宵待草
近所の公園に行った時、まるでスポットライトを浴びているような黄色とオレンジ色の可愛らしい場所がありました。ほんの数本でしたが、ジャングルジムの近くに小さな群れをなしていました。この公園は、とても静かな公園で、住宅地の一角にあるのでちょっと気分を変えるのにとても良いのです。人が大勢立ち寄らないので、草花にも良い環境です。
近くに寄ってみると、黄色の花とオレンジがかった花のコントラストがなんとも優雅で、しばらく色を見ていました。花は3cmほどの小さな物で、よくある道端の花かと思いましたが、とても写真に収めたいと思いました。ですが、あいにくスマホも持っていなかったでその日はそのまま家に帰りました。
次の日、カメラを持ってあの花を撮ろうと出かけました。黄色い花はまだ生き生きといていましたが、オレンジ色の花は見事に全部萎れていました。オレンジの方は弱いのかな?と単純に思っていました。
カメラで撮ってスマホに転送したあと、Googleで検索をかけましたら、宵待草ということがわかりました。
なんとも美しい響きに心が躍りました。
1日花で、夕方に黄色い花を咲かせ、次の日にはオレンジ色になり終わって行くのです。
ですから、オレンジ色の花は全て元気がなかったんですね。その日、ようやくカメラを向けることができましたが、午前中の光が強くてうまく撮ることができませんでした。そして、『また今度』とその場を立ち去ったことを後悔しています。宵待草は、オオヨイマチグサという他種に押されて数が少なくなっていることも知ったからです。
次の日もカメラを持って出かけましたが、時は戻せない。『新しい宵待草が咲いているかも』と淡い期待もしていましたが、それも叶いませんでした。
知ってから追い求める私の愚かさと、今までの人生を回想するような後悔と、
咲いている日に出会えた偶然に感謝だという前向きな考えとが、ごちゃごちゃと気持ちに浮かんでは消えていきます。