお肉砂糖大好き、きついのが苦手なので脱落も非常に多いみたいです。
そういう意味では、頑張るけどただがむしゃらな傾向にある日本とは正反対かもしれません。
ただし、それに加えて日本食は健康的で元々リスクが少なくそこまで食事療法しなくていい面もあるとのことです。

7.医師の自信
メイヨー・クリニックの先生方は、メイヨー・クリニックで医師をしていることに誇りを持っています。例えば、米国の一般的なガイドラインに対して、ある外科医には、「一般的にはこのリスク○○%はだが、メイヨーでは当てはまらない。だから手術のリスクはほぼない」等と言い切る方も多いらしいです。

8.VIP患者の利用とセキュリティー
メイヨー・クリニックは多くの政治家や王族等などが利用します。彼らは、命を狙われる可能性が高いので極秘に来ます(ちなみに、命狙われる率は政治的観点から、政治家>王族とのことです)。そのため、スタッフは、個人情報の取り扱いにはかなり厳しく教育されます。ID落としたら一発アウトです。悪用されます。
見学時、やたらセキュリティーにうるさく、手術どころか病棟にすらなかなか入れないのはそのためです。
ロチェスター空港はあるくせにビンが少ないのは、VIPが自家用ジェットで来る用の空港であるためとのことです。私たちが使えるのは、せいぜいシカゴ(セレブの町。トランプタワーあり)経由→ロチェスター空港か、ミネアポリス・セントポール空港→シャトルバスでロチェスターくらいです。

9.米国の研究室
知り合いの日本人の先生の研究室に訪問させて頂きました。
米国の基礎の研究では、ポスドク後、アテンド(補助金)の申請が通れば(色々と計画書など書類審査が大変だが)、誰でも独立して教授として研究室を持てます。一応所属は○○病院、○○大学ですが、研究は自分の裁量で行えます。
まず教授選に勝ち残らなければならず、その上ある程度所属組織の方針に従わなければいけない日本とはことなります。
失敗した時の責任も大きく、成功した時の見返りや自由度も大きいのが特徴です。

Q2. カリキュラム以外の、留学先ならではの現地での生活について

1.移動
交通の便はあまり良くないです。ミネアポリス・セントポール(ミネソタ州最大の都市。空港あり。)からロチェスターまではシャトルバスを主に利用しました。往復6000円くらいするので何回も行けないです。あと、夜遅くなった時、終バス注意です。
ロチェスター市内は、徒歩、バス、UBER、Lyftなど人それぞれ。UBER、Lyftがあると便利なので、サイトに登録しておくと良いです。
メイヨー・クリニック、ホテル間は、近いところとれば、徒歩で移動可能です。原則徒歩でした。

2.食事
病院の近辺にはレストランあり。大きなスーパーまで行くにはある程度距離があります。気候が良ければ歩けます。
アメリカのレストランはいまひとつで、日本より落ちます。
ハンバーガー、ポテト、ステーキ、オレンジジュース(特にステーキ)は、日本よりおいしいです。
朝食、夕食は、ホテル次第。なければ自分で調達します。
昼食は、病院内で食べられます。

近くに薬局があり、飲み物、冷凍食品、日用品、お菓子などは揃います。他に、カナディアンレストラン、マクドナルド、ケンタッキー、カフェがあります。小さ目の店でも飲み物、シリアル、カップラーメン、お菓子などは買えます。
夕食は、上記の店で冷凍食品を買い込んで食べるのがコスパが良いです。味も良いです。
レストランは近くには少なく、ダウンタウンにはあるが、割高でした。メイヨー日本人会も参照にすると良いです。基本的に米国において、Googleのレビューは甘いです。日本基準で考えないほうがいい。(米国の星4:普通 日本の星3:美味しい な感じでした)
スーパーマーケットの惣菜はまずいです。
日本からレトルトご飯、味噌汁、ふりかけ、お菓子を持っていくのも手です。調味料は、民宿みたいなところなら共有可能かもですが、ホテルではほぼないです。欲しいものあったら持っていくのが良いです。塩胡椒くらいは自分で持っていくのが良いです。醤油はなかなか手に入りません。

UBERを使えばもう少し遠くのモールやレストランに行けます。ホテルからシャトルバスもあります。

3.携帯電話
現地でプリペイドの携帯を購入するなどして、現地で電話ができるようにすることは必要(上記のミネアポリス・セントポール-ロチェスター間の高速バスの問い合わせ、UBRE・Lyftを呼ぶ、緊急時のためなど)です。電話だけのものなら月10ドル程度で収まります。
ただ、出かける時などGoogle mapが使えるととても便利なので、余裕があればスマホをプリペイドで購入することを検討してもよいかと思います。Walmart 等で購入できます。
Docomoは1 day パケットを利用可能です。しかし、やはり通話料がデータ通信込みで1日980円と割高なので、別途でプリペイド携帯を買うべきです。僕は、データ通信無しの1ヶ月30ドルのプランを使っていましたが、思った以上にネットを使うので(道やおすすめスポット、そして時刻表などを調べる)、データ通信ありの1ヶ月45ドルのプランを強くすすめます。

ある先輩は、auのiphone限定の技で、AT&T系列のSIMカードがそのまま使えるため、現地でSIMカードを購入し、プリペイドのプランで利用していました。これは非公式な裏ワザ的なものなので自己責任でお願いします。しかも、SIMカード使えるかは機種次第です。興味がある人は自分で調べてみてください。

4.持ち物

基本普段生活している上で必要なものを持っていけば大丈夫。一週間の旅行に行く位の分を持っていけば回ると思う。最悪不足したものは現地購入可。

5.服装

普段着は何でもよいです。
かなり寒いです。他の先輩曰く、6月でもかなり寒かったとのことです。4月はかなり寒いです。マイナス10度を平気で下回ります。防寒対策忘れずにお願いします。自分が行ったときは3月末から4月初めはそこまで寒くなかったのですが、その1週間くらい前は外に出歩けないくらい寒く、雪も積もっていたとのことです。
ちなみに日の出は7:00位と若干遅く、日の入りは20:00位(19:00でも明るい)とかなり遅いです。

6.医薬品

現地の医者にかかるのは面倒でかつ費用がかかるため、なるべく持っていくと良いかと思います。スーパー等である程度の薬は購入できます。

・おみやげ

アメリカには、実はあまりお土産を持っていく文化がないとのことです。主に日本人の先生に必要なら持っていく形でいいいと思います。

7.書類等

重要な書類(パスポート、ビザなど)はコピーをとって分けておきましょう。

国際免許証はとっておくと行動の幅が広がると思います。ただし、レンタカーを借りる時は、日本の免許も必要です。国際免許証は、日本の免許証のコピーでしかないです。私は、運転しないので取らなかったです。学生の運転はリスクが高く、気を付けましょう。

国際学生証は発行しましたが、使う機会はありませんでした。

8.散髪

海外だと高いので、日本で切っていくと良い。

9.過ごし方

ロチェスター市内は非常に安全です。夜中歩いていても大丈夫で、ジョギングも出来ます。私も部活動関係で自主練習をしていました。

ミネアポリス・セントポールは、夜中は流石に危険です。日中は大丈夫だと思います。気を付けましょう。

米国は全体的に物価が高いです。

平日は、病院とホテルの往復でした。

休日は、下記のスポットで観光をしたり、日本人の先生にバーベキューや、飲み会に呼んでいただいたりしました。

10.観光スポット

かなり田舎です。都会的なものは何もないです。

ただし、ダウンタウンにあるMayo Clinicの中心:Mayo BuildingとGonda Buildingは、有名なMayo兄弟の銅像、大理石の診療棟、ちょっとした博物館、芸術品ギャラリーがあり、おすすめです。

ロチェスター市内だと、湖や自然がいい観光スポット。湖は1万個あるらしく、暖かくなると釣りが盛んです。

主な観光地は、ミネアポリス・セントポールにある。

ミネアポリス・セントポールは、都会で色々買い物も出来ます。大きいショッピングモールもあります。美術館もあります。アメリカ4大スポーツ(野球のメジャーリーグ、アイスホッケー、アメフト、バスケ)のプロチームが全てそろっています。

しかし、往復6000円の交通費を考えるとそこまで頻繁には行けません。

Gondaは有名で綺麗でした。お土産も多いです。

Gondaやダウンタウンに行きたい場合、ただでバスに乗れました。それらしい顔をして、Helloと声をかけて乗車すれば問題なかったです。夜には本数が減ります。

Gondaやダウンタウンには、歩いても20分ほどで着きます。

※実際に行った観光地

11.建物

歴史あるプランマー塔が未だに残っている通り、日本より建築物が保存されています。しかし、日本より遥かに地震が少ないため、耐震基準が甘いため出来る面もあるとのことです。米国だと家建てるのも1か月で建ち、免震も不要みたいです。

12.筋トレ会

メイヨー勤務の日本人の先生を中心に、毎週水曜日17:30~と、毎週土曜日9:00~週二回行っています。場所はメイヨー勤務の日本人が多く住むアパートです。水曜日の筋トレ会後は夕食に連れて行ってもらえることもありました。先生方に尋ねれば紹介して頂けました。他に、バーベキューや飲み会にも招待して頂き、大変助かりました。

Q3. なぜその場所(国・大学)、その期間を選んだか

-場所について
私は、将来小児てんかん外科を専門にし、そのために日本より、手術、治療、医療体制、制度が進んでいる米国にフェローとして進みたいと考えています。そのため、大学の実習で選択でき、個人的な脳外科の先生の伝手もあり、更に米国屈指の有名病院であるメイヨー・クリニックを選択しました。

-期間について
実習開始前の春休みも利用したいため、3月の後半2週間と、6年生の4月の実習期間のうち前半2週間の合計4週間、留学しました。その上で、部活動や、マッチング、国試対策で忙しくなることが予想されたため、出来るだけ早い時期にしました。ミネソタ州は寒いため、もしかしたら、皆さんが行くときは、夏とか暖かい時期の方が良いかもしれません。私の時は、奇跡的に雪が少なく、出歩ける気候でした。

Q4. 留学に至るまでの準備について

1.部屋の探し方と実際に住んだ場所について
私は、向こうの先生が紹介してくれた場所で2nd street Inn & Suitesというホテルを予約しました。多くの学生はホテル宿泊とのことです。食事はホテルで出るかレストランかですが、近くのレストランには不自由しません。予約サイトはBooking.comが一番安いです(Expediaなどその他より)。しかし、当日ホテルに行ったら予約がされていなかったので注意が必要です。しかもサポートにも繋がりませんでした。他のサイトを使ったほうがいいかもしれません。サイトが悪いのか、ホテルが悪いのかは、今でも分かりません。

メリットは、病院から近い、安い、シャトルバスでミネアポリス・セントポール国際空港から直接向かえる、パン、マフィン、コーヒー、ジュースなどの朝食が無料、洗濯機、乾燥機が使える、何か印刷したい場合はフロントに言えばパソコンを貸してもらえる、部屋に電子レンジと冷蔵庫がある、等でした。

デメリットは、水回りが綺麗でない、建物が古く窓が閉まらない、Wifiが弱い、不安定(国試のネット講義がほぼ出来ない)、ヘアドライヤーはなく持参か購入が必要、といったところでした。

基本的に実習場所のセント・メアリー病院から近ければ問題ありません。

一応、参考なのですが、エアBNBというサイトを利用して、ホームステイをとった先輩もいました(https://www.airbnb.jp/host/homes?af=43720035&c=.pi0.pk52697687021_273694826805_c_349294612313&gclid=EAIaIQobChMI1_vwxYGp3gIVVwUqCh2wlgc9EAAYASAAEgIdofD_BwE)。自炊がしたかったとのことです。家賃も若干安いのですが、そこまで安くなく(2週間で8万円くらい)、ホームステイ先との相性やトラブルのリスクを考えるとリスクとリターンが見合ってないとのことでした。

2.ESTAについて

90日以内の滞在だと、ESTAを申請すれば、VISA免除になります。入国日、出国日、居住地、向こうでの連絡先(主に向こうでお世話になる先生)が決まれば申請可能です。私は、VISAは使用せず、ESTAを申請しました。

申請はここからです。

https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/visa-waiver-program-ja/esta-information-ja/

申請の流れは下記の動画から見ることができます。

https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/visa-waiver-program-ja/esta-information-ja/

3.航空券について

羽田空港からミネアポリス・セントポール国際空港までの直行便をデルタ航空から購入しました(https://ja.delta.com/jp/ja)。ロチェスター行きは本数が少なく、ほぼないです。成田からの直通便は探せませんでした。また、JALだと日本からミネアポリス・セントポールやロチェスターへの直行便は見つかりませんでした。往復で11万5790円でした。

ちなみに、アメリカの飛行機は、天候不良でキャンセルはよくあります。資金は余裕を持って準備しておいた方がいいです。日程は仕方ないです。ある先輩は、日本行きのフライトキャンセルになったそうです。

到着から入国審査完了までは、相場では1時間30分くらいと言われています。下記の高速バスをとるときはそれを目安に時間に余裕を持って予約すると良いです。

万が一、飛行機の到着が遅れ、バスや飛行機の乗り継ぎが間に合わなかった時は、交渉してみるのも一つの手です。

4.高速バス予約(ミネアポリス・セントポール-ロチェスター間)

ロチェスターシャトルサービス(https://rochestershuttleservice.com/)というサイトを利用しました。予約時間通りに来ないことは日常茶飯事です。連絡とるために携帯電話は必須です。もう行ったと思われる時間でもまだ来てないこともよくあります。夜遅くなった時、終バスに注意です。

ミネアポリス・セントポール国際空港―・2nd street Inn & Suites間で片道34ドルです。

アカウント登録をしておきましょう。

5.大学の教務課への書類提出

指示通りにしました。

6.奨学金

大学から5万円降りました。4年次の試験成績、CBTの成績、5年次の実習成績を基に判断するらしいのですが、応募者が定員に達しなかったので、全員採用でした。受け取ったら、留学発表会での発表が義務付けられました。

7.各種保険について

医療や損害賠償をカバーする海外保険旅行は必須です。医療は無保険だと日本より遥かに高額です。私は、学研災を利用しました。学研災か自分で見つけた保険に加入すると良いです。

私は利用しなかったのですが、レンタカーを使用する場合、十分な補償のある自動車保険、損害賠償保険が必須です。

7.メイヨー・クリニックへの提出書類

大学の循環器内科の秘書さん、教授、向こうの秘書さんの指示に従いました。

私は必要なかったのですが、患者さんと接する可能性のある臨床関連の見学内容によっては、事前に登録などの事務手続きが必要なこともあるようです。具体的なスケジュールを含めて、向こうの秘書さんとメールでやり取りはしました。

ただし、他国や、米国の他の施設、大学、病院に比べて、驚くほど書類は少ないです。基本的にメールだけで終わります。そのため、楽ではありました。

8.お金の管理、準備について
自分は基本クレジットカードで生活していました。アメリカではカードが使えるところがほとんどなので、困ることはほとんどありませんでした。カード会社としてはVISA、マスターカードが良いと思われます。得体のしれないカード会社だと、スキミングされたときなど万が一の時の補償などに乏しい場合が多いです。ちなみにJCBは対応しているお店が少ないです。

アメリカはサイン文化なのでしっかりカードの裏と同じようにサインをかけるようにしておく必要があります。

現金についてはキャッシュパスポートという、日本から入金できて現地のATMで引き落としができるカードを用意していきました。デビットカードとしての利用も可能です。

出発時に二万円程度ドルに換金して持って行きました。100ドル札など高額紙幣は偽物だと疑われたりして受け取ってもらえないことが多いです。換金時になるべく細かいものでもらうのがベターです。

クレジットやキャッシュパスポートの口座の管理として、オンラインバンキングで振り込みや残高確認できるようにしておくことは重要です。

デポジットなどの出発前の現金のやり取りには、為替証書、bank-checkといった郵便局の住所宛て送金を使うのも比較的安全です。大金を持ち歩くのは怖いです。

9.メイヨー日本人会HP
役に立ちます。必ず登録しましょう。滞在期間と居住地が分からなければ登録できないです。https://sites.google.com/site/mayojapan/about-mayo-japanese-society

Q5. 準備、留学中の両方について、「こうしておけばよかった」と思う反省点と、自分なりに工夫してよかった点

1.英語
一応、『トシ、1週間であなたの医療英単語を100倍にしなさい。できなければ解雇よ。』(https://bookmeter.com/books/242047)という本を読んでいきましたが、やはり付け焼刃ではげんかいがあります。出来れば、普段から勉強しておくべきです。

2.USMLE
今回は一応いりませんでしたが、多くの病院で、伝手ではなく正式にクリニカルクラークシップを行うためには、USMLE-Step1が必要です。また、必須でなくても、あれば出来ることも増えるかもしれないとのことです。自分の将来の目標、最終的な目標スコア、割ける時間、今目の前の留学への意欲程度、国試対策の進み具合、マッチング、部活動やその他活動との兼ね合い次第ですが、挑戦できるならした方がいいです。

Q6. 留学していた場所について

米国、ミネソタ州のロチェスターにある説明不要の有名病院です。立地、雰囲気的に、日本だと、亀田総合病院が近い気がします。

かなり寒いです。他の先輩曰く、6月でもかなり寒かったとのことです。4月はかなり寒いです。マイナス10度を平気で下回ります。防寒対策忘れずにお願いします。

ちなみに日の出は7:00位と若干遅く、日の入りは20:00位(19:00でも明るい)とかなり遅いです。

田舎で都会的なものは何もないですが、ダウンタウンにあるMayo Clinicの中心:Mayo BuildingとGonda Buildingは、有名なMayo兄弟の銅像、大理石の診療棟、ちょっとした博物館、芸術品ギャラリーがあり、おすすめです。

ロチェスター市内だと、湖や自然がいい観光スポット。湖は1万個あるらしく、暖かくなると釣りが盛んです。

ミネアポリス・セントポールは、都会で色々買い物も出来ます。大きいショッピングモールもあります。美術館もあります。アメリカ4大スポーツ(野球のメジャーリーグ、アイスホッケー、アメフト、バスケ)のプロチームが全てそろっています。

Q7. 留学中どのような人とかかわったか

主に、メイヨー・クリニックにいらっしゃる日本人の先生のお世話になりました。実習中のアドバイスやお世話、スケジュールの紹介、病院、研究室の案内、患者教育の説明、筋トレ会、飲み会、バーベキューと大変お世話になりました。

Q8. 英語の能力はどう変化したか

1か月いると、やはり日常会話はある程度できるようになってきます。しかし、カンファレンスを理解するのは難しいです。レクチャーは、メイヨーの先生は、分かるまで親切に丁寧に教えてくださり、大変勉強になりました。

やはり、帰国すると元に戻ってしまいます。継続的な努力が必要です。

Q9. 留学のメリット/デメリットについて

-得たもの
・メイヨー・クリニック独自の患者教育制度について
・メイヨー・クリニックの患者層、セキュリティーについて
・米国の医学教育について
・米国の医療制度について
・エビデンス重視の米国医療、教育について
・症例数の多い、米国外科研修について
・米国医療の光と闇について
・日本と米国の研究者の待遇の違いについて
・米国留学に必要なことの情報
・メイヨー・クリニックの日本人の先生の働き方について
・日本人の先生方とのつながり

-失ったもの
・お金
・春休みの最後の2週間
・時間
・部活動での走力

-得られなかったもの
・米国人医師との強いコネ(←当たり前です)
・推薦状(←当たり前です)
・アメリカ4大プロスポーツ観戦(←直前だとチケット買えませんでした、、)

Q10. 現地で苦労した話について

やはり、向こうの先生や、医療関係者の説明や、レクチャー、カンファレンスを全て理解することは厳しかったです。やはり英語は出来た方がいいです。

あと、初日、サイトが原因なのか、ホテルが原因なのか今でも分かりませんが、予約がきちんとされてなかったです。自分には確認メールは来ていたのですが。サイトやホテルを探すときは、ネットの口コミや信頼性なども見た方がいいかもしれません。

Q11. 留学について意識し始めた時期とそのきっかけ

USMLEという試験が存在すること、大学の先輩方から留学に行ったとかの情報を聞いたり、3年次と6年次に行けるとか聞いていたので、とりあえず漠然と行ってみたいと自然に思うようになりました。3年次は基礎医学で留学してきました。5年次の脳神経外科と小児科神経グループ、てんかん科の実習を通して、将来、小児てんかん外科をやりたいと思うようになり、そのために米国にフェローで行きたいと思うようになりました。

Q12. 留学後の展望について

いつまた留学できるのか、そして本当にする機会に恵まれるのか未定ですが、とりあえず、USMLEをとることを目標に頑張ります。

Q13. 最後に一言(後輩へのメッセージなど)

とりあえず、行けるならどこでも留学してみた方がいいです。話を聞くだけよりも、実際に行ってみて、自分の目で確かめてきた方が印象にも残りますし、イメージと違う経験が多々あります。

もし何か聞きたいことがありましたら、誰かフェイスブックとかの共通の友達に聞いてみるか、下記のメールアドレスに連絡するかお願いします。

k.f.tohoku.u.med.ld10000@gmail.com

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