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マネフォの会計システム開発、業務知識難しいので工夫してチームづくりしてる話(in関西拠点)

こんにちは!マネーフォワードのクラウド会計Plusの開発メンバーの井上(@ino_dev)です。
この記事は、マネーフォワード関西拠点 Advent Calendar 2021 の18日目の投稿です!

17日目はnobutaka takashimaさんの「体系的に依存性の注入を理解する」でした。


マネーフォワードの関西開発拠点(京都・大阪)では、マネーフォワード クラウド会計Plus(以下、クラウド会計Plus)という法人向けの会計システムなどを開発しています。
なんだかんだで、業務委託としてもう2年ほど開発に携わらせていただいているので、今回はどのような業務知識との付き合い方がされているのかなど紹介させていただければと思っています。

「マネフォって内部でどんなことしてるの?」「会計システム開発に携わるの難しくない?」というようなことが気になる方の参考になれば幸いです。


1. 簿記勉強会

関西拠点では新しいメンバーを中心に、週1回程度簿記勉強会が開催されています。
簿記3級レベルの内容で、実際に取引などの例を仕訳にしてみるというスタンダードな簿記勉強会です。
システムの根幹の部分を読み解くにはやはり基礎知識はある程度付けないと難しい部分がありますので基本的な勉強は皆でも実施しています。

簿記勉強会の案内

なお、プロダクトオーナー(PdO)の杉浦さんたちが勘定科目や取引などの面白い例なども、和気あいあいと紹介してくれるのが面白かったりします(笑)
関西開発拠点の中では、地味に簿記勉強系のYouTubeも人気だったりします。(個人の感想)


2. プロダクト勉強会

簿記とは別に自社の製品やマネーフォワード以外のプロダクトの機能にどのようなものがあるのかを見る、プロダクトの勉強会というものも実施していました。

ITエンジニアは頑張ればコードを読んでリバースエンジニアリングしていくことは出来ると思いますが、それがなぜそのような作りになっているのかを理解するには思想まで理解できないといけませんので、様々なプロダクトを触りながらそれをどのようにお客様が使うのかといった話などもしています。


3. テスト観点のレビュー実施

スクラムでの開発では自動テストなどをどう作り込むか、どのようにテストを実施してからリリースするのか、というところが大事になってくるかと思います。

関西拠点ではスプリントプランニング(該当期間のタスクの進め方などを決める)の際に、結合テストのやり方なども書き出してレビューをもらっています。

特に帳簿の数字チェックなどはシビアに見ないといけないポイントなので、ドメインエキスパートに仕訳のパターン作成や結果の確認方法なども相談して進めたりもします。


4. プロダクトオーナーをサポートするEpic大臣の仕組み

関西開発拠点ではスクラム開発を行っています。
基本的に開発タスクの優先度はプロダクトオーナーが決めますが、何でもプロダクトオーナーに集中するとこれ以上チームがスケールしないという課題から、Epic大臣というロールを開発チームから立てています。

Epic大臣はそのEpic(機能などの開発のまとまり)の要件整理等を担当・支援するITエンジニアメンバーで、プロダクトオーナーチームの人と一緒に機能がどうあるべきかという企画に近い部分から一緒に作業し、実装するためのチケット(ストーリー)に落とし込んでいくということを行っています。

要件をまとめて「開発できる状態に落とし込んでいく」ということ以外に、なぜこれを作らなければいけないのか、どうあるべきなのかというところからITエンジニアも一緒になって考えることで、知識や背景の理解の促進にも繋がります。
また、Epic大臣を中心に業務の流れや有るべき姿をまとめるユーザーストーリーマッピング(USM)というものも一緒に作成したりもします。

EpicのUSM・MVPをまとめているボード


5. ITエンジニアもユーザーインタビューへ同席

特に新しい機能を作る時などには、PdOやデザイナーと経理部の方にインタビューを何度も行い課題の焦点などを合わせに行くということをしています。
この時にITエンジニアにも声をかけてもらい、インタビューに参加させていただいたりもしています。


下記発見のプロセスの早い段階から関わり、作るものが「どのようなものか(What)」や「どのように使うのか(How)」はもちろん、「なぜそれが欲しいのか(Why)」からしっかり理解することで、システムのあるべき形の理解やITエンジニアからの機能の提案にも繋がっています。


6. ドメインエキスパートとの協力

もともと会計に詳しいメンバーがいたり、簿記勉強会の実施などもしているものの、やはり高度な知識を必要とする機能も多いので、各種専門家の方にも開発や運用に協力いただいています。

特にマネーフォワードは多くのサービスを手掛けていることもあり、いろいろな専門家がいるのも特徴的だと思います。

社内に税務やIPOなど様々な分野に得意分野を持つ方もいらっしゃるほか、最近は税務研究会様と連携した「会計税務チェックβ」の機能などもリリースしています。


7. 楽しくスプリントレビュー

スクラム開発におけるスプリントレビューにも様々な立場の方(営業の方やカスタマーサクセス・運用の方など)に参加していただけています。
何十人という人達で集まって、開発した機能などを実際に触ってもらい、機能としての要望やデザインなどの感想など、雑談も交えながらワイワイと意見をもらっています。

デモ操作をしてもらいながらSlackに投稿している様子

特に待ちわびた機能がリリースされた場合には喜んで貰えている様子なども実感できるため、スプリントレビューは業務理解などにつながることはもちろん、やりがいを感じる場としても機能していると感じます。


8. ドッグフーディングによるフィードバック

開発している「クラウド会計Plus」は特に成長企業に対して提供するためのプロダクトであり、もちろんマネーフォワードの会計にも使われています。
社内で使ってみた実運用からのフィードバックをすぐに貰えるため、改善サイクルを回していくというのも成り立っています。


最後に

会計システム開発はやはり難しい部分も多いです。
システム開発には基礎知識を付ける必要があることなどはもちろんですし、もっと(自分を含め)チームの理解度を上げていく必要があります。

ただ、マネーフォワードには色々なエキスパートもいらっしゃり、良いプロダクトを作るためというところでは皆惜しまず協力してくれますし、伸びしろもある面白い分野でもあると思います!

もし開発方法やチームの状況など興味がある方は、カジュアル面談などもされているので是非↓から応募してみて下さいね!

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明日の マネーフォワード関西拠点 Advent Calendar 2021  は技術広報のluccafortさんです!

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