熱抵抗が温度に与える影響度
温度は、とても単純に考えると、$${⊿T=R×Q+T}$$で求められます。
$${⊿T}$$は温度上昇幅、$${R}$$は熱抵抗、$${Q}$$は発熱量、$${T}$$は雰囲気温度です。
これを見れば一目瞭然ですが、温度上昇幅に与える影響は、熱抵抗と発熱量でまったく同じです。
メカ担当は熱抵抗を必死に下げようとします。
ヒートシンクの微調整、ファンの変更、接触熱抵抗の低減、熱伝導率上昇のための材料変更、輻射率を大きくするための塗装…様々な手段で検討します。
しかし、実測や電気担当から得られた発熱量に幅があったり誤差があったら、その分だけ正確な温度上昇幅を見積もれません。それくらい発熱量というパラメータは重要と思います。
「だいたい1〜2Wかな…」などと電気担当から言われたら、単純に見積もりは2倍ズレます。誤差100%です。とんでもない大きさです。
もちろん、メカ担当の見積もりも誤差をある程度含んだ手計算になることは仕方のないことなので、「だいたい」というのもある程度は仕方のないことです。実測が困難なケースも多々あるかと思います。
熱抵抗も発熱量も「だいたい」ではなく、どちらも温度上昇の見積もりに同程度影響するということを考慮した上で、根拠を持った値で検討できるよう準備することが必要と思います。
手計算やシミュレーションを行う上で、どちらもとっても重要です。