『女神の見えざる手』演繹的シナリオライティングが可能な頭脳にはかなわない(環境研究、未来予測)
日本だとロビー活動は経団連や新経済連盟などを思い浮かべるが、Wikiによると日本でも、GR Japan、APCO、Weber Shandwick、Burson-Marstellar、永田町フォーラム、ユーロリンク・ジャパン、アジア・ストラテジー、新日本パブリック・アフェアーズ、VOX Globalなどのロビー活動を専門としている会社が現れているようだ。この映画は、主人公が転職した銃規制強化を支持する大手ロビー会社側とNRA(全米ライフル協会)の熾烈な票獲得の裏側を暴いた実話映画だ。
イスラエルにおける全米最大のロビー団体であるAIPACもそうだが、政治家よりロビー会社の動きと判断が大統領選にも大きく影響するのがアメリカ。主人公のエリザベスの先の先へ手を打つ将棋のような仕事ぶりがテンポよく描き出され、最後の法定シーンは感動的だ。彼女の頭の中では、偽証罪は5年の禁固刑だということに対する損得が計算済みなので、常識を持つ人々の思考とは桁違いとなる。
ビジネスにおける企業と企業との戦いでも、エリザベスのようなシナリオライティングが可能な演繹的な頭脳をもった人間が敵側にいると厄介だ。そういうタイプの人は1歩先を見ているのではなく、数歩、数十歩先の最終ページの構成までを、プロセスと代替案(PLAN B)ともに頭に描いている。この映画で示されているように、人並の頭脳ではそれを看破することは不可能だ。
いいなと思ったら応援しよう!
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。