アーティスト紹介#4 Late of the Pier
こんばんは。
ご覧いただきありがとうございます。
今回はLate of the Pierというバンドについて紹介していきたいと思います。
2008年、Summer Sonicにて
概要
Late of the Pierは、イングランドのドニントン (Donington)出身の4人組バンド。
2004年に結成され、2010年まで活動していました。
現在は無期限の活動停止中であり、今後の復活も望み薄となってしまっています。
メンバーは
ボーカル/ギター/シンセサイザーのSamuel Eastgate
シンセサイザー/サンプラーのSam Potter
ベース/シンセサイザーのAndrew Faley
ドラム/パーカッションのRoss Dawson
の4名です。
経歴
Late of the Pierは2004年にイングランドのドニントンで、Samuel Eastgateを中心に結成されました。
結成当初はMySpace上で音源を無料配布するなどして活動していたようです。
2007年にはデビューシングルとなる"Space And The Woods"をWay Out West Recordから、続いて"Bathroom Gurgle"をMoshi Moshi Recordからリリースしました。
また、同年のReading and LeedsフェスティバルではNME/Radio Stageでのライブを経験しています。
2008年には更に活動を活発にし、Reading and LeedsフェスティバルのRepublic Stageでの出演や、Kaiser CheifsのUKツアーのサポートなどでライブを重ねました。
そして同年11月には、デビューアルバムとなる"Fantasy Black Channel"をParlophoneからリリースし、高評価で迎えられました。
その後も2009年にシングル"Blueberry"を、2010年に"Best in the class"をリリースするなど活動を継続しましたが、徐々に停滞。
さらにメンバーがそれぞれのソロプロジェクトで多忙となり、バンドとしての活動が停止してしまいました。
2015年5月にドラマーのRoss Dawsonが死亡。また、12月には中心メンバーであるSamuel EastgateがNME誌のインタビューで活動再開の可能性を否定しており、実質解散状態となりました。
2018年に"Fantasy Black Channel"のレコード盤を発売するなど、細々とした活動はありましたが、今後本格的に活動することはないと思われます。
2008年、London Callingでの"The Enemy Are Shit"
音楽性・魅力
Late of the Pierが活躍した時期は、Klaxonsに代表されるようなニュー・レイブが勃興し、ロックとクラブミュージックの融合が進んだ時代でした。
2000年代中盤の停滞気味だったロックシーンで、それまでのカウンター的な側面を持ちながら、ロックの枠を拡大したニュー・レイブ。しかしその流行は一時的であり、10年代ごろまでには廃れていきました。
彼らもその流行の中で一瞬の輝きを放ったバンドのひとつとなり、その結果は残念ながら短い活動期間となってしまいました。
それでも彼らの音楽は典型暦なニュー・レイブの枠には留まらず、より実験的で独創的な色を帯びていたと思います。
それぞれの楽曲の中で激しく、何の脈絡もなしに曲調が変化していくさまは下手をするとリスナーを置いてけぼりにしかねませんが、ちょうどいいバランスでその逸脱を制御することで、適度にリスナーを困惑させつつも曲に埋没しきってしまわないようにする、そんな独自性が彼らの特徴であったと思いいます。
一方でライブで魅せるダイナミックでエネルギッシュなパフォーマンスはどこか刹那的でもあり、それが彼らのバンドとしての一生に重なるような気もします。
活動期間の短さと作品数の少なさが惜しまれますが、もし活動が続いていればその独自性をより際立たせるような作品を生み出したのかもしれません。
アルバム紹介
"Fantasy Black Channel"
彼らの唯一のアルバム。全編にわたって無心で頭を振りながら聴けるような作品。しかし油断していると急にエクスペリメンタルな顔を覗かせる一面もあります。
おすすめ曲
"Hot Tent Blues"
アルバムのオープニング曲。重厚なシンセサイザーがつくるアンセム的フレーズが印象的です。
"The Bears Are Coming"
実験的な意欲作。唸るようなシンセサイザーが悲鳴のようにも聞こえる。
まとめ
ここまでご覧いただきありがとうございました。
今回はLate of the Pierの紹介でした。
彼らの活動期間中に出会えていたらよかったなぁとも思いつつ、当時のことを想像しながら曲を聴くのもありなのかなとも思っています。
前回の記事からかなり間が空いてしまいましたが()、またこうして記事をあげることができました。
今年度は比較的時間がとれそうなので、更新頻度を上げていければと思っています。
それでは今回はありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。