1.4新日本プロレス東京ドーム レッスルキングダム17・アントニオ猪木追悼大会雑感
数年ぶりのレッスルキングダム。
アントニオ猪木追悼大会だから、ではなくてケニーvsオスプレイが見たくてチケット買いました。
ドーム、客席として開放してないエリアも多いけど、開放してるエリアはよくお客さん入ってる。
ケニー参戦が大きいだろうけど、ようやくお客さん戻ってる感じ。
そして声が出せるようになりました。ありがたい。
30分1本勝負
アントニオ猪木メモリアル6人タッグマッチ
真壁 刀義
永田 裕志
小島 聡
vs
タイガーマスク
鈴木 みのる
藤波辰爾
「アントニオ猪木メモリアル」という看板がかかっているが、真壁と小島って猪木と何か縁あったっけ…。
勢いでKENSOでも藤原喜明でも呼べばよかったのに。
さすがに藤波が「動いているところを見られるだけで御の字」みたいになってきました。当たり前なんだけど。
最後なんかgdgdしてた。
第1試合 60分1本勝負
IWGPジュニアタッグ選手権試合
<チャレンジャーチーム/『SUPER Jr. TAG LEAGUE 2022』優勝チーム>
リオ・ラッシュ
YOH
vs
TJP
フランシスコ・アキラ
<第70代チャンピオンチーム>
今日もリオ・ラッシュの動きがよかった。このあと成長していく未来しかない。
巻きが入ってるのか、タイトル戦なのに早めの決着。
第2試合 60分1本勝負
IWGP女子選手権試合
中野 たむ<チャレンジャー>
vs
KAIRI<初代チャンピオン>
物議を醸しながら創設されたIWGP女子選手権。
私はいいことだと思いますけどね。
いろんな選手を見られるんだから。
KAIRI、華あるなあ…と思ってるうちに超あっさり終了。5分くらい?
そのあと元WWEのサーシャ・バンクスがエントランスV付きで登場してくるが、そっちの方が時間とってたんじゃないか。
第3試合 60分1本勝負
IWGPタッグ選手権試合
<チャレンジャーチーム/『WORLD TAG LEAGUE 2022』優勝チーム>
YOSHI-HASHI
後藤 洋央紀
vs
キャッシュ・ウィーラー
ダックス・ハーウッド
<第96代チャンピオンチーム>
※3度目の防衛戦
ダックス・ハーウッド&キャッシュ・ウィラーのチームは「FTR」というのだが、何の略か調べてたら「Forever The Revival」だそうだ。
言われてみれば入場曲やエントランスVが80'sぽい。
古き良きレスリングカムバック、みたいなコンセプトだろうか。
これまたあっさり。
だいぶ巻き入ってるなあ。
第4試合 15分1本勝負
『NJPW WORLD認定TV王座決定トーナメント』決勝戦
成田蓮
vs
ザック・セイバーJr.
柴田勝頼の薫陶を受けて育った成田、本当に柴田っぽい。
面白いけど、大丈夫かな。
「新日本プロレスを辞めることが新日本プロレス」とか言い出しませんように。
タイトルマッチなのに15分1本勝負、という特殊ルールの中でザックの技の出し方が素晴らしかった。
成田の良さを出しながら自分のテクニックを披露する。
ザック、本当にいい選手。
試合後、ザックはTMDK(マイキー・ニコルス&シェイン・ヘイスト)と結託。鈴木軍解散しちゃったしね。
ザックとTMDK、昔NOAHで一緒にやってたつながりだよね。
第5試合 60分1本勝負
NEVER無差別級選手権試合
<チャレンジャー>
タマ・トンガ
vs
“ザ・マシンガン”カール・アンダーソン
<第37代チャンピオン>
※3度目の防衛戦
WWEに行ってたカール・アンダーソンを超久しぶりに見た。おかえり。あんま見た目変わってないような。
今は正規軍所属のタマ・トンガとのNEVER戦。
この二人って、プリンス・デヴィットが始めた時のバレットクラブ立ち上げメンバーじゃなかろうか。
バレットクラブは入れ替わりが激しいので細かい時期は違ってるかもしれんが、なんにせよ結成当初の「余ってる外国人選手でチーム作りました」感を思えば、立ち上げメンバーがレッスルキングダムでタイトルマッチをやれるようになったのは感慨深いのではなかろうか。
二人とも使うガンスタンをめぐる攻防の末、タマが勝利。盛り上がりました。
第6試合 30分1本勝負
武藤敬司新日本プロレスラストマッチ
海野 翔太
棚橋 弘至
武藤 敬司
vs
BUSHI
SANADA
内藤 哲也
2月に引退する武藤の新日本ラストマッチ。
内藤は「昔武藤のファンだった」程度だけど(いつだったかのドームでやったね)、BUSHIとSANADAは武藤全日本でデビューした選手なので、感慨深いのではなかろうか。
特にSANADA、いや真田聖也は全日本-レッスル1でずっと武藤と一緒で、一時期は武藤の後継者っぽいポジションだったし(グレート・サナダなんてのもやってたね)。
そして武藤の脇を固めるのが現エース棚橋と次期エース(候補)海野というのがいい。
試合開始に武藤が出てくると、SANADAが内藤を制して出てきたのが興味深かった。SANADAが内藤押しのけるところなんて初めて見た。
開始早々SANADAがムーンサルトプレスを出して、カウント2で返した武藤が自分もコーナーに上ろうとすると棚橋が「武藤さん、やめましょう」みたいに止めたのがよかった。ナイス棚橋。来月試合できなくなっちゃうと大変だしね。
先日の中邑真輔に続いて、棚橋も本当に武藤のことが好きなんだなあ…と感じさせる所作をあちこちに。
週プロが「みんな武藤が好きだった」とかコピーに使いそう。
第7試合 60分1本勝負
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 4WAYマッチ
マスター・ワト<チャレンジャー>
エル・デスペラード<チャレンジャー>
vs
高橋 ヒロム<チャレンジャー>
vs
石森 太二<第92代チャンピオン>
※2度目の防衛戦
4選手同時に試合を行い、いずれかの1選手が勝利した時点で決着とする。
ジュニアの4WAYマッチ。
展開と動きが早いこと。
動けて、プロレス頭がある人たちでやると4WAYマッチは本当に面白い。
こういう試合形式だと一番格下っぽい選手が取りがちだよな…とマスター・ワト初戴冠を予想してたら戴冠したのはヒロムだった。これは予想外。
そいや復帰したKUSHIDAとはいつやるんだろうか。
第8試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントⅠ レック Presents IWGP USヘビー級選手権試合
<第16代チャンピオン>
ウィル・オスプレイ
vs
ケニー・オメガ
<チャレンジャー>
※5度目の防衛戦
本日のお目当て試合。ケニー・オメガ、4年ぶりの新日本マット参戦。
ケニーとオスプレイの因縁はとても長くて、深いです。
ここのページが詳しいので読んでください。
【永久保存版】ケニー・オメガとウィル・オスプレイの過去の因縁・抗争まとめ
ケニー・オメガの「オマエ(オスプレイ)がやったことは忘れていないし許してもいない」発言は、いったい何のことなのか?
おおまかにまとめると、
・2018年に新日本を離れてAEWを立ち上げることになったケニーは、二人の後輩レスラーに「新日本トップ外国人選手」の座を託した。それがウィル・オスプレイとジェイ・ホワイト。
・ケニーはAEWで奮闘し、ジェイとオスプレイも新日本で奮闘した。
途中までケニーはオスプレイのことを高評価していた。頑張っている、と。
・ある時期からケニーのオスプレイに対する発言が批判的になっていった。これができていない、あれができていない。
当然、オスプレイは面白くない。SNSで反論する。
ケニーは4年前のレッスルキングダムでオスプレイが飯伏と試合した時に脳震盪になったアクシデントが起きたことを責める。オスプレイからすると事故であり、罪悪感を抱えつつも「それ言う?」という気持ちになる。
ここからは想像です。
ケニーはオスプレイとジェイに後を託して新日本を去った。
二人は期待に応えて、新日本のトップ選手になった。
一方でケニーはAEWの副社長として、運営でもリングでも奮闘する。AEW世界王座にも就いた。
それでもなお、新日本のことが気になったのではないか。
自分がいなくなったリングで、後釜に据えたジェイとオスプレイが自分より高い評価を受けてるんじゃないか─と。
ケニーのオスプレイに対しての態度には期待、嫉妬、焦り、自分の築いたものを分け与えたいという気持ち…いろんな感情が混ざってるように見える。
オスプレイの先輩ケニーに対しての感情にも怒り、コンプレックス、畏怖、尊敬、いろんなものが見える。
絡みに絡んだ感情の決着場としてこの試合は組まれた。
試合は壮絶になった。
ここ数年、ケニーはケガで試合に出てない期間もあったのでどうなんだろうと思ってたが、この試合を見る限りは変わらない動きを見せた。
そしてオスプレイも高い身体能力で魅せる。
終盤、ケニーが一方的になる展開になったが、そこで終わらずオスプレイが反撃する。
再び攻勢に出たケニーがカミゴェの態勢に入る。飯伏幸太の技だ。
防戦したままのオスプレイが「やれるもんならやってみろよ」という反抗の視線を見せ、プッと唾を吐いた。
直後ケニーのカミゴェが炸裂し、片翼の天使で3カウント。
ケニー、タイトル奪取。
まさかAEW所属のまま新日本のタイトル取ってしまうとは…!
リングで勝利をアピールするケニーを尻目にオスプレイがユナイテッドキングダムのメンバーと引き上げていく。
それを見て、オスプレイは退団するのでは…と考えてしまった。
今年で契約が切れるという話が出ていた。
何か大きな節目になってもおかしくない試合だったように見えた。
第9試合 60分1本勝負
ダブルメインイベントⅡ IWGP世界ヘビー級選手権試合
<第5代チャンピオン>
ジェイ・ホワイト
vs
オカダ・カズチカ
<チャレンジャー/『G1 CLIMAX 32』優勝者>
※3度目の防衛戦
IWGP王者vsG1覇者、という枠でレッスルキングダムのメインが決まるのは当然なのだが、またこの組み合わせか…という感じはあった。
途中までジェイがうまく試合を作っていたが、後半間延びしてしまったように見えた。
オカダがメリハリをあんまり作れてなかったように思う。
30分超えの末に、オカダ勝利。
このメインイベントが決まった時から観客の9割くらいが「きっとこうなるだろうな」という結果で、「きっとこういう感じだろうな」というマイクで、「きっと最後『1、2、3、ダー!』をやって締めるんだろうな」という通り、花道で『1、2、3、ダー!』をやって終了。
逆に見事過ぎる。
安心安全のチャンピオン。
オカダが『1、2、3、ダー!』をやったあとはドームに大音量で「炎のファイター」が流れる。
猪木の「ファイッ!」という掛け声が聞こえる。
しかし当然ながら猪木は出てこない。誰も出てこない。
それを見ているうちに、ああ、猪木はいなくなったんだな…と初めて実感した。
「亡くなった」というニュースを見てもどこか遠くのことのようで、今もどこかにいるような感覚があったのだが、誰も出てこない「炎のファイター」を聞いて、もう猪木はここにいなんだ…と身体に感覚が落ちた。
言うても新日本プロレスでは20年くらい「猪木」はタブーのようになっていて、たまーに名前を引っ張り出されることあってもそれ以上につながることはない、そんな存在だった。
今回、そんな歴史をすっ飛ばすようにいきなり「猪木さーん!」(オカダ)みたいに打ち出すことに違和感はあったけど、一つの「区切り」としてやって、よかったような気がする。
組織は同じであっても、時間が経てば人が代わり、また別の人が出てくる。
見ている人も入れ替わる。
当たり前のことを深く実感した大会だった。
新しいフェイズに入り、新日本プロレスは51年目を迎える。
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