『引いて考えると使命分析』(2−5)比較し引いて考える
今回は、使命を明らかにするための3つの方法(空間、時間、比較)の3つめ「比較」について解説していきたい。
自分が生きている人間社会で考えると物事が複雑になってしまい、本題の本質や使命を明らかにすることが難しい場合がある。そんなときは誰もが第3者として観察できる自然の生物などと比較するとわかりやすい。これを比較し引いて考えると表現する。
『弱者の戦略』には、次のような生物の戦略が解説されている。
企業経営を生き物の「ナンバー1=オンリー1」という考えで引いて考えると、人手が集まらないから賃金を上げるという考えでは、その業界や地域内で賃金を高く支払える会社がますますナンバー1になるということになる。ナンバー1より高く賃金を支払えない会社は、生物の世界で考えると2位や3位になるのではなく、滅びるということになる。
生産労働人口が増えず、労働参加率(女性、高齢者を含む)が頭打ちという日本の現実から考えると、この問題は企業経営の最重要事項になることは間違いない。
高い賃金を支払う以外で人手不足を補う方法は、『もっとも成果の上がる方法が、もっとも効率いいという働き方改革』で示したように、働いてみたいと思えるようなライフワークバランスが最高の会社になるようにするしかない。
その手段は一人一人の仕事を「小さなイノベーション」で仕事の改革を行うことだ。これにはお金がかからないが、頭を使う必要がでてくる。逆にもっとも頭を使わない単純な方法は賃金を上げることだ。
一人ひとりの社員が頭を使わないと実現することができないのが「もっとも成果の上がる方法が、もっとも効率いいという働き方改革」だ。これが実現できれば、個人のライフワークバランスだけでなく、賃金の原資となる新たな利益が生まれる可能性がでてくる。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。