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有機(オーガニック)食品への消費者ニーズは?

2024年3月22日、第3回みどりGXセミナーに参加し、産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデン取締役執行役員COOの山下麻亜子氏の講演を聞き、感じたことをまとめました。


生産者のこだわりを評価

食べチョク」は、生産者のこだわりが正当に評価され、利益を得ることができるように、生産者とともに一次産業の課題を解決することを目的に運営されているとのことです。

消費者意識の多様化

買う場所の選択肢が増え、食へのこだわりが多様化し、「消費」以上の価値を求めるようになってきています。
具体的には次のような変化が見られます。

  • 美味しいもの、安全なものを求めた食材へのこだわり

  • マルシェや直売所からの購入が増加(生産者とつながりやすい)

  • 食品のインターネットでの購入が増加(生産者の情報を得やすい)

  • 家で食を楽しむ(外食以外での食費に充てる)割合が増加

  • モノ消費からコト消費へ(価値観の変化)

有機(オーガニック)食品へのニーズが増加

農薬や生産過程について調べ、より安全な食材を求めたり、自身の健康だけでなく、環境にも良い食材を求めたりする消費者が増加傾向にあります。

消費者は自分の価値に対して、購入(お金を出す)行動をしています。
食材が生産されるための手間、コストが自分の価値に見合っていれば安いと感じ、見合っていなければ高いと感じます

「食べチョク」はオンラインによる販売ですが、消費者と生産者のつながりを大切にしています。
生産情報を通して、生産者への感謝や家族の会話が増えたり、生産現場に行き農業体験をしたりなど、単なるモノの売り買いではなく生産者と消費者の距離が縮まる効果も見られます。

消費者に伝えるべき情報とは?

消費者の健康志向や環境意識の高まり需要に繋がっていることが、持続可能な農業への転換の後押しになっています。また、生産過程や生産地への関心度の高まりは、地域経済の活性化にもつながります。

消費者は、日常的に生産者の情報を確認することなくスーパーなどで食材を購入しています。そこに、価格以外の情報があれば選択肢は増えます。
有機農家に限らず生産者には、農産物の価値(コト)を消費者に届けるために、「誰に」「何を」「どう届けるのか」の一連の流れを考えた情報を、消費者に分かりやすく伝える工夫が求められます。

求められる消費行動

大量生産・大量消費・大量破棄が当たり前になった暮らしから脱却するためにも、消費する際には1品からでも健康や環境に配慮した食材を選ぶ行動を始めるのはいかがでしょうか。
このような消費行動は、小規模でも有機農業などこだわりの生産に取り組む農家を支援することにつながり、より持続的な農業、社会に向けた取り組みとなります。

参考資料

山下麻亜子(2024)「消費者トレンドから見た第一次産業~起きている変化と今後の可能性」, 第3回みどりGXセミナー(2024年3月22日)

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