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ParisBrestParis2023挑戦記⑤  反省会編:4年後に向けて

今回のPBPでは、2022年に飛梅1200kmを完走してから、装備、携行品などに約1年かけて準備をしてきた。本番までに600kmを3回、1200kmを1回しか走ったことがなく、超長距離の経験が不足していたため上手く行ったこと、行かなかったこともあり。反省会としてまとめてみました。



装備編

オプサイト:◎◎🏆🥇

医療用の保護フィルムで高齢者の褥瘡初期などにも使用される高機能フィルム。
水蒸気透過性があり蒸れは防ぎ、外からは防水機能を発揮する。これを、坐骨から恥骨にかけて両方貼って臨んだ。シャワー時は剥がすことを考え、カットした予備も十分に準備して臨んだ。

結果は、2日目のLOUDEACのシャワー時は、仕切りもない脱衣所でスッポンポンで股を覗き込んで貼るのも面倒で、剥がれも全くなかったのでそのままで着替えた。3日目のLOUDEACではシャワー入るのを断念したので、結局スタートからゴールまで貼ったままでした。トレイ大は何回もしたのでビブショーツは何回も上げ下げしたが全く剥がれることなし、他のクリーム系と違って距離ごとに塗り直す必要なしの万能選手でした。後半はサドルにどっかり体重かかってしまい圧迫の痛みは900km地点から出たが、摩擦での皮膚トラブルはほぼなし。ゴール後にホテルでフィルム剥がしたが、表面の表面の皮膚1枚だけ剥けていたが、組織の腫れ・赤み無し。翌日以降も座る、歩くにも全くダメージなしでした。400km以上では、絶対に使い続けたいグッズ!!

コツはフィルム部分の体毛は剃っておくこと。ボディトリマーで日本出発前にフィルム貼る部分だけ剃っただけで十分でした。

医療用の保護フィルム


乙女ギア:◎🥈

SRAM RIVAL AXS ETAPは、完成車についていたクランクをパワーメーター付きに変更するにあたりクランクごと交換し、フロントは46/33に変更、リアは10-36で最も軽いギア比は0.916!装備も多くて普段より重たいので6%以上の坂は、一番軽
いギヤでクルクル回してマイペースで登ることを心掛けた。クライマー体型でない方は、とにかく乙女ギヤをお勧め。プライド捨てて最低でもギヤ比1.0を目安に。FTP値高くない自分が完走出来たのは乙女ギヤのおかげかな。

DHバー:◎🥈

もともと400kmを超えるブルベでは手のひらの痛み、手の痺れが出やすいため、2019年以前のPBPのシフトレバーより前に出ないDHバーOKのルールに準拠して使用していた。ただこれには手の保護には役立つが、前傾姿勢が強すぎて腰・背中に負担がかかること、バーが短いため前腕の肘付近ではなく、真ん中あたりをアームレストに乗せるため前腕が痛くなる弱点もあった。そのため、重量増にはなるがDHバーの高さを出すライザーを導入。前傾姿勢を労わるのが最大の目的なので高さは最大の70mmを導入。これに2023年PBPから長さの制限がなくなったDHバーを導入した。

ビブショーツ:パールイズミ クイックビブパンツ◎🥉


肩紐部分がファスナーで外れるのが優れもの。トイレの面倒臭さから解放された。

ファスナーとプラスチックのジョイント部分で肩紐とショーツ部分が分離できる優れもの。トレイの憂鬱さから解放された。


サドルバッグApiduraxMAAP Racing Saddlepack7L:○

パックの口をクルクル回してそれぞれ左右のシートポスト側でバックルを固定するタイプは、

このタイプは内容量変化でタイヤに擦りやすくなる印象


このタイプのMAAPとのコラボデザインを購入

内容量の変化などで緩みやすくタイヤに擦ったりするため左右のバックルどうしを固定するタイプが欲しくて購入。製品自体を狙い通りだったが、自分の疲れから後半に、折り畳まず適当に入れ込んでしまいパックの口が閉まりにくくなり結果タイヤに擦ってしまった。後続のランドヌールに教えてもらいダメージは最小限で済んだ。

携帯食:◎〜△

持参したのは
一口羊羹15個くらい、プロテインバー(1本200kcal程度)を10本程度、アルファ米おにぎり7〜8個、アルファ米ご飯シリーズ3個(五目ごはん、ビリヤニ、カレーピラフ)。ここは反省点というか改良点が詰まっている。とにかく夜間走行の補給が少なく苦労したが、とにかく補給食を入れるスペースが足りなかったかなというのが反省点。ドロップバッグの利用でコースを3分割して考えていたので食べた分補充すればいいかと考えていたが甘かった。身長が高くないので難しいが小さめのフレームバッグ導入を検討してスペースを確保したい。ボトル2本もフレームバッグに合わせて大きさなどを再検討してちょうど良く収まる様工夫が必要かな。

アルファ米おにぎりは、コンパクトなのはいいがその分補給食としても小さくてすぐに腹が減った。脱酸素剤を取り出して水ないしお湯を入れるのだが、脱酸素剤を取り出すのがおにぎりシリーズだと意外と大変。かなりパックの中に指を入れて穿り出さないといけないので米がこぼれ落ちたりすることも多かったし衛生面でも×。おにぎりをむき出しにするのに包装パックを切る必要があり結局停車する必要があるので、どうせ停車するならご飯シリーズの容量が良かったかなと思うが、ご飯シリーズは場所を取るので複数個をパッキングするスペースが無かった。もう少しパッキングスペースを確保してご飯シリーズを携帯するのが良かったか。


insta360:△

このネジがすぐに緩んでしない悩まされた。もっと動画撮りたかった。


撮影のためinsta360 x3を持参し、DHバーに装着。停車時の盗難防止のためクイックリリースマウントをかませていたが、ネジの部分が振動で緩んで外れそうになり途中からはステムポーチの中に突っ込まれるハメに。改善が必要。insta360自体は、360レンズのため撮影方向を気にする必要なし、写真も動画から切り出し可能とかなり使い勝手良かっただけに残念。バッテリーの減りが早くモバイルバッテリーとの組み合わせも調整必要。モノが悪いのではないんです、予行不足の私が悪いんです。

モバイルバッテリー:△


安さと容量からBelkinの10000mAhを2つ新規購入。容量やUSB-A,Cともに使用可能な点は良かったが、形状が薄く長いことが使いにくかった。トップチューブバッグの縦がギリギリでバッグないでケーブル折り畳んでスマホ充電がしにくかった。同じ容量でもう少しずんぐり形状が良かった。

体力編

基本スペック

167cm 70kg前後と体重重め
FTPは、正式なテストするとメンタル的に最後まで踏めず辞めてしまうため不明。最高は208、今年に入ってからは191〜196wで経過していたがおそらく200〜210w程度まではアップしていたのではと実感(単なる自分の感覚です)

トレーニング

1年前から体力作り計画し、230W、体重65kgを計画するが上手くいかなかった。
ブルベの特に200~300kmの短めの距離ではFast rideを意識し、認定もらえればいいやではなく、体力作りを意識した走りを続けた。
3月天草周遊300km 15時間台
6月の福岡200km2連戦を10時間17分、9時間44分とまとめることが出来た。
Zwiftを利用して平日にも長くて1時間程度だが、高強度のワークアウトを継続したのが効果的だったと思う。いわゆるpolarized trainingになっていたと思われる。当初はL4 SST領域を中心としたトレーニングしていたが、L5 VO2max領域を中心としてトレーニングに切り替えた。時間の確保が難しいということもあったが、こちらの方がパワーアップの実感があった。

実際に走ってみて

PBPのコースを考える場合、5−6%の短めの坂の繰り返しがメインでPWRよりもパワーの絶対値を伸ばすのが良さそう。さらに白人外国人は坂の最後1/3程度をダンシングを入れている人が多かった印象で、お尻のダメージ的にもダンシングを入れられるパワーと心肺能力があると良さそう。日本でのブルベでは、ファストライドを意識(グルメや休憩は長くとっても全く問題ないが)して自分の脚力を評価していく必要がある。
トレインに乗っていくのが正解的な感想が多かったが、自分の脚力ではむしろついていくので脚消耗、前後間隔維持でブレーキング頻度増、下りが速すぎてついていけないの理由で、あえて乗らない方が正解だった。次回はトレインも楽しんでみたい。


戦略編

ペース配分

とにかく往路の40時間をどうこなすかに集中していた。夕方スタートであり、200km地点のPC1で少し仮眠することは予定通り。2日目の日中にもう少し貯金できていれば、LOUDEACからBRESTまでの間でもう一回短い仮眠を入れたいと考えていた。結果としては、日中の暑さで2日目昼間のペースが上がらずに貯金ができずRoc'h Trevezel直前で道路脇に寝る羽目になってしまった。

仮眠

VILLAINES -LA-JUHELとBRESTでの仮眠ベッドの睡眠は、2時間取りたいところを1時間しか眠ることが出来なかった。
しかし、後半はPC芝生での仮眠、LOUDEACでの有料仮眠所での仮眠と上手く眠ることが出来た。

食事

装備品の箇所でも述べたが、携行食の工夫は必要。羊羹はやはり食欲がない時でも食べれる優れもの。PCでジェルやバナナなどを適宜購入しても良いと思う。サンドイッチ(バゲットにハムなどを挟んだもの)は、カロリーも今ひとつだし後半は、胃というより口が受け付けなくなる。街のパン屋やマクドナルドを利用するのも一つの手かなと思う。マクドナルドは、FOURGERESとCARHAIX-PLOUGUERはルートの近くにあるようなので、往復4回は利用しても良いかもしれない。トイレも使えるしエアコンも効いている。PCレストランで食事をするのもいい思い出になるので1−2箇所は食べることをお勧めします。夜間はPCしか開いてないから利用するしかないですしね。往復VILLAINES -LA -JUHELと復路Montagne -au-Percheは混雑も少なく美味しかった。それ以外は、PC外の食事も考えた方が良いかも。夜間は、私設エイドもなくなり、有料エイドも少ないので、しっかり携行食を確保しておいた方が良い。クロワッサン10個くらいサコッシュに入れて夜間走行すれば良かったと後悔している位です。PCの度にボトルの水は満タンにした方が良い。

サプリでマルチビタミン&ミネラルをとっていた事もあり、2022年の飛梅1200kmでは後半は口内炎多発していたが、今回は最終盤で1つ出来た程度だった。ビタミン&ミネラルは、消費量も通常とは比較にならないからと推奨用量の倍くらい摂取してました。(お勧めはしません、自己責任で摂取しました)きつくて服用忘れてしまう事も多々あった。野菜類はPCではあまり置いていない事もありサプリは有用だと思う。PCで数回お世話になったシロップ漬けのカットフルーツは神でした。

次回参加時にやってみたいこと

今回は完走第一で計画して、それ自体には満足していますがもし次回も参加できたらやってみたいことが幾つかあります。

当日に自転車ごと電車に乗って参加

パリ中心部に近いところに宿をとって、当日自転車でパリの駅からランブイエ駅まで向かって参加すること。世界中の参加者が乗っていてこのイベントの国際色豊かな雰囲気を感じることが出来るだろうな、帰りもお祭り気分でジャージ交換出来たりする可能性も高いかなと思って。

ブルベ中にPC以外のレストランで食事

今回ブルベ中には、PCでの軽食・レストラン、道中の私設・有料エイドステーションでの食事しかしませんでした。レストランは、注文から出てくるまでの時間がどのくらいなのか想像つかずに時間の余裕がなかったこと、道中知人と一緒に走ることがなかったので1人で食べてもなあと思いチャレンジせずに終わりました。もう少し走力に余裕がないと難しいですが、最低限マクドナルドで余裕があれば地域のレストラン・ブーランジェリー(パン屋)での食事をしてみたいです。あとはドルーのPCで、パリ・ブレストを食べただけでしたので、おしゃれなブーランジェリーでのパリ・ブレストも食べてみたい。

トレインに乗る時間を増やす

これは、もう少し脚力アップしないと難しいかな。知人と組んでいくのもお喋りできたり、夜間の睡魔対策にもいいかも。ペースも合わないと難しいので日本でも何回か実走試さないと難しいでしょうが。


以上、PBP2023の振り返りをしてみました。次回参加を検討している人やリベンジを予定している人の参考になれば幸いです。自分も次回参加前に読み直して振り返ってみたいと思います。


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