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『シンデレラマン』誰もがそうなりたいと願う心をくすぶる共感性(使命分析)

 この映画は、『伝え方が9割』の著者 佐々木圭一氏が著書の中で、好きな映画として紹介していたものだ。1929年以降の大恐慌の真っ只中のアメリカが舞台となる。ボクサーである主人公(ジェームズ.J.ブラドック)は、年齢的にも全盛期を過ぎ、連戦の疲労から右手を骨折し、ライセンスを剥奪されてしまった。港湾労働者として日雇いの仕事をしながら妻や子供たちと暮らしていたが、生活は貧しく、電気も止められ食べ物を買うことさえもやっとだった。

 そんなとき、試合の直前になって対戦相手がキャンセルしてしまったために、たった一回のボクシングの試合を戦うチャンスが舞い込み、その試合に左パンチで勝利した。湾行労働者として働くとき、骨折した右手が使えず、左手だけで荷物を運びつづけたことが、彼のパンチ力が自然に増していたのだ。大恐慌時代の貧困の時代に、極貧からカムバックを果たした主人公に感情移入する人たちからは「シンデレラマン」と呼ばれた。最後に試合で2人の対戦相手が死んでしまったという強力なパンチ力をもつチャンピオン挑戦し、見事判定勝ちを収め、映画は終わる。

 極貧からチャンピオン、できなかった人ができるようになる、というストーリーは、誰もがそうなりたいと願う心をくすぶる。共感を呼ぶ佐々木圭一氏が好きな映画として紹介している理由は、そんなところにあるのだろう。同じボクシング映画である『ロッキー』とも似ているが、この映画は実話であることから説得力がある。

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