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『`不確実性'の時代を生き抜く最強の「経営企画部」第2版』経営企画部の使命は価値創造システムを組織にビルトインすること(知識を広める)

 経営企画部(Management Planning Department)は、主に日本企業に特徴的な部門だ。海外では、Strategic Planning Department、Corporate Strategy Department、Business Development Departmentと戦略立案を主なミッションとしている部門はあるが、日本企業の経営企画部のような包括的で横断的な機能を持つ部門を持つ企業は少ない。つまり、経営企画部は日本独自の組織文化と意思決定プロセスを反映した部門と言える。

 本書では経営企画の定義を次のように表している。 

「組織ビジョンに基づいた経営目標の達成および持続可能な価値創造モデルを構築するため、社外を含めたリソースの最適運用により、ハード(戦略)にソフト(組織風土)および仕組みを合わせた支援的管理を行う活動」である。また、「将来の道筋を描く参謀機能に加え、必要によっては主導者を諫める修正機能を併せ持つ」ことがその存在意義である。

 さらに具体的な経営企画部の業務は次の5つだとし、これを確実にこなすことで、倒産が回避できるという。

  1. 中期計画の策定

  2. 年度予算の策定

  3. 戦略的法務の実践

  4. 戦略的人事の実践

  5. 社長直轄型の特務案件への対応

 また、念を押すように最後には経営企画部の「使命」を次のようにまとめている。

 経営企画部の「使命」は、組織のマネジメントの変革であり、最終的にはイノベーション創出のための「エンジン役」とするならば、ジョセフ・シュンペーターが著書のなかでその要件をNew Combinationと提示したように、イノベーションを生み出す、すでに存在している知と知の組み合わせを実現しなければならない。また、そのような現場での創発的なイノベーションや戦略は、それを遂行するための資源が必要になることから、これらを社内および社外で説得するのも経営企画部の大きな枠割の1つである。

 現在の経営企画部が日本オリジナルな2つの価値創造システムをご存知かどうかは分からないが、もし経営企画部の使命が上記のものであるならば、コストカット型経済から価値創造型経済に移行していこうとしている現在、価値創造システムの知識を知る必要性は極めて高い時代になったと言える。念のため、そのことをまとめた連載記事を次にしめしておこう。

日本の強みを取り戻す「価値創造」実践講義(JBPress)

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Creative Organized Technology 研究会(創造性組織工学研究会)
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。