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HALL OF FAME
日米ともにプレーヤー部門の選出がゼロとなった、2021年の《野球殿堂》入り――
日本の野球殿堂は、東京ドームに併設されている野球殿堂博物館内にあり、行ったことがある人も多いだろうが、アメリカの、ニューヨーク州クーパーズタウンにある野球殿堂へ行くのは、簡単じゃない。
日本から行くんならそりゃ遠いに決まってるだろ、ってだけではない。向こうは、東京ドームのように交通至便でにぎやかな市街地じゃなく、かなり田舎なロケーションなのだ。
こんなに行きづらいところなんだ…と実感したのは、一人で行こうとしていろいろ調べたとき。
ニューヨーク州にあるということはわかっていたが、「州」の広さはまったく理解できていなかった。高層ビルがいくつも立ち並ぶ、交通量も多いマンハッタン周辺の「New York」じゃなく、州北西部にある田舎町。
本数は少ないながら、マンハッタンから出ているバスもあったけど(マンハッタンから5~6時間?)、仲間が企画したツアーに参加させてもらって初めて行ったときと同様、AlbanyやSyracuseといった中小都市からレンタカーを利用した。
クーパーズタウンと同じくらい(それ以上?)、周りに何もない同じ州の田舎町・カナストータにある、International BOXING HALL OF FAME(国際ボクシング殿堂)へ行こうとしたときも同様。
スマホもグーグルマップも今ほどポピュラーになっていない頃。地図を買ったりして調べながら、思ったことは――
野球の方は特に、行きたい人、行こうとする人は数多くいるだろうに。もうちょっと多くの人が行きやすいよう、そのための交通機関なんかを整備すればいいのに、ということ。
でも、両方にその後何度か行ってみて思ったのは――
近くへ来たからついでに…のように、なんとなく行けてしまうようじゃなくていい。ほんとうに行きたいと思う人以外、わざわざ行こうなんて思わない場所でちょうどいいんじゃないか、ということ。手間ヒマをかけてでも行きたいと考える人だけが、実際に足を運び「来てよかった」と心地よいため息をつける。そういうところなのだ、と。
日本の野球殿堂が行きやすい場所にあることがよくないと言っているのでは、もちろんない。アメリカの殿堂へ自分が足を運んだ経験があることに、希少価値? があると思いたいだけ。そして背伸びして行って、当時家計を圧迫したことを正当化したいだけだ ^^;
海外渡航じたい、いつまたできるようになるかもわからない社会情勢。イチローが《HALL OF FAMER》になるであろう2025年――その頃にまた行こうと妄想したり、計画できたりするような健康と生活基盤をなんとかキープできていたら…いいな。